更新日:2020.12.24
【目次】
・直帰率と離脱率の違い
・ユーザーが直帰する理由
・直帰率の目安
・直帰率の確認手順
・直帰率の改善が必要なページの見分け方
・ページの改善方法
・まとめ
直帰率と離脱率の違い
直帰率と離脱率はどちらも「ページから離脱すること」を意味しますが、離脱の仕方によって以下のように分類できます。
- 直帰率:ユーザーが特定ページに流入した後、そのままサイトを離脱した割合
- 離脱率:ユーザーが特定ページに流入した後、サイト内の別記事に遷移して離脱した割合
両者の違いをより理解するためには「セッション」について知っておく必要があります。セッションとは「Webサイトへの訪問・閲覧」を意味しており、ひとりのユーザーがサイト内で行う行動は全て「1セッション」としてカウントされます。そして、この1セッションのうち、特定ページしか閲覧しなかった場合を「直帰」と判断するのです。したがって、直帰率は特定ページに訪れたユーザーが「特定ページだけを閲覧してサイトを離脱した場合」のみをカウントしています。
<直帰率の計算式>
直帰率=直帰数÷特定ページから始まったセッション数×100
一方の離脱率は、サイト内に訪れた全てのユーザーのセッションが対象となるため、サイト全体を見たときの離脱率は100%となります。とはいえ、離脱率もページごとに計測する必要があるため、特定ページの閲覧数に対していくつの離脱数があったかによってページごとの離脱率を求めていくのが一般的です。
<離脱率の計算式>
離脱率=特定ページの離脱数÷特定ページのPV×100
ユーザーが直帰する理由
特定ページにユーザーが流入し、そのままサイトから離脱することを「直帰」と言いますが、ユーザーが直帰する理由には以下のようなものが想定されます。
- ページに知りたい情報がない
- ページが見づらい・表示速度が遅い
- ページに次の検索行動を起こす導線がない
- ページで検索目的が果たせた
ユーザーが直帰する場合、ネガティブな理由に基づくものが多いですが「ページで検索目的が果たせた」ことによって直帰する(検索行動を終える)という可能性もあります。したがって「直帰率が高い=改善が必要なページ」とは限らないということを覚えておきましょう。
直帰率の目安
ユーザーの直帰にプラスの側面があることを考慮すると、直帰率は同ジャンルのサイトであっても多様性が生まれることが想定されます。したがって、直帰率の目安を求めることは重要ではなく「直帰率をもとに改善が必要なページを探し出す方法を知る」ことの方が重要だと言えるのです。
別の言い方をするならば、直帰率の目安を知って安心してしまうことはすなわち「直帰率が低いが改善の余地があるページを見逃してしまう」ことに繋がりかねません。直帰率を計測する目的が「ページ改善によるコンバージョン増加」であるのならば、直帰率の改善が必要なページはより多くの要素と掛け合わせて判断する必要がある点に注意しましょう。
直帰率の確認手順
直帰率は Googleアナリティクスのレポート画面で確認することができます。
- Googleアナリティクスのレポート画面を開く
- サイドメニューの「集客」を選択
- 「すべてのトラフィック」を選択
- 「チャネル」を選択
- 「直帰率」を確認する
直帰率はページごとに計測して改善することが重要なため、必要に応じて各ページの直帰率をサイドメニューの「行動」タブから「行動フロー」を選択して確認しましょう。
Googleアナリティクスのレポート画面を開く
まずは Googleアナリティクスのレポート画面を開きます。
サイドメニューの「集客」を選択
サイドメニューの「集客」タブを選択します。
「すべてのトラフィック」を選択
「集客」タブを選択した後に「すべてのトラフィック」を選択します。
「チャネル」を選択
「すべてのトラフィック」を選択した後に「チャネル」を選択します。
「直帰率」を確認する
「チャネル」を選択した後に現れるレポート画面で「直帰率」の項目を確認します。
直帰率の改善が必要なページの見分け方
「直帰率が高い=ページ改善が必要ではない」ことをお伝えしてきましたが、ここで直帰率の改善が必要なページの見分け方を確認しておきましょう。
- コンバージョン増加見込みのあるページ
- 滞在時間が短く、アクセス数の多いページ
直帰率の改善はサイト内全てのページにおいて必要というわけではなく「コンバージョン増加見込みのあるページ」や「ユーザーのページ滞在時間は短いがアクセス数の多いページ」に限られます。
コンバージョン増加見込みのあるページ
サイドメニューの「コンバージョン」から「目標」タブを選択し「概要」タブを選択することによって画像のようなレポート画面が表示されます。これにより、ページごとにコンバージョン数やコンバージョン率の確認が可能です。
このレポート画面でコンバージョンが発生していることが確認できたページは、直帰率の改善によって「増加の見込みがある」と判断できます。
在時間が短く、アクセス数の多いページ
サイドメニューの「行動」から「サイトコンテンツ」タブを選択し「すべてのページ」を選択すると、画像のようなレポート画面が表示されます。ページのアクセス数が多く、ユーザーの滞在時間が短いページは改善することによってさらなるトラフィック増加が見込めると言えるのです。
たとえコンバージョンに直接的に結びつかないページであっても、直帰率を下げる(サイト回遊率を上げる)ことで、ユーザーが大量に流入する集客チャネルとしての役割を持つようにすることも可能です。
ページの改善方法
直帰率の改善が必要なページの見分け方が分かったら、次にページの改善方法を知り、実践していきましょう。ページの改善方法には主に以下の 3つがあります。
- ページコンテンツの改善
- サイトデザインの変更・修正
- コンバージョンページへの導線(CTA)の設置・改善
直帰率を改善するには、ユーザーファーストなページを作る必要があります。ユーザーファーストとは「ユーザーにとって利益がある」ことだと解釈することができ、有益な情報が掲載されているのはもちろんのこと、サイト内体験が心地良い(ストレスがない)ものである必要があるのです。直帰率の改善を行う際は、ユーザーが直帰する理由を押さえた上で、いかにユーザーファーストなページを作成するかを意識して取り組むことが重要だと言えます。
ページコンテンツの改善
ユーザーの多くは「知りたい情報がなかった」ために直帰します。したがって、ページコンテンツを見直すことで直帰率を改善できる可能性が高くなると言えるのです。ページコンテンツを改善するには、検索キーワードがどのクエリタイプに属するのかを把握するところから始めましょう。
- Knowクエリ:~を知りたい
- Doクエリ:~をする方法が知りたい
- Goクエリ:~に行きたい
- Buyクエリ:~を買いたい
検索キーワードのクエリタイプを確認した後は、クエリタイプに合わせたページコンテンツへと改善していきます。ユーザーがどのような検索課題を持っているのかを想像することで、答えとなるコンテンツを作成することが可能です。
サイトデザインの変更・修正
ページが見づらいことや操作性が悪いこともユーザーが直帰する理由のひとつです。そのため、サイトデザインを変更したり、ページの表示速度を向上したりすることによって直帰率を改善できる可能性があります。年々増加傾向にあるスマートフォン閲覧ユーザーに対応するべく、サイトデザインをレスポンシブデザインに切り替えることもひとつの改善施策といえます。
コンバージョンページへの導線(CTA)の設置・改善
直帰率の改善が必要なページにCTAを設置することも効果的な改善施策です。ユーザーは何らかの検索課題を持ってページ内に流入してきますが、ページ内で検索課題が解決できた後にそのまま検索行動をやめてしまうか、新たな検索行動に出るかを判断します。
そこで記事の最下部に新たな検索行動を誘発するCTAを設置することによりユーザーの直帰率を下げ、サイト内回遊率を上げることが可能となるのです。CTAにはコンバージョンページにつながるリンクを貼り、記事を読み終えたユーザーがクリックしたくなるようなフレーズを設定しましょう。
まとめ
直帰率は特定ページの状況を知るために重要な指標となりますが、直帰率単体を計測するだけではページ改善に踏み切る決め手とはなりません。ページ改善を行う際は「コンバージョン増加」や「トラフィック増加」の見込みがあるページに範囲を限定し、ページコンテンツの改良などの施策を実践していくことが重要です。