更新日:2020.08.24
節税はどこの会社でも考えているもの。できれば税金の支払いは最小限に抑えたい。これは企業経営者としてごく自然な気持ちでしょう。そんな気持ちのせいか、もちろん不正など行っていないものの、節税を考えるあまり、つい無理をしてしまうケースもあるようです。そして税務署に厳しくチェックを受けて・・・・。今回は、多くの方が行う節税の中でも、特に年度末に近づいた時期のお金の動きの中で、税務署が厳しく目をつける!と言われているポイント、勘定項目についてご紹介していきましょう。
飲食代
飲食代、つまり交際費や福利厚生費の金額に税務署は注目しています。この経費があまりにも多い場合、事業に関係しない個人的な飲食代が混ざっているのでは、との疑いを生じる場合があります。特に人数と金額がアンバランスであったり、休日に飲食が集中していたりといった場合も、目を付けられやすいでしょう。
光熱費
例えば自宅を事務所として使用している場合、家賃や光熱費などの諸経費の一部を経費に計上することができます。 確定申告では「家事按分」という処理でこの経費計上の処理を行います。たとえば「家賃」であれば、床面積の割合などで「事業関連費」と「家事関連費」に按分します。光熱費などは一般的には「事業関連費」は総額の10-20%とされています。この数字、割合が異常に高い場合、経費として認められない場合があります。すべて仕事のために使っていると主張しても、実際生活の拠点として使用している場合、きちんとした割合で計算を行うことが必要です。
旅費や不自然な飲食代
仕事上、不自然な旅費や、遠方の店での高額の飲食代などは、仕事ではない可能性を疑われることもあります。
年度末前後の売り上げや仕入れ
「課税所得」をより小さく見せるような数字の動きは特に目を付けられやすい存在です。例えば年度末前後に「売上をより小さく見せる」「仕入をより大きく見せる」ことで、課税所得も下がります。
こうした動きは、たとえ真実であっても売上を次の年度に持ち越してないか?仕入をわざと早めにしていないか?といった疑いをもたれる元となります。くれぐれも意図的に数字を動かすようなことはやめましょう。
物品の購入
会社では様々な物品を購入しますが、購入してよいのはもちろん業務に関係する、つまり売上を上げるために必要なものだけです。しかし中には公私混同をして、社長が個人的な買い物を経費として記録する場合も考えられます。そのため、次のようなところから購入したものについて、実際に目的にあった使い方がされているのか?本当に購入したものが会社にあるのか?などのチェックが行われることもあります。
・家電商品
テレビなどプライベートで使うことのできるものは、本当に会社で使っているのかをチェックされることがあります。
・デパートなどで購入しているもの
デパートで購入するような高級品は、社長の個人的なものでは?との疑いをかけられる可能性があります。
・衣料品店
実際に仕事で使っている衣料品であったとしても、プライベートでも着る可能性があり、完全に「白」とは言えません。できれば課税対象としたい、と税務署は考えています。
金額が大きな領収書
経費をごまかそうという経営者は、面倒を避け大きな金額の領収書1枚で済まそうという傾向があるようです。例えば大人数で食事し、領収書だけ自分用に全額分もらったりしているのでは、と疑われる危険があります。
また日頃使ったことのないような高額な店で飲食するといったことも不自然で、目を付けられる可能性があります。
無関係の業種の領収書
例えば営業の仕事をしている場合、飲食店の領収書は自然ですが、家具屋さんや美容院の領収書は非常に不自然です。
■「お品代」の領収書
とりあえず「お品代」と書かれていれば、別のものを購入したとしても安全と考えている方が多いようですが、それも大間違い。税務署が疑いを持てば電話一本で購入先に照会され内容を把握されてしまいます。
領収書があれば大丈夫はウソ!?
お金を使ったとき必ず領収書を出してもらうのは社長の習性といえるかもしれません。そして領収書さえあれば経費にできる、という考えを皆さんお持ちかもしれません。
たしかにそうした部分はあるのですが、「領収書があるから経費」と考えるのは少々危険です。
経費は、領収書がなくとも認められる場合がある一方で、逆に領収書があっても認められない場合があることも認識しておきましょう。特に、ウソの要素が含まれた経費は、調査が入れば基本的にばれてしまうという認識を持つようにしましょう。
税務署はお金と税金のプロです。そして皆さんは税金、お金に関してはアマチュアです。絶対に勝てない!つねにこの事実を心に刻んでおきましょう。