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MCA無線とIP無線の違いとは?

2022.03.29

無線の種類を調べていたら、「MCA無線」という名称が見つかり、どのような無線か調べているという方もいるでしょう。現在、無線には様々な種類がありますが、最も注目を集めているのは「IP無線」です。
そこで今回は、MCA無線とIP無線の比較を行い、その特徴や違いを解説します。

MCA無線とIP無線とは?

MCA無線とはどのような無線なのでしょうか。また、近年、注目を集めている IP無線についても、合わせて定義と仕組みをご紹介します。

●MCA無線とは

MCA無線のMCAとは、「Multi-Channel Access」の頭文字を取ったもので、MCA無線は「周波数の効率的な利用」を目的として開発された、一般業務用の陸上移動無線システムです。大きな特徴は、一つの周波数帯を多くの利用者が順番に使用する方式であることです。すべての通信は、「制御局」という拠点で中継されます。制御局においては、利用者に空いているチャンネルを割り当てることで通信の利用が可能となります。もし、すべてのチャンネルが使用されている場合には、順番が回ってくるまで待機する予約待ちの状態となり、空き次第、自動的に通信チャンネルが割り当てられ、通信が可能になる仕組みです。

●IP無線とは

IP無線は、NTTドコモ、au、ソフトバンクといった携帯電話キャリアの通信網を用いた長距離通信ができる無線のことを指します。通信には、IPネットワークが使われ、音声をパケットデータに変換してデータを伝送してやりとりを行います。

MCA無線とIP無線の特徴

MCA無線とIP無線それぞれの特徴を見ていきましょう。

MCA無線の特徴

・チャンネルと通話時間に限りがある
MCA無線は、制御局が利用者に空いているチャンネルを割り当てていくため、空きがなければ利用できません。また限られたチャンネルをスムーズに振り分ける必要性から、通信時間に制限のないIP無線機と異なり、MCA無線機では1回の通信時間が35分に制限されます。
 
・災害時の通信手段として利用される
災害時には、携帯電話や固定電話は通信網に通信が集中するため、接続が制限されつながりにくくなります。その点、MCA無線は、電話回線を利用しないことから災害時の備えとして利用されています。
 
・制御局の契約数によって通信距離が変わる
通信距離は、中継する制御局の契約数によって変わってきます。制御局の契約数が多ければ全国通信も可能であり、エリアを区切れば、関東、近畿など拠点間通信も可能となります。制御局は24時間365日体制で保守管理されています。
 
・資格取得は不要だが免許申請が必要
利用に無線従事者等の資格は必要ありませんが、免許申請は必要です。

●IP無線の特徴

・エリアを問わず利用可能
IP無線はインターネット回線を利用して通信を行うため、エリアを問わず利用することが可能です。中継局の契約も必要なく、既存インターネット回線の利用で通信することができます。
 
・緊急時にもつながりやすい
IP無線はインターネット回線を利用するため、電話回線がつながりにくい状況でも連絡手段として活用できます。企業の災害対策やBCP対策として利用されています。
 
・コストを抑えて利用可能
IP無線は、導入後は、月額料金を支払い利用するのが一般的です。固定料金であれば、よりコストを抑えることができます。特にスマートフォンにアプリをインストールするだけで使い始められるIP無線アプリの場合、手持ちのスマートフォンがあれば機器購入コストが不要となり、さらにコスト減となります。
 
・無線資格・免許が不要
IP無線は、利用に際して資格の取得や免許申請は一切不要です。手間やコストの削減につながり、導入しやすいといえます。

現在はIP無線のエリア拡大によりIP無線がおすすめ

特にMCA無線は、これまで災害時の備えとして利用されることが多くありました。しかし、MCA無線はコスト面で割高になることや、予約待ちになることもあるなどの弱点もあります。
 
そのため近年、災害などのBCP対策としては、IP無線に置き換えるケースが増えてきているのが現状です。IP無線はつながるエリアも拡大しているため、将来性も期待できます。
さらに、IP無線はアプリを利用することで、コストを大きく抑えることが可能です。

まとめ

MCA無線の概要や特徴とともに、IP無線との比較もご紹介してきました。通信やコミュニケーション手段を検討している場合や、BCP対策を検討している場合には、IP無線のほうがおすすめです。特にIP無線アプリはより手軽かつ安価に導入できます。

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