更新日:2020.07.29
チャットボットとはチャットとロボットをあわせた言葉で、音声やテキストなどを利用して自動で会話するプログラムのことです。実際に、多くの企業が導入し、さまざまな業種で活用されています。自社でもチャットボットを導入したいと考えてはいるものの、種類や運用方法などよく知らないという人も多いのではないでしょうか。
チャットボットの種類「シナリオ型」「機械学習型」の特徴・違いは?
チャットボットにはシナリオ型、機械学習型、複合型などがあります。それぞれの特徴や違いについて解説します。
種類 | メリット | デメリット |
シナリオ型(ルールベース型) チャットボット |
・あらかじめ問いかけに対する回答が決められているため、選択肢型、一問一答型などのアンケート形式の会話、よくある質問(FAQ)などに向いている ・徐々に絞り込んで目的の回答に到達するような対応もできる ・構築しやすく、比較的低コストでの運用が可能 |
・質問と回答が想定される範囲内での運用となるため、複雑な質問に対して柔軟な会話をすることはできない |
機械学習型(AI型)チャットボット | ・シナリオ型よりもさまざまな質問にも対応できる | ・データをもとに回答を決定するため、運用開始前に学習データを用意する必要がある |
複合型チャットボット | ・シナリオ型と機械学習型の特徴を混合させたタイプ。型どおりの単純な回答ができるような質問にはシナリオ型、複雑な会話になってきたら機械学習型などと使い分けが可能 | ・事前にシナリオや学習データを用意する必要がある ・シナリオ型から機械学習への引継ぎは人間を介入したほうがスムーズなケースも |
詳しくは こちらの記事をご覧ください。
導入・運用のしやすさならシナリオ型(ルールベース型)チャットボットがおすすめ
導入や運用のしやすさを重視するなら、シナリオ型のチャットボットを検討しましょう。ここでは、おすすめする理由を解説します。
導入・シナリオの構築がしやすい
アンケート型や、よくある質問の答えを導き出すような会話であれば、シナリオの構築は比較的容易です。学習データなどを集める手間や会話の精度を高める調整などは必要なく、すぐに導入できるでしょう。現在チャットボットを導入していない企業でも導入しやすいタイプといえます。
オペレーターなどの人件費削減が可能
シナリオ型チャットボットは単純な質問や会話であれば、オペレーターにとって代わる存在となります。そのため、オペレーターに必要な人数を減らし、人件費を削減できます。複雑で難しい質問はオペレーターが対応し、答えが決まっている単純な質問はチャットボットにするといった使い分けも可能です。
データ修正などの手間がかからない
実際の運用では、シナリオ型も常にブラッシュアップが必要です。そのため、リコーのチャットボットは使い慣れたExcelで簡単にできる修正のしやすさが人気です。
チャットボットのシナリオ作成の基本STEPとポイント
チャットボットのシナリオは事前に作成しておかなければなりません。その基本的な手順とポイントについて解説します。
チャットボット設置の目的を明確にする
チャットボットを導入する前に、まず目的を明確にし、なぜ導入するのかを今一度確認しましょう。それによって、どのようなチャットボットを選ぶのか、活用方法をどうするのかなどが異なります。
導入後にやり直すようなことになると、手間もコストも無駄にかかってしまいます。チャットボットのメリットを引き出し、無駄なく活用するためにも目的設定は必須です。
ターゲットを定める
チャットボットを設置するページに訪れるのはどのような人物なのか、ターゲットを定めましょう。ターゲットのおおまかな年齢層や性別だけではなく、どのような悩みを解決したいのかなど細かく設定します。
事前にターゲットを限定したくない場合は、導入後にどのような目的でチャットボッドが使用されたのかを分析してもよいでしょう。そこから微調整するという方法もあります。
設置場所を決める
チャットボットをWebサイトのどこに設置するのかを決定します。問い合わせ目的でサイトを訪れる人が多いのであればトップページに置くとよいでしょう。サイト訪問者は問い合わせページがどこなのかを探さなくても済みます。
商品の詳細について問い合わせが多い場合は、商品詳細ページに設置すると効果的です。ターゲットの行動にあわせて設置場所を決めましょう。
シナリオの骨組みを作る
決定した目的、ターゲット、設置場所をもとにしてシナリオの骨組みを作りましょう。利用するチャットボットによっては、選択肢の個数や階層の深さに制限があることもあります。そういった事柄を確認しつつ、ユーザーの悩みにどこまでチャットボットが回答するのか、どのようなシナリオの骨組みにするのかを決めていきます。
会話を想定してシナリオを作成する
作成した骨組みに沿って、具体的にシナリオを作成します。実際にどのような会話になるのかを想定して作っていきましょう。チャットボットの場合は、コールセンターでの受け答えのようなしっかりとした敬語を使わなくても、ユーザーの満足度は高い傾向にあります。
親しみやすさを重要視するのであれば、キャラクターが発話しているように特徴的な語尾をつけ、敬語は使わないようにすることも可能です。また、同じ回答でも複数の言い方を用意し、ランダムに発言するようにすると、ロボットのようではなく人間らしさを演出できます。
会話の流れとしては、ユーザーの質問を聞き出し、答えるというものになります。新たに作成しなくても既存の「よくある質問」を流用してもよいでしょう。ユーザーが不愉快な思いをせずに疑問点が解消できるよう工夫しましょう。
運用開始後も随時検証・改善を行う
チャットボットの効果を最大限発揮させるためには、運用後も随時検証を行い、メンテナンスしていきましょう。
チャットボットがユーザーの発言を間違って認識する、回答が的外れといったこともあります。機械学習型の場合は、間違えた状態で学習してしまうおそれもあります。そうなると、ストレスを感じるユーザーが増え、Webページの訪問者が減ってしまうかもしれません。常にチェックし更新しておくと、より効果的に利用できます。
まとめ
チャットボットにはシナリオ型、機械学習型、複合型などの種類があります。どのような目的でチャットボットを導入するのか、ターゲットはどのような人なのかを明確にし、自社にあったチャットボットを導入していきましょう。
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