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最終更新日:2025年10月20日

チャットボットの活用で社内問い合わせとヘルプデスクの業務効率化を実現

社内からの問い合わせを受け付けることの多い、情報システム部門や経理部門、人事・総務部門などは、問い合わせ対応に時間を取られてしまい、コア業務に集中できない課題を抱えていることが多くあります。人手不足の課題解決や業務効率化が急がれる中、チャットボットで問い合わせを受け、ヘルプデスク代行として利用する方法が注目されています。
そこで今回は、社内問い合わせにチャットボットを活用する理由や、成功事例をご紹介します。

1. 社内向けチャットボットとは

社内向けチャットボットとは、企業の従業員をユーザーとして、社内の問い合わせ対応や業務手続きを自動化するために設計されたプログラムのことです。

総務や人事、情報システム部門などのバックオフィス部門には、各種申請のルールやPCの操作方法など、日々多くの定型的な質問が寄せられます。これらの問い合わせに担当者が一件ずつ対応するのは大きな負担となってしまいます。社内向けチャットボットは、こうした繰り返しの質問に対して24時間365日、即座に自動で回答することが可能なため、担当者はより専門的な業務に集中でき、会社全体の生産性向上という大きなメリットが生まれます。

単なる問い合わせ対応に留まらず、会議室の予約や備品申請といった定型業務の受付窓口としても機能し、従業員の利便性を高める重要なツールとなっています。

チャットボット(Chatbot)とは?│初心者にもわかりやすく解説

2. 社内向けチャットボットの種類

社内向けチャットボットは、その仕組みによって大きく2つの種類に分けられます。それぞれの特徴を理解し、自社の目的や運用体制に合ったツールを選ぶことが重要です。

ルールベース型(シナリオ型)

あらかじめ設定されたシナリオやルールに沿って回答するタイプのチャットボットです。「Aと質問されたらBと返す」というように、想定される質問と回答のパターンを事前に作成しておく必要があります。シナリオの設計は必要ですが、比較的簡単に導入でき、コストを抑えられるのがメリットです。定型的な問い合わせが多く、業務内容が明確に決まっている場合に適しています。ただし、想定外の質問には答えられないため、ユーザーが求める情報にたどり着けないケースもあります。

AI型(機械学習型)

AI(人工知能)が搭載されており、ユーザーが入力した文章の意図を汲み取って回答を導き出すタイプです。過去の膨大なデータを学習させることで、ルールベース型では対応しきれない曖昧な表現や、表記の揺らぎにも柔軟に対応することが可能です。AIが自己学習を続けることで回答精度が向上していくため、運用を続けるほど賢くなります。高度な対話が実現できる反面、導入や運用には専門知識が必要になる場合や、回答データのチューニング(調整)が求められることがあります。最近では、両方の長所を組み合わせたハイブリッド型のツールも増えています。

3. 社内問い合わせのよくある課題

働き方改革やDX推進、リモートワーク化等により、社内の問い合わせが増えている企業が多いといわれています。そのような中、社内問い合わせは、具体的に次のような課題があります。

何度も同じ問い合わせが来て時間をとられすぎる

同じような問い合わせが来ると、同じような定型の答えを返すことになりますが、それらばかりに時間を取られてしまうと、他のコア業務への影響が及んでしまいます。

社内FAQの利用頻度が少なく電話やメールでの問い合わせが多い

既存の社内FAQが存在するものの、膨大な量がある、うまくまとまっていない、検索しづらいといった何らかの欠点があり、結局「電話したほうが早い」「メールで問い合わせたほうが早い」などと直接問い合わせをしてくる社員が多い現状があるケースもあります。

社員側が、問い合わせの回答を得るのに時間がかかりすぎる

社内問い合わせで、業務に関係する内容の場合、問い合わせの回答がすぐに得られないと業務が滞ってしまいます。FAQで答えが探しづらかったり、ヘルプデスクの社員がなかなか電話に出ないといった場合に、問い合わせの回答を得るのに時間がかかることが多く、業務に支障が出るケースです。
4. 社内問い合わせの課題解決にはチャットボットが有効

これらの課題を解決する方法の一つとして、現在、注目を集めているのが、チャットボットです。チャットボットといえば社外のお客様対応に使われているのをよく見かけますが、社内問い合わせを一部、チャットボットで対応することもできるのです。
チャットボットで社内問い合わせを代行することは、なぜ有効なのでしょうか。その理由をご紹介します。

問い合わせ対応業務を削減できる

チャットボットは、主に、定型のQ&Aなどよくある質問に回答するのに活用できます。そのため、社内ヘルプデスクに導入すれば、これまで人が対応していた定型の回答を返すのをチャットボットが代行してくれます。そのため、時間と手間を省くことができ、問い合わせ対応業務を削減できます。コア業務にも集中できるようになります。

24時間365日問い合わせに対応できる

社員は、時に業務時間外に問い合わせをしたいこともあります。チャットボットであれば、24時間365日、問い合わせができるので、社員の利便性を上げるでしょう。電話がつながらない時間でも、チャットボットならすぐに回答が得られる可能性があるため、利用率も上がることが見込まれます。

FAQより気軽かつスピーディーに回答が得られやすい

FAQは検索して該当の回答を探すのに時間がかかることがありますが、チャットボットは自分で入力したり、選択したりして直接的に答えにたどり着くことができます。そのため、気軽かつスピーディーに回答が得られやすいため、問い合わせのハードルが下がり社内利用も促進します。
業務の滞りを防止することにもつながります。
5. AIを活用したチャットボットの最新トレンド

近年、生成AIの進化により、社内向けチャットボットのトレンドにも大きな変化が起こっており、単に質問に答えるだけでなく、業務を積極的にサポートする「アシスタント」としての役割が期待されています。

複数システムとの連携による業務の自動化

従来のチャットボットは、FAQデータの中から回答を探すのが主な役割でした。しかし最新のAIチャットボットは、勤怠管理システムや経費精算ツールなど、社内の様々なシステムと連携することが可能です。例えば、「先月の残業時間を教えて」と入力するだけで、チャットボットが勤怠データを自動で参照し、回答を生成してくれる、といったことが可能となります。これにより、ユーザーは複数のツールを使い分ける手間が省け、業務が格段にスムーズになります。

文書作成やデータ要約のサポート

社内文書や議事録、顧客からの問い合わせ履歴といった膨大なテキストデータをAIに学習させることで、チャットボットがアシスタントのように機能します。例えば、「〇〇会議の議事録を3行で要約して」と指示すれば、要点をまとめたテキストを瞬時に作成します。また、「新製品に関するプレスリリースの初稿を作成して」といった、クリエイティブな文書作成のサポートも可能です。これらの業務をチャットボットに任せることで、担当者はより付加価値の高い仕事に時間を使えるというメリットがあります。ただ、このような高度な機能を実現するには、自社のデータを安全かつ効果的にAIへ連携させる仕組みが必要な点には注意が必要です。

6. 社内問い合わせ・社内ヘルプデスク対応にチャットボットを活用した事例2選

社内の問い合わせ対応に関するよくある課題を解決した実例として、チャットボット導入事例を2つご紹介します。

1.経理部門への問い合わせ対応をチャットボットで代行

導入前の課題 ある企業の経理部門は、社員から寄せられる経理関連の手続きや処理方法に関する問い合わせ対応に課題を感じていました。本業の業務効率低下やリモートワークなどの働き方改革の阻害を招いていました。 導入後の効果 そこで問い合わせ対応にチャットボットを導入したところ、電話問い合わせが3ヶ月で1,000件減少。本業の業務効率が向上しました。代表電話着信が減少したことでリモートワークがしやすくなったことで、働き方改革が促進されました。社員も経理側も解決までの時間が大幅に短縮されました。

2.社内システムに関する問い合わせ対応をチャットボットで代行

導入前の課題 ある国内ロジスティクス事業を行う企業は本社に寄せられる、さまざまな問い合わせに多くの工数が割かれ、回答品質の不均等やFAQも使いづらい状況でした。 導入後の効果 チャットボットを社内ヘルプデスクとして導入したところ、運用開始3ヶ月で、想定以上の平均月1,600件の高頻度の社内利用を達成しました。また社内システムの問い合わせ時間を半減し、満足度70%超を実現しました。

チャットボットの導入事例16選!業界別の事例や導入手順・費用も解説
7. まとめ

現在、社内問い合わせをチャットボットで代行して活用する企業は増えています。

今回ご紹介した2つの事例はどちらも「RICOH Chatbot Service」を導入して成功した事例です。社外はもちろん、社内向けにもおすすめの誰でも使いやすい点を重視したチャットボットです。
部署/業種別Q&Aテンプレートをご用意しているため、スピーディーに運用スタートできるほか、Microsoft TeamsやSharePointにチャットボットを連携させて使用できるプランもご用意しており、社内問い合わせにも有用なチャットボットサービスです。
社内問い合わせ対応の代行手段としてチャットボットを導入する際には、失敗しないためにも、ぜひリコーにお問い合わせください。

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