更新日:2019.10.01
【目次】
・経理部門の働き方改革とは
経理部門の働き方改革とは
働き方改革関連法が2019年4月1日より順次施行されていることにより、「働き方改革」というキーワードをニュースで耳にする機会が増えてきました。とは言え、中小企業経営者の中には、自社の場合どのようなことから着手すべきかが明確になっていない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
改正働き方改革関連法のポイントは大きく3つです。
ポイント1: 時間外労働の上限規制
時間外労働は原則月45時間、年間360時間を上限とする
施行:2019年(中小企業は2020年)4月1日~
ポイント2:年次有給休暇の時季指定
年次有給休暇は時季を指定して毎年5日は確実に取得させる
施行:2019年4月1日~
ポイント3:同一労働同一賃金
正規・非正規雇用労働者間の不合理な待遇差の禁止
施行:2020年(中小企業は2021年)4月1日~
改正働き方改革関連法の施行により、「うちは小さな会社だから従業員には片目をつぶって頑張ってもらっているよ」などと無茶な働き方を強いることは中小企業といえどもできなくなりました。
経理部門でも時間外労働(残業)の削減は可能
一方経理部門のようなバックオフィスでは、ノー残業デーを設けたり定時退社を徹底させたりしようとしても、五十日や月末月初に集中しがちな請求・支払・入金処理業務などにより、なかなか時間外労働の削減にはつなげられていないことが多いようです。「事務処理量が多い」のに「決して間違えは許されない」という宿命を負っている経理部門において、時間外労働の削減など、働き方改革を実現することは本当に可能なのでしょうか?
答えは、「イエス」です。経理担当人員を減らされている中でも、着実に時間外労働時間を削減している事例は多数あります。いったいどんなことをしているのでしょうか?
処理をしなくても良い環境つくりがポイント
経理部門の働き方改革や業務効率化を考える際に、まず社内に「ムダな処理」が蔓延していないかを見直してみてください。特に多いのは社員の経費処理に関するムダです。
営業活動のための交通費や宿泊費などをいったん社員に自腹で立替えさせ、月末に締めてExcelなどに記入しプリントアウト、上長の承認ハンコを押してから経理部に提出。経理部はその内容を基に支払処理を行う、というフローを採用している会社はありませんか?
これは、社員に活動費を立替えさせることにより起きている典型的な「ムダな処理」と言えます。社員には会社からチャージ済みの交通系ICカードや会社名義のクレジットカードを支給し、営業活動時に使わせることで、「月末の経費処理」や「仮払い業務」をほぼゼロにすることが可能です。経理ご担当者は追加チャージや不正利用がないかなどを適時確認するだけで済むため、1人1人に経費支払処理をする時間を削減できるのです。
また、五十日や月末に未だに銀行の窓口に出向き支払処理や納税をしている方はいませんか?これらもオンライン入出金サービスや電子納税システムを導入することで、「金融機関に出向くのをやめる」ことが可能となります。
入金消込も記帳後の通帳を拡大コピーして定規を使って1行ずつ確認をしていくのではなく、請求書送付のクラウドサービスとネットバンキングの口座連携を行うことで、自動的に実施することができるのです。
経理部門の働き方改革の第一歩は、これらの「処理をしなくても良い環境つくり」をすることから始めましょう。
営業活動のための交通費や宿泊費などをいったん社員に自腹で立替えさせ、月末に締めてExcelなどに記入しプリントアウト、上長の承認ハンコを押してから経理部に提出。経理部はその内容を基に支払処理を行う、というフローを採用している会社はありませんか?
これは、社員に活動費を立替えさせることにより起きている典型的な「ムダな処理」と言えます。社員には会社からチャージ済みの交通系ICカードや会社名義のクレジットカードを支給し、営業活動時に使わせることで、「月末の経費処理」や「仮払い業務」をほぼゼロにすることが可能です。経理ご担当者は追加チャージや不正利用がないかなどを適時確認するだけで済むため、1人1人に経費支払処理をする時間を削減できるのです。
また、五十日や月末に未だに銀行の窓口に出向き支払処理や納税をしている方はいませんか?これらもオンライン入出金サービスや電子納税システムを導入することで、「金融機関に出向くのをやめる」ことが可能となります。
入金消込も記帳後の通帳を拡大コピーして定規を使って1行ずつ確認をしていくのではなく、請求書送付のクラウドサービスとネットバンキングの口座連携を行うことで、自動的に実施することができるのです。
経理部門の働き方改革の第一歩は、これらの「処理をしなくても良い環境つくり」をすることから始めましょう。
テレワーク導入も働き方改革につながる
テレワークとは、「tele(テレ=離れた場所)」で「work(仕事)」をするという造語で、時間や場所にとらわれずに柔軟な働き方をすることです。
①在宅勤務(自宅で仕事をする)、
②モバイルワーク(移動中にスマホやノートPCで仕事をする)、
③サテライトオフィス勤務(勤務先以外のレンタルオフィスなどで仕事をする)
の大きく3つの働き方があります。
VDI(仮想デスクトップ)やシンクライアントの導入によりセキュリティ対策を行い、各種クラウドサービスを使うことにより、会社に出社をせずともテレワークで経理処理を行うことが可能となりました。
非常に優秀な経理社員が結婚や出産を機に退職してしまったが、締日や月初の忙しい時にあの人がいてくれたらな、と思う時はありませんか?多くの企業では、経験と能力のある退職者に声をかけ、テレワークで仕事をしてもらうことで、繁忙時期に特定の従業員に業務負担がかかり、時間外労働をせざるを得ない状況を打破しています。
年次有給休暇の取得も可能
繁忙時期は気合と根性で乗り越えるという解決策ではなく、上司に相談し、これらの環境整備と活動を着実におこなっていけば、時間外労働(残業)を徐々に減らし、年次有給休暇を100%取得することも可能となるでしょう。
まずは自社の経理処理に「ムダ」がないかの確認からはじめてみることをおすすめします。
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