更新日:2020.08.24
経理の仕事は、一見とても地味な仕事です。
正しい、正確な仕事をして当たり前。
凄い結果が出るわけでもなく、頑張れば成績がアップするわけでもなく。
その結果、ボーナスが上がるわけでもなく。
どちらかといえば、社内の監視役的な立場で、好かれにくい。
経費で飲食をすることもなく。
こんないくつもの苦労を背負いながらやっている仕事でもあります。
こんな状況の中で、腐ることなく仕事をきちんと続けていくためには、「モラル」が人一倍必要となります。
例えば「平等」。
相手によって経理のやり方を変えないという事がとても大切です。
親しいから、清算の期日が遅れても特別扱いする、というようなことはあってはいけません。もちろんそれは相手が役員であっても同様です。決まりは決まり。そうでなければ、誰もお金の決まりを守らなくなってしまいます。
そして情報を決して漏らさない、という事も非常に重要です。これは絶対不可欠です。
お金の動きは、会社のすべてが分かる要因です、そして人の評価も、取引先の様子もすべてわかってしまいます。そして、このすべてを知っているのが経理の立場です。
取引先の支払い状況。自社のお金のやりくり。社員の給与。こうした事は、自社の社員はもちろん社外の方でも興味がある内容です。飲み会などでも絶好の話題の対象にもなる事柄でしょう。しかし、経理のモラル、プライドとして絶対にこうした内容を人に漏らす、伝えることは止めましょう。厳禁です。
そして身の回り、伝票などから秘密が漏れてしまうようなことが内容、他の部署の人以上に気を遣いましょう。
例えば
「試算表、伝票などを机の上に出したままにしていないか」
「社員の給与明細・社会保険・健康診断の書類を、見られないところに保管してあるか」
という事も常に心掛けてください。
次に実務的な面での心構えもいくつか。
まず、経理担当者の皆さんはスペシャリストではあるものの、税理士さんほどの専門職ではありません。しかも相手にしている会計や税務は専門知識の山、制度も変化していきます。しかし、会社の中では、会計、お金の専門家として様々な質問を受ける立場でもあります。
そんな皆さんにぜひやっていただきたいのが、「日々の問題点・疑問点があったらメモしておく」ということです。
そして、こうしたメモの内容は必ず税理士さんに質問し、疑問を解消するようにしましょう。
「処理の仕方が分からない」
「社員の方からの質問に答えられなかった」
「本当にこのやり方で良かったのか」
など、経理の仕事の中で毎日、大小いろいろな疑問点や問題点も発生します。
税法を詳しく知らなければ答えられない事柄も少なからず存在しますので、忘れずに税理士さんに質問、またはお任せするのが良いでしょう。
特に、毎日の経理作業の中で「分からない」案件が発生しやすいのが、勘定科目の入力です。出された経費がどの勘定科目に該当するのかが分からない場合です。こんな時は税理士さんにメール等ですぐに質問するか、仮入力しておき、後から忘れずに修正するような方法をとりましょう。
最後にしっかり税理士さんに確認していただけば問題ありません。
そして書類の整理も重要です。
経理の仕事は、社内の多くの業務の中でも特に紙資料がたまりやすい仕事です。保存義務がある書類も沢山あります。
大切なのは、不要になった書類は、きっぱりと捨てていくこと。
そして、必要な書類がいつでも取り出せるよう、分類しておくことは必須。別にきれいでなくてもかまいません。ご自分できちんとわかる程度に整理しておきましょう。