更新日:2020.08.24
新しく経理課に配属された新人に、まず何を勉強してもらえればよいのか。これは新人を迎える側に大きな責任があります。
これは先輩社会人によくありがちなことなのですが、自分が当たり前と思っていること、当然社会人としてできるだろうと思っている事柄のほとんどのことを新人が知らないし、できないということを失念しています。
挨拶するのが当たり前、終わったら報告するが当たり前、そんな当たり前のことさえ通じないのが新人と思ってよいでしょう。
そんな新人の皆さんに、これから皆さんは経理の仕事を受け継いでいくのです。
今回は、これからご苦労される先輩の皆さんに、会社の経理において共通のイロハを改めてご紹介したいと思います。
新社会人にして新人経理に最初に覚えてほしい事柄は、大きく分けて、次の3つの事柄があるでしょう。
1)会社、部署のルールについて
2)経理の心構えの基本
3)経理の技術、知識の習得
それぞれどのような内容なのかをご説明しましょう。
1)会社、部署のルールについて
・会社のお金の流れを教える
まず基本のキとして教えておきたいのは、会社のお金の流れです。自分の勤める会社において、どのような「取引」があるのか。
業種や仕事内容について知っていたとしても、お金の流れとなるとそれはまた別の話。まず会社のお金の流れを理解してもらうようにしましょう。
・どのような書類がどこにしまわれるのか
次に必要なのは、書類の流れです。自社の経理の仕事ではどのような書類が扱われ、どこにファイリングされているのか。これも仕事を理解する上での基本的な事柄です。どのような業務の流れで経理に届き、どのような処理を経て、どのようにファイリングをするのかをまず教えましょう。
・誰と話す必要があるのか
次に、経理が仕事を行っていくうえで、どのような方々とのコミュニケーション、やり取りが生じるのかを伝えましょう。社内、取引先、銀行、税理士等々、仕事を進めるうえでの、これもまず必要な情報です。
2)経理の心構えの基本
・上司よりも法律がえらい
経理の仕事でもっとも重要なのは、ルールに基づいて仕事をすることです。
経理の仕事はすべて社内規定や会計基準にしたがって勧められています。もし上司がそれに反することを指示したとしても(通常あり得ないことなのですが)、その規定や基準から外れた処理は行うべきではありません。まずその認識をしっかり持ってもらいましょう。
・正確さが命
通常会社の仕事では、スピードは非常に大きな評価ポイントとなります。しかし経理に関してはスピードよりも正確さが何より大切です。
まずは正確さ。次にきまった日時までに仕上げるスピード。スピードは正確な資料作成を続けた結果、付加的に手に入れられる程度のもの、としっかり伝えましょう。
3)経理の技術、知識の習得
・経理のスケジュールを伝える
経理の仕事には、他の部署と違って毎月、四半期、半期、年間など、ある程度決まったスケジュールが存在します。まずはこれをしっかり伝えることで、時期ごとの最優先の事柄を理解することができるようになります。
・数字の確認の大切さを教える
経理にとって最も必要な作業は、数字を正しく扱うこと。そのために何より大切なのが数字の確認です。そして数字の確認とは、経理の仕事において習慣にしなくてはならないことです。何はなくともまず確認。
入力作業を終えた後は「必ず入力したものが合っているか確認をし、これを毎回繰り返すことで習慣にさせましょう。
・自分の仕事の意味を教える
経理は数字の入力マンではありません。会社で扱う数字には必ず大切な意味があります。今自分がやっている仕事がどういうものなのか。何につながるものなのか。これをしっかりと伝え、仕事の大切さを理解させるようにしましょう。
・簿記の勉強をさせる
今後、経理に仕事をつづけていくためには、どうしても「簿記」の理解が必要です。
そのため、なるべく早い時期から「簿記」の資格取得を目指すようにアドバイスしましょう。