COLUMN

中小企業のデジタル化の現状と対策 – 2019年版中小企業白書を読み解く(後編)

後編では、大企業にとっても魅力的な中小企業との連携、域外・海外の需要を取り込むことの必要性について、詳しくご紹介します。


AI/マーケティング 2020.03.30

前編では、中小企業庁から公表された2019年版中小企業白書・小規模企業白書より、中小企業に求められる構造変化への対応に焦点を絞り、

1.デジタル化社会では、IoT・AIを活用した、生産性向上の取組が重要

2.中小企業は大企業にとって魅力的な連携相手。研究開発の促進も重要

3.地方の中小企業こそ、域外・海外の需要を取り込むことが必要であり、それは多くの地域で可能

のうち、1について詳しくご紹介しました。

後編では引き続き、2、3についてご紹介させていただきます。

中小企業は大企業にとって魅力的な連携相手。研究開発の促進も重要

顧客ニーズの多様化や変化のスピードが早まる中、自社だけで革新的な商品やサービスを開発することは困難となり、オープン・イノベーションの必要性が高まっています。
小回りの効く中小企業は、大企業からも研究開発の連携相手として期待されています。大企業との連携を含め、中小企業の研究開発への取組を促進することが必要と言えます。



【事例】大企業と組んでオープン・イノベーションを行う企業

<基本情報>

・HCI(従業員48名、資本金2,000万円)は、ケーブル・ワイヤー製造と、産業用ロボットのSIerを行っている企業。

<課題>
・三菱電機㈱は、産業用ロボットを製造していたが、ケーブル・ワイヤーなどの柔らかいものの扱いに課題を抱えていた。

<対策と成果>
・そこで、かねてより三菱電機のロボットでシステムの構築をする仕事をしており、ケーブル・ワイヤーの扱いに長けているHCIが、ワイヤーハーネスを自動で作るロボットシステムを開発。

・今では、他の中小企業や近隣の学生などと、南大阪地域の中小企業にロボットやAIを導入するための団体を立ち上げ、人材育成などでリーダーシップを発揮している。

こちらの事例も、従業員数50名未満の中小企業が三菱電機という大手と組んでいる好例ですね。図にある通り、どうしても中小企業は大企業と比べて研究開発費をかけられない状況にあるでしょうが、大手企業と組んで商品の研究開発をすることで、開発費の一部を負担してもらえる場合もあることでしょう。

地方の中小企業こそ、域外・海外の需要を取り込むことが必要

サービス業を中心に、人口密度が低い地域に立地する事業者ほど生産性が低い傾向にあり、人口減少が進む地方では、域外の需要を,如何に取り込むかが課題と言えます。図2にあるとおり、訪日外国人が急増する中、外国人のニーズに応じた商品・サービスを提供し、海外需要を取り込むことで地方でも高い成長を実現することが可能となっています。



【事例】体験型教室でインバウンド需要を獲得する企業

<基本情報>
・梅守本店(従業員80名、資本金1,000万円)は、郊外型回転寿司店として事業を開始。現在は、寿司等の製造販売を行う企業。

・娘の病気をきっかけに、「食を通じて人々に幸せを届ける」という使命を悟り、使命を実現するために、「すし体験教室」を開催。

<施策と成果>
・従業員から、東大寺の観光客に占める外国人の割合が大きく増加しているとの情報を受け、ターゲットを外国人に変更。

・Webサイトの多言語対応など、積極的な営業が奏功し、わずか3年半で10万人を集客した(2017年2月)。

・ハラル認証も取得し、訪日ムスリムにも対応。

外国人観光客を呼び込むために、Webサイトの多言語化だけでなくハラル認証も取得するなど、宗教文化の違いや食べてはいけないもの、してはいけないことをしっかりと理解し、こちらからお客様に寄り添ったサービスを提供しようという積極的な姿勢が外国人にも受け入れられているようです。

いかがでしょうか?
中小企業がデジタル化を推進するためには、まずは自社の現状把握、そしてデジタル化のためにはどのようなツールやサービスが存在しているのかを客観的に情報収集するところから始められることをおすすめします。

中小企業白書にも、多くの中小企業のデジタル化・構造改革事例が載っていますので、ぜひご参照くださいね。

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html


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