更新日:2020.12.24
404 not foundの意味
「404 not found」とは、クライアントの要求に対応するページが、すでに存在しないことを意味する、「サーバーが返すHTTPステータスコードの一つ」のことです。
例えば、過去にブックマークしたページを久しぶりに開こうとする場面などにおいて、遭遇することがあります。そのページがすでに削除されている場合、指定したURLに対応するページを返す代わりに、サーバーは「404 not found」を返すのです。
HTTPステータスコードとは
「HTTPステータスコード」とは、HTTPプロトコルによる通信における、クライアントのリクエストに対するサーバーのレスポンスの状態(ステータス)を示す3桁の数字コードのことです。HTTPステータスコードは、以下のように、100番ごとに特定の役割が与えられています。
- 100番台:情報
- 200番台:成功
- 300番台:リダイレクション
- 400番台:クライアントエラー
- 500番台:サーバーエラー
100~300番台は、リクエストに対して正常なレスポンスを行えている状態を示します。一方、400~500番台は「エラーコード」となり、企業のサイト運用・保守担当者は、エラーの意味を理解した上で、適切な対応を取る必要のあるステータスコードです。
400番台のエラーコードには、他にも「403」があります。「403」は「forbidden」、つまり「アクセス禁止」を意味します。クライアントのページへのアクセス権限がない(または削除されている)場合や、サイト側でページを正しいディレクトリに配置できていない場合に起こるエラーです。
ソフト404との違い
「ソフト404」とは、要求したページが存在しないにもかかわらず、正常値「200」を返している状況を指します。ステータスコードとしては「200」であるため、「ソフト404」の状況に対応するステータスコードがあるわけではない点に注意が必要です。
「ソフト404」状態のページの問題点は、「404 not found」とは違って、クローラーがページエラーを「エラー」として認識しないことです。つまり、存在しないページを、無駄にクロールしてしまうことにあります。クローラーが存在しないページを巡回することで、クローラビリティが損なわれるため、サイト評価に間接的な影響を与える可能性があるのです。
404 not foundが表示される原因
「404 not found」が表示される原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- リンク切れ
- リダイレクトの設定ミス
両者に共通しているのは、サイトのページ遷移に関わる変更を行った際に、生じる可能性が高いという点です。サイトを更新する際には、変更を行った箇所の動作確認を、忘れずに行いましょう。
「404 not found」を放置していると、情報を欲してサイトを訪れたユーザーが、すぐにサイトを離れてしまいます。つまり、訪問したユーザーが関連情報を調べるためにサイト内を回遊する機会も排除してしまうのです。
「404 not found」は、ユーザー体験だけではなく、クローラビリティにも影響を与えます。なぜなら「404 not found 」のページにたどり着いたクローラーが、それ以上のサイト内クロールができなくなるからです。結果として、サイトが十分な評価を得られなくなる可能性もあります。
「404 not found」のページが存在すること自体は、サイトの評価に直接的な影響を与えるわけではありません。しかし、以上のように、「ユーザー体験の低下」や「クローラビリティが損なわれる」といったデメリットによって、サイトの評価を落とす可能性もあるため、できるだけ「404 not found」のページが表示されない状態を維持するのがポイントとなります。
リンク切れ
「リンク切れ」とは、Webページに貼られたURLのページに遷移できないことを指します。リンク切れが起こる原因は、「URLに誤りがある」「リンク先のページが削除されている」などといった場合です。
特に、外部リンクを設置している場合、知らないうちにリンク先のページが削除されている可能性があります。外部サイトの事情とはいえ、ユーザーの主観的な体験としては、現在利用しているサイトに使いづらさを感じてしまいます。ユーザー体験を損なわないためにも、外部サイトのリンク切れも自分ごととして、定期的に監視・対策を行いましょう。
リダイレクトの設定ミス
ページのURLを変更した際には、当該ページの評価を引き継ぐためにも、「301リダイレクト」を設定する必要があります。しかし、リダイレクトの設定にミスがある場合、リクエストに対してサーバーは、「404 not found」を返します。リダイレクト設定を行った後は、必ず動作をチェックするようにしましょう。
404 not foundの対処方法
「404 not found」が表示される場合の対処方法は、以下の通りです。
- 301リダイレクトを行う
- オリジナルの404エラーページを作成する
- サイトマップを設置する
「301リダイレクト」は、そもそも「404 not found」を起こさないためにも、欠かせません。しかし、完全に「404エラー」をなくすことは困難です。そのため、「404 not found」が起こることを前提に、「オリジナルの404エラーページの作成」「サイトマップの設置」によって、ユーザビリティが低下するのを防ぐことも重要です。
301リダイレクトを行う
「404 not found」 は、ドメインの移管やページを削除した際に起こりやすいです。しかし、元のページに「301リダイレクト設定」を行うことで、恒久的に新しいページへ遷移させることが可能となります。
ただし、先にも述べたように、リダイレクト設定が正しく行われていない場合でも、「404エラー」が発生します。そのため、リダイレクト設定を行った後には、動作チェックが欠かせません。
オリジナルの404エラーページを作成する
「デフォルトの404エラーページ」は、文字のみのシンプルなデザインのため、時に訪問ユーザーを困惑させてしまいます。また、「デフォルトの404エラーページ」には、次の行動を促す仕掛けもないため、ユーザーは一刻も早く、訪問サイトを離れようとします。
一方、「オリジナルの404エラーページ」を作成しておくことで、訪問ユーザーは「エラーページにまで気配りが届いているサイトだ」と感じ、サイトの印象の低下を防ぐことができます。他にも、「オリジナルの404エラーページ」には、次のサイト内行動を促す「UI」が設定でき、訪問ユーザーのサイト内回遊率の向上が期待できます。
したがって、Web担当者は、以下のポイントを押さえた上で、「オリジナルの404エラーページ」を作成する必要があります。
- ページが存在しないことを明確に伝える
- サイトのテーマに合ったデザインにする
- 次の行動を促す
以上のポイントが押さえられ、かつ遊びが感じられるユニークな「404エラーページ」をご紹介します。自社と業種・業態が似ている企業があれば、ぜひ参考にしてみてください。
【例1】ヤマト運輸
こちらは、ヤマト運輸の「404エラーページ」です。左隅にある企業マークのように、「背景は黄色、中心は黒い文章案内」として表示されています。また、背景の段ボールがランダムに動き、右下に顔を出している黒猫を探すゲームが、デフォルトで始まります。サイトの印象を損なわないために、工夫を凝らされているのが一瞬で伝わる「404エラーページ」です。また、「404エラーページ」をスクロールしていくと、詳細なサイトマップが用意されています。ユーザーに次の行動を促す工夫も忘れてはいません。
【例2】HONDA
こちらは、HONDAの「404エラーページ」です。特徴的なのは、「ページを存在しない」ことを伝えた直下に、「会社の注目ニュース」が配置されていることです。これによって、欲しい情報が見つからなかったユーザーを、サイト内の別記事へと遷移させることができます。
【例3】LIFULL HOME’S
こちらは、LIFULL HOME’Sの「404エラーページ」です。扱っているサービス(物件)を探すユーザーが取る行動を予測したページ作りがなされています。つまり、「物件を探すユーザーは、特定の条件で見つからなければ、別の条件を検索するだろう」との予測を立て、「検索欄」を用意しているのです。
サイトマップを設置する
「404エラーページ」に「サイトマップ」を設置しておくことで、ユーザーが本来欲していた情報に関係のあるページへと誘導することが可能です。「404エラーページ」に行き着いたユーザーは、サイトを離れて情報を探すか、サイト内に留まって情報を探すかといった二択が考えられますが、サイトマップは、判断に迷ったユーザーに、次の行動を促すことができる「UI」となります。「オリジナルの404エラーページ」にどんな内容を配置すべきか悩んでいる人は、まずはサイトマップの設置を検討してみると良いでしょう。
404エラーページの設定方法
ここからは、「404エラーページ」の設定方法について、解説します。「404エラーページ」の設定方法は、以下の2つの場合で異なります。
- .htaccessの場合
- WordPressの場合
両者とも簡単に「404エラーページ」を設定することができます。ただし、特に「.htaccess(ドットエイチティアクセス)」は、記述方法やファイル設置場所に注意点があります。設定方法に誤りがあると、「ソフト404」の原因となる可能性があるので、注意深く確認した上で設定しましょう。
.htaccessの場合
「.htaccess(ドットエイチティアクセス)」は、リダイレクトやアクセスの制御を行う際に用いられるファイルです。「.htaccess」を使うことで、簡単にエラーページを設定することができます。手順は、以下でご紹介しますが、一例であることをあらかじめご理解ください。
- 表示させたい404エラーページのHTMLファイルを作成する
- 作成した404エラーページをトップ直下に配置する
- テキストエディタなどで、【ErrorDocument 404 /404.html】を記述する
- 3で作ったファイル「.htaccess」というファイル名でトップ直下に配置する
注意点は、3で例示したように、表示させたいファイルを「相対パス」で記述することです。なぜなら、「絶対パス(URLを指定する書き方)」で記述した場合、「ソフト404」の状態になってしまうためです。
WordPressの場合
「WordPress(ワードプレス)」の場合、「404.php」というファイルを作成することで、簡単に「404エラーページ」を作成することができます。作成したファイルは、テーマフォルダの直下に配置してください。そうすることで、「404 not found」が返されたとき、「404.php」が自動的に読み込まれ、作成した「404エラーページ」が表示されます。
まとめ
「404エラーページ」が残されているからといって、サイト評価に直接的な悪影響を及ぼすことはありません。しかし、ユーザー体験やクローラビリティに影響を与える可能性があることを考慮すると、「可能な限り、少なくする」もしくは「オリジナルの404エラーページを作成して、サイト内回遊を促す」といった工夫が必要です。まずは、「オリジナルの404エラーページ」を作成・設置し、次に「301リダイレクト」の設定が正しく行われているかどうかをチェックしましょう。