COLUMN

中小企業のデジタル化の現状と対策 – 2019年版中小企業白書を読み解く(前編)

中小企業庁から公表された2019年版中小企業白書を元に、構造変化への対応について、前後編の二回にわたりご紹介します。


AI/業務効率化 2020.02.20

2019年版中小企業白書・小規模企業白書が中小企業庁から公表されました。

中小企業白書によると、
1.中小企業は経常利益が昨年に引き続き過去最高水準にあり、景況感も改善傾向である

2.経営者の高齢化が進んでいるため、事業承継や経営資源引継ぎのためには早めの準備が必要

3.人口減少、デジタル化、グローバル化などの経済・社会構造が変化している中で、経営者が行動変容しなければならないとされています。

今回は、上記中小企業白書の中から、3.の構造変化に焦点を絞ってみましょう。

【中小企業は構造変化への対応が必要】
1.デジタル化社会では、IoT・AIを活用した、生産性向上の取組が重要

2.中小企業は大企業にとって魅力的な連携相手。研究開発の促進も重要

3.地方の中小企業こそ、域外・海外の需要を取り込むことが必要であり、それは多くの地域で可能

インターネットの高速化やデジタルテクノロジーの開発が急速に進んでいる一方、今後労働人口が減ってしまうことが確実な中、中小企業はデジタル化を進めることで生産性向上に取り組んでいくことが何よりも重要と言えます。

デジタル化を進めていけば大企業との連携が可能となるだけでなく、これまで「商圏」と捉えていた範囲を大幅に広げていくことができるため、域外・海外のお客様と接点を持つことが可能となります。

中小企業の景況感は改善傾向にあるということで安心してしまわずに、しっかりとデジタル化を進め、構造変化に対応できるように準備していきましょう。

デジタル化社会では、IoT・AIを活用した、生産性向上の取組が重要

デジタル化が進展する社会にあっては、中小企業にとってもIoT・AIを活用することが有益です。 データを活用し、業務効率化や売上増につながる取組を促進することが必要と言えます。

では、ここで従業員規模別にIoT・AIの導入状況を見てみましょう。

やはり従業員数300名以上の大企業の方が、IoT・AIの導入率・検討率は高いようですね。労働人口が減っていくことが見込まれている中、中小企業こそがデジタル化を推進し、少ない人数で生産性高く業務に取り組むことが必要なのではないでしょうか?

同様に、IoTにより収集・蓄積したデータを活用できている比率も、大企業の方が高いようです。経営陣による「長年の経験と勘」を基に業務に取り組むのではなく、しっかりとデジタル化を進め、集めたデータを経営に活かすようにしましょう。

【事例】AI導入により、業務改善・売上増加を実現した企業

<基本情報>
・ゑびや(従業員45名、資本金500万円)は、伊勢神宮の内宮前で大衆食堂を営む企業。

<課題>
・従来は、来店客数の予測が行われておらず、大量の食品ロスと、非効率な業務による従業員の疲弊が常態化。

<対策と成果>
・大手IT企業に勤めていた現社長の入社を契機に、「来客予測」の精度向上を重点課題と定め、AIの導入を検討。

・150種類ものデータから割り出された正確な「来客予測」は、食品ロスの削減と従業員の負荷軽減を実現。接客品質の向上や新たな売上増加策にも着手。

・AI導入後、従業員数を増やすことなく、売上高4倍、従業員の給与アップ、週休二日制を実現。

いかがでしょうか?「うちは小さな会社だからデジタル化なんてまだ関係ない」と思われている方がいたとしたら、この「大衆食堂がAIを導入して売上増加を実現した事例」を見るとドキッとされると思います。従業員の給与と笑顔を増やすためにも、ぜひ我が事として、自社でもデジタル化を進めていけないかを検討なさってください。

後編では、中小企業と大企業の連携、域外・海外の需要取り込みに関して、事例をまじえてご紹介します。

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