更新日:2020.08.24
経営者の皆さん、人件費について、特に人件費にはどこまでの費用が含まれるのかについて、しっかりお考えになったことがありますか?
「時給じゃないの?」
「人件費って給料のことでしょ」
その程度の認識の方が、きっとほとんどではないかと思います。
皆さん、こんな言葉をご存知でしょうか。
「人件費は基本給の2倍掛かる」
実は人件費とは、人の労働に対して支払われる給与だけでなく、もっと広い、各種手当などの費用も含まれたものです。
従業員への給与だけでなく、法定福利費、福利厚生費など従業員に対し発生する様々な費用が含まれるものなのです。
経営者の皆さんは、人件費を削減する、といったことを意識することも多いと思いますが、この時、人件費を単に給料や時給と考えると、様々な手を打っても、思ったほど効果が出ないという事にもなってしまう可能性があります。
まず、ざっと人件費に含まれる項目を挙げてみましょう。
・給与手当
・役員報酬
・法定福利費
・福利厚生費
・退職費用
などが含まれます。
給与手当
まず人件費の中心となる「給与手当」。給与手当は、従業員に支払われるお給料とボーナスが基本です。ただ会社には給料やボーナス以外にも、各種手当や通勤交通費も存在し、これもこの給与手当てに含まれています。
各種手当とは、会社によって項目が異なりますが、「残業手当」「休日出勤手当」などがあります。
役員報酬
「役員報酬」は会社の役員がもらう報酬です。
社長の「給料」も、この役員報酬の項目に当たります。
一見役員報酬と先ほどの給与は、立場が違うだけで同じようなものと思われがちですが、金額の決まり方などについてもずいぶん異なります。
例えば、会社が今年儲かったからといって、急に役員報酬を増やすことは出来ません。
役員報酬の額を決めるには、株主総会での承認か定款によって規定する必要があります。これは上司、あるいは最高責任者である役員や社長が勝手に自分の給料を(高く)決めてしまうことを防ぐためです。残業代や各種手当が出ないのも役員報酬の特長です。
法定福利費
法定福利費とは法律で定められている福利厚生に関する保険料費用のうち、会社負担分の費用のことです。
福利厚生に関する保険料費用とは、社会保険料や労働保険料などのことです。人を雇いために必ず必要な費用なので、これも人件費の中に含まれる事になります。
個人の給料の中からも厚生年金保険や健康保険など引かれています。
福利厚生費
法定福利費と名前が似ているのでちょっと混同しがちですが、こちらの「福利厚生費」は社員が快適に働ける環境を作るための費用です。
会社における福利厚生には、先ほどの「法定福利費」のように法律で定められて必ず行うべきとされるものと、会社の裁量に任せられているものがあります。この裁量に任されている部分が福利厚生費です。そのため、給料以外の部分で、もっとも会社ごとの差が出る部分です。
・社員旅行費
・会社負担の忘年会費用
・健康診断の費用
・従業員へのご祝儀
・会社のクラブ活動の補助金
などが代表例ですが、すべて当たり前のように存在している会社がある一方で、一切存在しない会社もあります。