更新日:2020.08.05
1.請求書の基本
請求書とは商品の料金・代金の支払いを請求するために発行する文書です。この場合の「商品」にはサービスなどの無形物も当てはまります。販売した商品の名前、内容、数量、金額のほか、振込先や支払い期限などを記載されます。
請求書は会社の収入または支出の証拠となる重要な書類ですので、必ず複写・控えを残すようにしてください。
請求書には大きく2つの請求方式があります。
「その都度方式」と「掛売り方式」です。
その都度方式
納品の度に請求書を発行しその都度決済してもらう方式です。
この方式は新規の取引先が相手の場合や、代金回収を迅速に行いたい場合に適しています。
掛売り方式
一定期間内に納品した売上をまとめて請求する方式です。
「15日締め」や「月末締め」など、締め日を設定して月毎に請求するケースがほとんどですが、双方合意の元であれば期間の長さは任意で決めることができます。
この方式は商品単価が低い場合や、同じ取引先と何度も取引を行う場合に適しています。
2.請求書の書式
請求書の書式は自由で、フォーマットを自作しても構いませんし市販されている物をそのまま使用しても問題ありません。必須項目を記載していることが重要となります。
最近ではインターネット上で無料配布されているオフィスソフト用のひな形を使用することが多いようです。
書式を決定する際のポイントは使用するケースに合っている物を選ぶことです。
3.納品書と請求書の違い
【請求書】
請求書とは、金銭の支払いを要求する趣旨が書かれている書類を指します。
請求書にはその都度請求する「その都度方式」と掛売りをして一定期間毎に請求する「掛売り方式」があります。
記載項目は、宛先・発行日・支払い期限・請求者・請求内容・指定銀行口座などです。
請求書の発行目的
請求先に支払いの義務があることを知らせる
請求先に支払いの期日が迫っていることを知らせる
請求先に支払いの期限を超過したことを知らせる
請求書が使用されるケース
代金支払より前に商品が到着するサービスを受けた場合
賠償金等を請求する場合
代金が未払いの場合
<請求書サンプル>
【納品書】
届けられた製品と一緒に付随しているのが納品書です。広義では、配送業者が荷物を届け先の会社に送る行為も納品といいます。
納品書の記載事項は請求書の項目と同じで、製品の詳細・数量・単価・合計金額です。
<納品書サンプル>
4.請求書を発行するのは義務?請求書の目的は?
請求書は債務者に対し、請求したことを書面に残す重要な書類です。請求書を発行しないで口頭で請求し、その後ある期間債務者が請求金額を支払わずに「請求などされていない」と主張した場合、問題が発生します。
例えば、請求から数年が経過した場合、請求した事実がなければその請求は無効になってしまいます。しかし、請求した事実があれば債権は時効にはなりません。そのため、請求書を送り、書面に残しておくことが重要です。
ただし、債権の時効について民法では次のように定められています。
・請求書に送ることによって時効の中断を成立させることはできない。
・時効の中断を成立させるためには催告(請求書)が債務者に届いていることが必要であり、そのことを立証できなればならない。
請求書をただ相手側に送るだけでは不十分ということです。そのため、請求書を送る際には、配達証明付きの内容証明郵便にしておくといでしょう。