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Webマーケティング実践のためのウェブ活用ラボ | コラム | マーケティングミックスとは︖「4P」「4C」の意味と事例と注意点

マーケティングミックスとは︖「4P」「4C」の意味と事例と注意点

マーケティングミックスとは、「4P」や「4C」などのフレームワークの⼿法を組み合わせることで、相乗効果を狙う戦略です。

更新日:2020.02.20

マーケティングミックスとは、マーケティング戦略において重要な役割を果たすものです。しかし、詳しい内容についてはよくわかっていないという⽅もまだ多いのではないでしょうか。
 
そこで、本記事では、マーケティングミックスとはどういうものか、用語や考え方、戦略を検討する上での注意点などを、具体的な例と合わせて解説します。ここで紹介する情報を活かして、より効果的なマーケティングを実践していきましょう。

マーケティングミックスとは

マーケティングミックスとは、マーケティング戦略を⽴てるための⼀つの⼿法です。主に、企業の⽬線でマーケティング戦略を考えるための4つ視点の頭⽂字であるPをとった「4P」、反対に顧客視点で検討する4つ視点の頭⽂字であるCをとった「4C」の2つを組み合わせて、効果的なマーケティング戦略を設計することを指します。
 
ここから、「4P」「4C」の各視点について詳しく説明します。マーケティングミックスの具体例も紹介するので、実施したいマーケティング戦略を想像しながら読み進めてみてください。

マーケティングミックスの位置づけ

マーケティング戦略を上⼿に実践するためには、まずはターゲットとなる市場を分析し、マーケティングの機会がどこにあるかを⾒つける必要があります。さらに、顧客のニーズや性質ごとに、市場を細分化する必要があります。これをセグメンテーションと呼びます。
 
例えば、狙った市場に同じニーズを有する顧客を標的とした製品やサービスが、すでに流通しているケースもあるでしょう。そんな時に、使⽤するのがマーケティングミックスです。
 
それらの競合他社と⾃社を、どのように差別化をするかを決定したら、その後マーケティングミックスを使い、顧客にアプローチする具体的な⽅法を決定します。それをベースに宣伝や営業活動を⾏った後は、結果を確認・分析し戦略の分析や⾒直しを⾏います。

マーケティングミックスの「4P」と「4C」について

マーケティングミックスを実践するのであれば、「4P」や「4C」といった基本的な考えをしっ かり理解しておく必要があります。
 
「4P」と「4C」は、いずれもマーケティングにおいて⾮常に重要な視点であり、フレームワークです。フレームワークとは、⼀般的に確⽴されている枠組みのことを意味します。
 
「4P」は1960年からマーケティング戦略に⽤いられ始めました。⼀⽅、「4C」は1993年に登場した⽐較的新しい考え⽅で、「4P」に取って代わるフレームワークといわれることもあります。しかし、実際はどちらか⼀⽅だけではなく、双⽅の視点から戦略を練ることが⼤切です。

「4P」とは

「4P」とは、企業の視点からマーケティング戦略を考えるためのフレームワークです。「4P」には、プロダクト(製品)、プライス(価格)、プロモーション(宣伝活動)、プレイス(流通)の4つの視点が含まれます。製品と価格、プロモーション、流通という4つの視点から、製品の魅⼒や企業からのメッセージを顧客へ伝えるための⽅法を決定します。
以下で、各「P」の意味と考え⽅を説明します。

製品(Product)

製品についての戦略は、「4P」の中で最も重視するべき要素です。まずはターゲットとする顧客に提供する製品の価値を考えて、製品コンセプトを決定します。ただし、製品コンセプトが決まったら、すぐに売り出せるというわけではありません。技術や製品の⽣産⽅法、パッケージ、サポートなどのサービスを組み合わせて、ようやく商品として完成するからです。
コンセプトとは「概念」を意味する⾔葉です。たとえば、同じ⾃動⾞でも乗り⼼地の快適さや積載量を重視したファミリーカーと、スタイリッシュなデザインやスピードを追求したスポーツカーでは、製品の価値やイメージは⼤きく変わるでしょう。このように、製品に付与する概念によって、商品の魅⼒が決まります。

価格(Price)

価格戦略は、マーケティングにおいて⾮常に重要なポイントです。価格を⾼く設定すれば企業が得られる利益も⼤きくなりますが、⾼すぎると商品は売れなくなってしまいます。
逆に、価格が低いと商品は売れても利益が出ません。そこで、価格設定はコストと価格相場、ブランディング、マーケティング戦略の4つの視点から考える必要があります。
コストとは商品の製造や販売を⾏う際に発⽣する費⽤のことです。⼀⽅、価格相場は企業ではなく顧客が考える相場を指します。ブランディングは、たとえ価格が⾼くても、それに⾒合った価値があると顧客に期待させる⼿法のことです。マーケティング戦略では、競合する製品と価格の⾯で、どのように差をつけるのかを考えます。

プロモーション(Promotion)

プロモーションとは、自社がターゲットとする顧客や流通業者に対し、製品の存在を知らせるための戦略や⼿法を指します。製品の価値や機能が効果的に伝われば、意図的にニーズを⽣み出すことも可能になります。
プロモーションの⼿法には、新たなニーズを作る戦略PRや、オウンドメディアやブログなどWebを通して情報を発信するコンテンツマーケティングなどが挙げられます。さらに、テレビで放送されるCMなどのマス広告も、商品やブランドの知名度を⾼めるには効果的なプロモーション⼿法です。
インターネットの普及とともに、ダイレクトマーケティングも広まりつつあります。ダイレクトマーケティングとは、顧客の購買衝動を作り出し、製品の購⼊に結びつける⼿法です。セールスプロモーションにより、他社の製品と⽐較して迷っているターゲットの購⼊を促すという⽅法もあります。

流通(Place)

流通とは、簡単にいえば製品を顧客に届けるための経路のことです。流通戦略には⼤きく分けて5つの⽅法があります。

  • 1つめは開放的チャネル戦略です。チャネルとは流通経路のことを指します。あえてチャネルを限定せずに、広い範囲で商品を流通させる⽅法です。
  • 2つめは選択的チャネル戦略といい、契約内容や販売⼒などの条件を考慮したうえでチャネルを選別します。
  • 3つめは排他的チャネル戦略です。限定された地域やお店に独占販売権を与え、販売管理やチャネルのコントロールがしやすい環境を整えます。
  • 4つめの⽅法はチャネルミックス戦略です。状況に応じて、複数のチャネルを柔軟に使い分けます。
  • 5つめの⽅法はチャネル開拓戦略です。既存のチャネルに頼るのではなく、企業が⾃ら⼿間とコストをかけて新たなチャネルを開拓する⽅法です。

「4C」とは

「4P」が企業視点なら、「4C」は顧客視点のフレームワークです。「4C」に含まれる視点は、カスタマーバリュー(顧客の価値)、カスタマーコスト(顧客負担の費⽤)、コンビニエンス(顧客の利便性)、コミュニケーション(情報流通)の4つです。これらの頭⽂字をとって「4C」と呼ばれています。顧客の視点から製品の利便性やコストを⾒直し、商品をスムーズに顧客に届けることが主な⽬的です。
以下で、各「C」の意味と考え⽅を詳しく説明します。

顧客の価値(CustomerValue)

カスタマーバリューとは、商品を購⼊したり、サービスを利⽤したりする際に、顧客が得られるメリットのことです。
顧客が求める価値とは、商品の仕様や性能だけで決まるとは限りません。その製品を⼿に⼊れることで得られる優越感、使うと楽しい気分になるなどの情緒的なベネフィット(利益)、アフターサービスなども価値に含まれます。また、顧客が抱える問題を解決してくれることも、製品に期待される価値の⼀つです。
なお、カスタマーバリューは「4P」の要素である「製品」と対になっています。どちらか⼀⽅ではなく、どのような価値を提供できるのかを双⽅から考えることで、製品づくりにさまざまなヒントを得ることができます。
 

顧客にとっての費⽤(Cost)

カスタマーコストは「4P」の要素である「価格」と対になる要素で、商品やサービスを利⽤するために顧客が負担するコストを指します。ただし、⾦銭的なコストだけではありません。時間的なコストや労⼒的なコスト、⼼理的なコストも含まれます。
時間的コストとは、商品が納品されるまでの期間や、使いこなせるようになるまでに必要な時間などです。また、商品を⼿に⼊れたり、購⼊⼿続きをしたりする⼿間を労⼒的コストといいます。購⼊する商品やサービスによっては引け⽬を感じたり、⼼理的なブレーキをかけたりすることもあるでしょう。このような⼼理的コストも、顧客が負担するコストの1つです。

顧客とのコミュニケーション(Communication)

コミュニケーションは、「4P」の1つである「プロモーション」と対になる要素です。⽂字通り顧客と企業とのコミュニケーションのことを指します。マーケティング戦略を成功させるには、売り⼿と買い⼿の間で交わされるコミュニケーションが⽋かせません。プロモーションの⼿法は、ダイレクトマーケティングやコンテンツマーケティングなどさまざまです。
⼀⽅的に製品やサービスに関する情報を発信するだけでは、マーケティングは成功しません。企業も顧客からの声を受け⽌める必要があります。たとえば、コールセンターを設けたり、SNSによる情報発信や対⾯営業を取り⼊れたりするのも、顧客とのコミュニケーション⽅法の⼀つです。

顧客の利便性(Convenience)

コンビニエンスとは、顧客にとっての利便性のことです。「4P」を構成する要素である「流通」と対になっています。どれだけ優れた製品やサービスでも、⼊⼿できる場所があまりに限られてしまうと、購⼊にはつながりません。そのため、顧客の視点から購⼊のしやすさや利便性を考慮したうえで、流通チャネルを整えていく必要があります。
たとえば、実店舗で販売する場合は、営業時間や⽴地が重要です。オンラインストアで販売したいのであれば、Webサイトのデザインや決済⽅法を⾒直すことになります。ただし、⾼級品や希少価値が⾼い商品であれば、あえて⼊⼿困難な状況にすることで⼈気が出る場合もあります。顧客が求める価値に合わせて、流通戦略を展開しましょう。

マーケティングミックスの注意点

マーケティングミックスを実現するためには、前述した「4P」、さらには「4C」を踏まえたうえで戦略を練ることが重要です。「4P」と「4C」の間での整合性がとれているか、⽭盾している要素がないかを慎重に確認しながら戦略を決めていきましょう。
 
また、「4P」のバランスをとることも忘れてはいけません。たとえば、⾼級なイメージで売り出したい製品を販売するのに開放的チャネル戦略をとるのは、製品コンセプトに反しています。むしろ、選択的流通チャネルや排他的流通チャネルを選択したほうが、ブランドイメージが⾼まることもあります。
 
マーケティングミックスとは、「4P」や「4C」などのフレームワークの⼿法を組み合わせることで、相乗効果を狙う戦略です。それぞれの⼿法がもつ利点をうまく組み合わせて、相乗効果を⽣み出すよう努めましょう。

まとめ

マーケティングミックスは、商品やサービスを必要としている⼈に確実に届けるために、⾮常に有効なマーケティング⼿法です。しかし、「4P」や4Cなどのフレームワークを取り⼊れれば、必ずしもマーケティングが成功するというわけではないので、注意が必要です。
 
また、「4P」と「4C」のどちらのフレームワークがより優れているということはなく、双⽅の視点から戦略を⽴てていく必要があります。ここで紹介した情報を参考に、「4P」や4Cの考え⽅をバランスよく取り⼊れ、効果的なマーケティング戦略を実現しましょう。