更新日:2020.08.24
負債といえば、借金というイメージがあります。しかし実は借金は負債の中のあくまで1項目。
借金はないのに。負債は大きいといった企業も少なくありません。
負債とは「将来何らかの形でお金が出ていく予定」のもの。
つまり借金を返済するのはそのごく一部。たとえば、会社で物を購入したけど、まだ代金を払っていないという場合や、働いてもらっているけど、まだギャラを払っていない、といったものも「将来払わなくてはならない」お金ですので、これも負債となるわけです。
では負債にはどんな種類があるのでしょう。
例えば次の4つは、企業活動を行っていると日常的に発生する会社の負債です。
- 借金 借入金、等
- 未払い 買掛金、未払金、未払費用、リース債務、税金等
- 引当金 退職給付に係る負債、賞与引当金
- 前受金 前受金や着手金 等
<借金>
銀行からの借入金などがこれに当たります。
これらの資金は、返済期限までに返さなくてはなりません。多くの企業では毎月決まって支出されるお金にもなっています。
<未払い>
未払いになっているお金のことです。
支払うことが確定しているものの実際にはまだ支払われていない金額が負債となります。
商品やサービスを購入し、その代金が未払いになっているものがその代表例です。
この未払いの中で、特に混同しやすいのが買掛金と未払金の存在です。
まず売掛金。例えば企業で仕入れ等をすれば、買掛金という負債が生じます。これに対し未払金は、機械や有価証券などに対するまだ支払われていないお金のことです。
この両者の大きな違いは、営業循環のプロセス内にあるかどうかという点です。
買掛金は営業循環のプロセス内にあって短期に支払われることを前提にしています。そのため負債の中でも流動負債に分類されることになります。
未払金は営業循環のうちには含まれない財貨を購入した場合の未払いのお金を意味しているので、買掛金とは区別されます。
<引当金>
引当金を簡単に説明すると「将来に発生することが考えられる費用や損失に備えるためのお金」です。
例えば身近な例で考えると、マンションなどの積立金のイメージに近いものです。将来、確実に行うことになる大規模修繕に備えた積立金のようなもの。
これを企業の場合で考えると、例えば製品を販売した後の保証期間内に発生する可能性が高い修繕費や、社員に払う賞与、退職金などもこれに当たります。
借金ではないのですが、これも会社の負債の一つと考えられます。
<前受金>
前受金とは、「商品やサービスを販売する前に受け取った代金の一部(あるいは全部)のことです。
「これから、代金分の商品やサービスを提供する義務がある」つまり、義務をまだ果たしていない状態のもんなので、これも負債として考えられます。仕事をきちんとするという約束の元、お金を先に借りているような状態ということですね。
皆さん、負債と借金と違い、ご理解いただけましたでしょうか。
勘定項目にも違いが出てきますので、この基本はしっかり誤解いただければと思います。