導入事例 CASE

新人育成と処理効率アップに貢献!
「RICOH Chatbot Service」がコールセンターのナレッジ管理を一新

さまざまなリースサービスやファイナンスサービスなどを提供するリコーリース様では、コールセンターに入る問い合わせの内容も多岐にわたります。対応には豊富なサービス知識と的確な状況判断が必要になる上、スタッフの入れ替えが発生したことで早急に育成しなければならなくなりました。同社がどのようにして、コールセンターの品質および効率を維持・向上させながら効率良く新人トレーニングを進められたのかご担当者の方にお話しをお伺いしました。

リコーリース株式会社

所在地 :東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニ ガーデンコート
従業員数 :1,156名(連結)
主な業務 :リース&ファイナンス事業、サービス事業、インベストメント事業
URL:https://www.r-lease.co.jp/

オフィス関連機器や医療機器などの各種機器を対象としたリース&ファイナンス事業を中心に、請求回収代行や医療・介護事業者向けファクタリングサービスなども展開するリコーリース様。同社リースの特長の1つが、ベンダー様が物件販売と同時にリース契約も代行していただくベンダーリースです。リース取引先顧客数は約40万社と、多くのお客様からの支持を集めています。

これまでの課題

  • 1
    問い合わせ内容が多岐にわたるため対応が複雑でしかも迅速な対応が求められていた
  • 2
    コールセンタースタッフの入れ替えがあり短期間で教育する必要があった
  • 3
    頻繁に情報更新が発生するので容易に情報メンテナンスできるナレッジ管理ツールが必要だった

Chatbot導入効果

  • 1
    複雑な問い合わせ内容でも即座に回答を探し出せるため、自信をもって速やかに対応できるようになった
  • 2
    新人教育にチャットボットを活用することでトレーナーの負荷を抑えながら効率良く進めることができた
  • 3
    システム管理経験がないスタッフでも直感的な操作で情報メンテナンスができるようになった

複雑なコールセンター対応業務を担うスタッフの負荷軽減を目的にチャットボット導入を検討

御社のコールセンターへはさまざまな種類の問い合わせが入ってくるとお伺いしましたが。

「当社ではベンダー様経由のリースサービスも提供していますので、コールセンター(※リコーリース様内ではインフォメーションセンターと呼称)への問い合わせはお客様だけではなく、ベンダー様(ベンダーが相称の扱い)などさまざまなお立場の方から頂きます。サービスの種類が多くしかも複雑な上、お取引先様の数も非常に多いために、コールセンターでの対応業務は非常に難易度が高くなってしまい、これが大きな業務上の課題の1つでもあります。実際の問い合わせ対応は、さまざまなサービスの知識に加えてお客様が何にお困りなのかなど状況を的確に判断した上で、できるだけ迅速に回答することが求められます」

このような高度な対応スキルが必要とされるコールセンタースタッフに、人の入れ替えが発生。
多様な知識と高度な能力が必要とされるスタッフ教育には多くの工数が必要なため、新人スタッフのトレーニングをできるだけ効率的に進めることができるようなサポートツールがないか検討を始めました。

「元々コールセンターでは、さまざまな業務情報を検索できるナレッジシステムを利用していました。しかし、情報の網羅性を重視したシステムだったために情報量が多くなり、電話対応しながら使うには少し難しいところがありました。そこで、例えば教育トレーナーの代わりに、スタッフの質問に常時答えてくれるようなツールがあればいいのではないか、ということでチャットボットシステムの導入を考えました」

今回「RICOH Chatbot Service」をご採択いただいたのはどのような理由からでしょうか。

「最も重視したのがメンテナンス性です。実際にチャットボットを使うコールセンターのスタッフが通常業務の中で情報のメンテナンスができるかどうかがポイントでした。提供するサービスの情報や対応方法などが頻繁に追加・変更になり、即座にそれらを反映していく必要があります。それをその都度システム部門などに追加・変更依頼していたのではとても間に合いません」

また、同社でのチャットボット導入は実験的な試みでもあったので、初期費用としてはできるだけ抑えておきたいという要求もありました。

「他社製品とも比較しましたが、機能面と費用面の両面から当社の要求にフィットするものはRICOH Chatbot Service以外には見つかりませんでした。その他、利用状況の分析・レポートサービスもオプションとして用意されていることも、将来的に利用範囲を拡張させていくことを考慮すると選定のポイントとなりました」

3カ月かけてチャットボットの有効性を判断。本格運用に踏み切る

コールセンターへの導入の際はどのように準備を進められたのでしょうか。

「チャットボット稼働に必要なFAQや類義語の設定を行った後、約3カ月をかけて有効性の検証を実施しました。業務的な指標として完答率(お客様などから頂いた電話中に問題解決した率)や保留未使用率などを、そしてチャットボットに関する指標として回答率(有効な回答が存在したか)や満足率を対象として毎月ウォッチしていきました。同時進行でFAQの精査をし、最終的にチャットボットの有効性を判断。コールセンターでの本格運用に踏み切りました」

指導時間が月3時間削減。確かな改善効果が現れていることを実感

実際にコールセンターでどう活用し、どのような効果が現れていますか

「課題の1つであった新人へのトレーニングに関しては、2通りの方法で活用しています。まず1つ目が、電話対応中の新人からの質問に対してトレーナーがチャットボットで検索して正しい対応方法を指示するような使い方です。電話対応中に保留にして確認している状態ですが、瞬時に回答が得られるので、お客様を長時間お待たせすることなく対応できます。もう1つが、新人スタッフ自身が電話対応しながら自らチャットボットで不明点を検索するような使い方です」

新人のトレーニングにおけるRICOH Chatbot Service導入効果は、数値にも現れており、導入後半年でトレーナー1人あたりの指導時間が月3時間削減されました。また、トレーニングを受ける側にも定量的な効果が現れており、後処理時間(お客様対応後の後処理に要する時間)が1名あたり月5時間削減されました。チャットボットの直接的な効果のみを計測するのは困難ですので、これらの改善数値はその他の要因も含めたものです。しかしリコーリース様は、トレーナーの指導によって新人の方が成長していく過程でチャットボットが確実かつ効果的に働いていたと言います。

「後処理時間削減などの効率化によってその分1件でも多くの問い合わせに対応することができるようになり、それが顧客満足にもつながっていると考えています。また、チャットボットを使うことで、込み入った情報や多種多様な知識をスムーズに習得することができます。業務の合間に自習することで曖昧だった知識を強化し、スタッフの自信や成長にもつながっていくでしょう。ちょうど昨年から在宅受電も始めたのですが、自宅で1人で電話対応する際にもRICOH Chatbot Serviceがナレッジサポートツールとして心強い味方になってくれていると思います」

今後さらに、RICOH Chatbot Serviceをどう活用されていくおつもりでしょうか。

「現時点ではまだ構想段階で、実現の可能性を探っているところなのですが、今回のチャットボット導入に際しての真のゴールは、お客様向けに公開することだと考えています。それが実現すれば、わざわざ電話をかけなくても「いつでも、好きな時に」Web上で問題が解決できるようになります。そして今回はそのためのファーストステップという位置づけになります。コールセンターでは一旦スタッフが咀嚼してから問い合わせに返答しますので、誤った情報を提供するリスクは極めて低いと考えています。しかし、直接チャットボットを公開すると質問の仕方もさまざまですので、誤った情報を提供してしまうリスクがあります。先にも申し上げたとおり複雑な内容の問い合わせが多いのでなおさらその危険性が高いでしょう。そこで重要になるのが回答精度を向上さるため情報メンテナンス作業です。RICOH Chatbot Serviceはメンテナンス性に非常に優れ、ナレッジツールを触った経験がなくても、直感的にメンテナンス作業ができます。今後はFAQの精査や類義語登録など、具体的にどのような方法で回答精度を上げていけば良いのか、そのノウハウを蓄積していきたいと考えています」

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