更新日:2020.08.05
1.注文請書の基本
「注文請書」という書類に関しては耳なじみのない方が多いかもしれません。これは「ちゅうもんうけしょ」と読みます。たんに請書(うけしょ)と呼ばれることもありますが、どちらも意味は同じです。
ビジネスの発注者と受注者の間では、いくつかの書類が取り交わされたうえで契約が成立します。発注者から問い合わせを受けた受注者が最初に発行するのが「見積書」です。見積書を確認し問題がなければ発注者は注文書を発行します。
「注文請書」は、受注者の「発注を引き受ける意志」を表明するために発行されます。いわば、発注書に対するレスポンスとして発行される書類です。請書が発注者に渡った段階で、正式な契約が成立したことになります。
2.注文請書と契約書の違い
注文請書と契約書はどちらも「契約を成立させるための書類」です。両者の違いはどこにあるのでしょうか。
大きな違いは、書類としての重要度です。注文請書よりも契約書の方が、重みが大きいと考えられています。特に重要な契約の場合、注文請書ではなく契約書を発行するのが好ましいでしょう。
ここでは、注文請書と契約書の具体的な比較についてお話しします。
注文請書
注文請書は注文書に対するレスポンスとして発行され、「契約内容を守る」という意思表示のもと発注者に提出されます。注文書とは対になる書類であり、2つのセットで初めて契約が成り立ちます。受注者が一方的に作成する書類のため、原則として発注者への強制力はありません。
一般的には、受注額が少額の契約で発行されます。
契約書
契約書は発注者と受注者が相互に発行する書類です。注文書(申込)と請書(承諾)の双方の性質を持っており、単体で契約が成り立ちます。また、契約内容についても契約書1枚で証明されます。
双方の同意のもと作成されるため、受注者だけではなく発注者にも強制力がある書類です。重要度が高い契約では、一般的に、請書ではなく契約書が選ばれます。
実際のビジネスでは、契約書を発行するケースが多いでしょう。しかし、取引によっては、請書を発行するケースも少なくはありません。