更新日:2020.08.24
会社にとって経費削減は、いつも考えかなくてはならない大切なテーマです。
会社の利益ということを考えただけでも、その影響力は非常に大きいものです。たとえば利益を増やそうとした場合、多くの方は売り上げをもっと上げることを考えがちです。しかし、仮に経費を10万円削減できたとしましょう。これは、会社にとってそのまま利益が10万円増加したことと同じ意味となります。しかしこれを売り上げ増で達成しようとした場合、利益率が20%で考えると、50万円の売上増が必要となる計算です。しかも売り上げには波がありますが、経費削減は継続して実行していくことも可能で、その意味でも会社にとって非常に大切なことであることがわかります。
さてこの経費ですが、会社には様ざまな種類のものがあります。
まず第一に考えられるのが、人件費。
次に光熱費。例えば、電気代、水道代、ガス代、下水道代などの経費がこれにあたります。
そしてオフィスのランニングコスト。複合機のリース料、建物の賃料、文房具代、コーヒー代などもこれにあたります。
こうした経費に対し、時には総務的な役割も求められる会社の経理担当は、どのような経費削減が可能でしょうか。リストラや事務所移転など経営的な大きな判断を求められるものでなく、今回は、すぐにでも実行可能な日常の中での7の経費削減の方法をご紹介したいと思います。
<社員の協力がなくても削減可能な方法>
1)領収書や請求書を電子化する
領収書や見積書、請求書など従来は紙で保管していたものを電子データ化することで多くの経費が削減できます。書類の出力にかかる経費、保存のための経費などが、電子化とともにすぐに削減できます。また書類を検索する際の人件費も削減できます。
2)法人カードを作る
銀行で法人カードをつくると、銀行からの振込手数料が割安になります。年会費が多少かかりますが、多くの取引先への支払いで、その都度支払っている振込手数料のことを考えれば、簡単に経費削減が実現できる方法です。
3)LED照明に入れ替える
LED照明を使うことで電気代は半分以下に削減することが可能です。古い蛍光灯に比べ価格は高いものの、LEDの寿命は蛍光灯よりも長いため、交換する頻度もが少なくなります。
4)電話代を見直す
固定電話をIP電話に切り替えます。
IP電話とはインターネット回線を利用した電話で、月額の料金が安いことが特徴です。これまでの固定電話は通話する相手との距離に応じて料金も高くなりますが、IP電話ではそれもありません。
<社員の協力が必要な削減な方法>
5)不要な印刷を削減する
印刷費を削減するには、そもそも紙を使う機会を減らすことが重要です。
例えば、会議の際、情報共有のために配布する書類も、プロジェクターを導入したりパソコン上で資料を共有することで紙の印刷を減らすことができます。
また、余計な印刷を減らすためには、間違って印刷してしまうことを減らすのも重要です。
例えば、現在デスクにあるPC上で印刷を指定すると、離れた場所にある複合機で即座に印刷される設定となっているオフィスが多くあります。
この場合、「印刷」ボタンをクリックするだけですぐに全頁印刷されてしまうので、不用意に不必要なページも出力してしまったり、出力スタイル(用紙の設定やカラー等)を間違えて、出力全体をやり直したりと、多くの無駄を生む可能性もあります。
現在複合機の設定で、「印刷」を指定した後、複合機であたらためて「印刷」を指定(つまり本当に出力していいのかをもう一度確認してから)してから出力を行う機能があります。一般的に「留め置き印刷」と呼ばれている方法です。
この場合、印刷する当人が複合機のところに行って、改めて「印刷」を指定して初めて印刷が始まるため多少の時間のロスがありますが、不要な印刷を劇的に減らす効果もあります。
6)通勤費は1カ月定期ではなく、6カ月定期の代金を支給する
通勤費は6ヶ月定期の料金をベースに支給しましょう。
1ヶ月の定期代を基準にするとの6か月の定期代を基準にするのとでは、おおよそ1割以上は金額に差が出てしまいます。
例えば立川⇔東京の定期代を考えたとき、一か月の定期は19,020円 (2019年12月現在)。この基準で6か月分だと、114,120円となります。
これに対し、6ヶ月の定期は93,270円。その差は20,850円。約18%の削減となります。
10人いれば、単純計算で半年で208,500円。1年間に417,000円の削減となります。利益2割の会社なら、売り上げ200万円増加と同じような効果となります。
7)会議のための出張をやめ、Web会議を導入
インターネットを利用した会議を積極的に導入し、移動時間コスト及び交通費を削減しましょう。
会社では、様ざまな会議が行われています。もちろん取引先とも多くの会議が行われています。
この会議の何割かをインターネットを利用した会議にしてみましょう。今やSkypeやZoomなど、無料でしかも高性能なWeb会議のツールがあります。使い方も非常に簡単。交通費、会場や飲み物、なにより移動にかかる人件費などの経費削減につながります。
経費削減実行!のコツ
さて、上記をはじめとした経費削減の項目が決まったら、次にやることはそれを実行することです。社内全体にかかわることが多いため、社内への告知し、理解してもらうことも必要となってきます。具体的には次のようなステップを踏んで実行していくのが良いでしょう。
1)経費削減の目的をたてる
そもそもなぜ経費削減が必要なのか。そして具体的にどの程度削減することが目的なのか。経費削減を現実のものとして実行するためには、まずこうした定義もまず必要となります。
年額いくらの経費削減をしたいのか、そもそもなぜ取り組む必要があるのか、なぜ経費削減が必要なのか?を伝える必要があります。
2)具体的な削減方法をきちんと説明する
経費削減の方法は、だれでも分かるように具体的に説明しましょう。たとえば
「電器はきちんと消しましょう!」ではなく、「退出時、昼食時は部屋の電器は消す」といった具体的な説明が必要です。書類の印刷なども具体的な印刷方法を全員に告知していきましょう。
3)結果を知らせる
全員の協力で行った経費削減によって、年間どのくらい経費が削減できたか、その結果を全員に知らせていきます。効果が目に見えてわかるとともに、次の目標も立てやすくなります。