バックオフィスラボ

Webマーケティング実践のためのウェブ活用ラボ | コラム | テレワーク時代に働き方改革を成功させるには?導入の流れや成功事例も解説

 テレワーク時代に働き方改革を成功させるには?導入の流れや成功事例も解説

昨今、テレワークは働き方改革において重要な役割を担ってきています。この記事では、働き方改革とテレワークの関係性や、テレワーク導入のメリットや方法などについて解説します。ぜひ参考にしてください。

更新日:2020.11.30

テレワークとは?

ICTの活用により、時間や場所にとらわれず働くことを「テレワーク」とよびます。離れた場所を意味する「tele」と、働くことを意味する「work」を掛け合わせてできた言葉です。なお、ICTとは「Information and Communication Technology」の略称であり、情報通信技術を意味します。
 
テレワークは福利厚生の施策だけでなく、経営課題を解決するための手段としても注目されています。

テレワークのスタイル3つ

テレワークは、大きくわけて「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務」の3つのスタイルがあります。
 
在宅勤務は、出社せずに自宅で仕事に取り組む方法です。モバイルワークは、時間や場所にとらわれず、好きな場所で自由に仕事をすることです。たとえば、カフェや移動中の車内で作業するなどです。サテライトオフィス勤務は、勤務先から離れた場所に設けられたオフィスを利用して仕事をすることを意味します。
 
いずれも勤務先以外の場所で業務に取り組みます。他の場所にいる同僚とは、主にインターネットを通じて連絡を取り合います。

働き方改革におけるテレワークの位置け

日本は「世界最先端IT国家創造宣言」を掲げており、働き方改革を進めています。テレワークの推進は、その目標を達成するために必要不可欠です。厚生労働省は、各企業がテレワークを推進するための助成金を整備しています。
 
たとえば、「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」や「働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)」などがあります。詳細については、厚生労働省のWebサイトを確認してください。
 
また、政府は全労働人口の10%をテレワーカーにすることを目標としています。
 
※参考
働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)|厚生労働省 働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)|厚生労働省 LinkIcon

企業におけるテレワークの導入状況

総務省は「テレワークの導入やその効果に関する調査結果」にて企業のテレワークの導入状況を公表しています。企業におけるテレワークの導入率の推移や規模別の導入率は以下のとおりです。
 



テレワークの導入率は急激に高まっており、規模が大きい企業ほどその傾向が強いことがわかります。
 
※出典
通信情報白書|総務省 LinkIcon

テレワークを導入するメリット

テレワークには、さまざまなメリットがあります。一方で、テレワーク鬱に陥るリスクもあるなど、孤立を防ぐ工夫も必要です。ここでは、テレワークを導入するメリットについて解説します。

労働生産性の向上

テレワークでは、社員が自ら労働する場所を選ぶことができます。自分が働きやすい環境で業務に従事でき、パフォーマンスが高まります。一人ひとりのパフォーマンスがアップすることで、企業全体の労働生産性も向上します。

優秀な人材の確保

テレワークを導入すれば働き方に柔軟性が出るため、社員にとって働きやすい環境を提供できます。その結果、自社で働きたいと思う人が増え、優秀な人材も確保しやすくなるでしょう。距離の問題や育児、介護といった事情で働けなかった人材の確保にもつながります。

離職率の低減

時間や場所にとらわれずに働けるため、ワークライフバランスも実現しやすいのも、テレワークのメリットです。社員のプライベートに変化が起きても、テレワークの環境が整備されていれば、離職せずに働くことができます。

コストの削減

社員が出社する必要がなくなれば、交通費を支給しなくて済みます。オフィスの規模を縮小する、水道代などの光熱費を軽減することも可能です。テレワークでは必然的にデジタル化が進むため、用紙やプリンターのインク代なども削減できるでしょう。

災害リスクの分散

災害によりオフィスや交通経路に大きな被害が発生しても、普段からテレワークを実施していれば、業務を継続することができます。危険な状況の中で社員を出社させる必要もなく、通常と同じように業務を維持できます。

企業イメージの向上

社員にとって働きやすい環境が整っていれば、企業イメージも向上しやすくなります。自社のブランディングにもつながるため、採用や契約においても相手から評価される可能性が高まります。

テレワークの導入手順

ここでは、テレワークの導入手順について解説します。目的の設定から効果検証まで、8つの手順があります。

手順1:テレワークの導入目的を明確化する

テレワークを導入する目的を明確にすると、そのための計画が立てやすくなります。テレワークの導入目的としては、業務の生産性や社員の満足度の向上などがあげられます。自社の状況を踏まえ、適切な目的を定めてください。

手順2:テレワークの対象範囲・導入形態を検討する

テレワークの対象とするか否かについては、全体のバランスを見ながら検討しましょう。一見、テレワークに適さない業務に見えても、業務を細かく見直すと、必ずしも毎日出社する必要がない場合もあります。
 
毎日テレワークにできるかどうかではなく、テレワークを導入できる可能性を探し、不公平感がないよう配慮しましょう。
 
また、3つあるテレワークのスタイルについて、どのスタイルが自社に適しているかについても、状況にあわせて判断しましょう。企業によってはどれか1つに絞るのではなく、複数の形態を組み合わせたほうが、うまくいくケースもあります。
 
それぞれの方法を試しながら運用を開始し、自社にとって最適なテレワークのあり方を探るのもひとつの手です。

手順3:現状の規則や制度を確認する

テレワークを導入し始めると、オンオフの切り替えが曖昧になり、働き過ぎになるという傾向があります。そのため、現状の規則や制度があわなくなり、テレワークの導入に際し、就業規則や人事評価制度を見直す企業も多いです。
 
現状を把握したうえで、変更が必要な箇所がないか検討し、きちんとしたルールを定めることをおすすめします。場合によっては、新しい規則や制度を作ることも必要です。

手順4:導入計画書とセキュリティガイドラインを策定する

テレワークをスムーズに導入するには、導入計画書を作成するようにしましょう。導入までのスケジュールを立てるだけでなく、対象となる社員や業務を明確に定めたり、必要に応じてテレワークに関する研修を設けたりしましょう。
 
また、テレワークでは社外から社内の情報にアクセスすることや、それまで社内でしか扱っていなかった情報を、社外で閲覧・編集するといったシーンが増えるため、セキュリティガイドラインも策定する必要があります。

手順5:環境の整備や必要なツールを導入する

テレワークで業務を進めるには、ICTを活用するツールも必要になります。主なツールには、チャットツール、テレビ会議システム、タスク管理ツールなどがあります。すべてを一度に導入する必要はありませんが、業務を円滑に進めるために必要なツールは、積極的に取り入れていきましょう。
 
また、テレワークとなった社員の自宅に、必ずWi-Fi環境があるとは限りません。その場合の対応もしっかり検討しましょう。ある会社では、会社支給のスマホでテザリングするように指示したところ、あっという間に契約プランのデータ容量を超えてしまい、通信が制限されてしまった例があります。

手順6:対象社員やその周りに説明会を実施する

テレワークを実施するには、対象となる社員やその周りに正しい知識をもたせる必要があります。テレワークの導入目的だけでなく、ツールの利用方法や注意点についてもしっかり周知しましょう。
 
テレワークを行う環境に関するルール作りも大切です。例えば、小さな子供の世話をしながら仕事はしないといったルールです。もし、仕事をしながら子供の世話をしていて、目を離した隙に子供が怪我をしてしまった、パソコンにいたずらをして会社に迷惑をかけてしまったといった双方のリスクを防ぐことができます。
 
ルールを明確にして共通の意識をもつことにより、テレワークに対する不満やトラブルも防ぎやすくなります。

手順7:テレワークのトライアルを開始する

本格的にテレワークを始める前に、トライアルを行いましょう。最初はスムーズに業務が進むとは限らないため、困ったときすぐにサポートできる体制を整えておくと安心です。トライアルは繁忙期を避け、万が一トラブルが生じても大きな被害が出ないよう配慮しましょう。トライアルの期間は、3~6カ月程度とする場合が多いです。

手順8:PDCAサイクルを回していく

テレワークを開始したら、PDCAサイクルを回して問題点を改善しましょう。はじめてテレワークを導入した場合はとくに何らかの問題点がみつかります。問題点を明らかにするには、実際にテレワークで働く社員の声を聞くことも大切です。実態を把握しながら、より適切にテレワークを機能させられる環境を整備しましょう。

テレワーク導入の成功事例

テレワークを実施すると、どのような効果が得られるのでしょう。ここでは、テレワーク導入の成功事例について紹介します。

テレビ会議システムの常時接続でコミュニケーション活性化に成功した事例

ITに関するさまざまなサービスを提供しているとある会社では、テレビ会議システムを常時接続することでコミュニケーションを促しています。
 
同社では、本社から離れた場所にサテライトオフィスを設けています。離れた場所で働くことにより、社員同士のコミュニケーション不足が課題としてあげられていました。
 
そこで、テレビ会議システムを常時接続する対策を実施したところ、社員同士が常に同じ空間にいるような感覚をもてるようになりました。社員同士のやり取りも円滑になり、スムーズに業務を進められています。

ポケットWi-Fiの貸与によりセキュリティを確保した事例

大手音楽レーベル会社では、テレワークにおけるセキュリティを強化するため、社員にポケットWi-Fiを貸し出し、セキュリティリスクのある無料Wi-Fiの利用を禁止しました。
 
これにより、テレワークでの情報漏洩を未然に防ぎ、社外でも安全に業務を進められるようになっています。テレワークを順調に進められているため、同社は今後も継続的にテレワークを推進していく方針を打ち出しています。

まとめ

すでに多くの企業がテレワークを推進しており、今後その傾向はさらに強まると考えられます。テレワークをスムーズに導入するには事前準備が重要です。目的の明確化や規則の変更など、しっかりと計画を立たうえで取り組みましょう。
 
RICOH Chatbot Serviceは、高度な専門知識なしに簡単な設定をするだけで導入できるチャットボットです。高性能AIが精度の高い応答を実現、質問と回答はExcelに入力してインポートするだけです。業種・シーンを問わず、幅広い活用で、テレワークにおける業務効率化にも貢献します。

関連コラム