小売事業者がECで成功するポイントとは?
2020年の新型コロナウイルス感染症の感染拡大から、外出自粛の呼びかけやEC利用の推奨がされましたが、その結果、小売の物販系分野においては大幅に市場規模が拡大しました。
新規参入事業者が多い中、小売事業者がECに取り組む際には、何か戦略的な工夫が必要と思われます。そこで今回は、小売事業者がECで成功するポイントとして、チャットボットの活用についてご紹介します。
現在、小売事業者の多くがECに参入しています。
その背景には、ECの市場規模が新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって伸長したことにあります。経済産業省が出している日本国内の電子商取引の市場規模のデータによれば、物販系分野のBtoCのEC市場規模について、2019年は約10兆500億円だったところ、2020年には約12兆2千億円と、21%近くの伸長率となっています。
また、EC化率(※)も2019年は6.76%、2020年は8.08%と1.32ポイント伸びました。
これは外出自粛要請から、多くの人が自宅にいる機会が増えたことが大きく影響したとされています。
物販系分野で特にEC化率が伸びた商品ジャンルは、「書籍・映像・音楽ソフト」、「生活家電、AV機器、PC/周辺機器等」「生活雑貨・家具」などでした。
※「EC化率」…物販系分野のすべての(ECと実店舗など)商取引金額(商取引市場規模)に対する、電子商取引市場規模の割合
多くの小売事業者がECに取り組む中で成功させるには、ECサイトとしてきちんと機能させ、差別化を図ることが欠かせません。ここでは、成功のポイントをご紹介します。
●丁寧な梱包・迅速な発送・アフターフォロー
ECサイトで重要視される丁寧な梱包・迅速な発送・アフターフォローなどは基本的な施策となります。通常のフローに加えて、お客様に喜んでもらう仕掛けが重要になります。●実店舗と連携させる
実店舗を持っている小売業者は、一つの強みになります。実店舗とうまく連携させることで、実店舗とEC両方の収益アップにつながり、お客様の利用がしやすくなります。例えば、ECサイトで購入した商品を実店舗で受け取る仕組みにしたり、ECサイトで買い物すると実店舗で使えるクーポンを発行したり、実店舗の商品にQRコードを付与し、お客様が店頭でスマートフォンをかざして読み取ることで、ECサイト上の商品詳細情報を閲覧できる仕組みにしたりすること等が挙げられます。
●SNSでのライブ配信など、お客様との接点を作る
多くの小売業者はSNSを活用して商品を紹介するために、ライブ配信するなどして多様な接点を作っています。●問い合わせに24時間365日対応する
ECサイトで何か不明点があったときにすぐに問い合わせに応じられる体制を、24時間365日整えておくことは欠かせません。問い合わせフォームや電話、チャットボットの活用などが挙げられます。●来訪者に積極的にアプローチをして、販売につなげる
最近では、WEB接客はめずらしくなくなってきました。チャットボットを設置し、お客様に呼びかけ、商品案内をすることも可能です。●アクセスログや会話ログからお客様の嗜好や心理を理解する
お客様はどのページに多く、また長く滞在しているのか、アクセスログで確認したり、チャットボットの会話ログデータからどんな質問が多いのか、またどんな商品に嗜好性が高いのかを知ることで、お客様の嗜好や心理を理解できます。その上で施策を作っていくことが可能です。●ファンを作る
一回限りの買い物ではなく、リピーターになってもらうためには、ファンになってもらうことが欠かせません。ファンになってもらうための施策は、梱包やメッセージカード同封、SNSやメルマガなど様々な接点作りによって実現します。
小売業を営む企業が新たにオンラインでの販売チャネルとしてECを導入することには、多くのメリットと、同時に考慮すべきデメリットが存在します。
●EC導入の大きなメリット
最大のメリットは、インターネットを通じて日本全国、さらには海外の顧客にもアプローチできる「商圏の拡大」です。実店舗のように立地に縛られることなく、24時間365日、商品を販売する機会を得られます。 また、店舗運営に関わる家賃や、多数の接客スタッフの人件費と比較して、ECサイトの運営コストを抑えられる傾向にあります。特にモール型ECプラットフォームを利用する方法を選べば、初期のサイト構築コストを最小限に抑えて事業を開始することも可能です。顧客データや購買データをデジタルで収集・分析しやすい点も、マーケティング戦略を立てる上で大きな強みとなります。●注意すべきデメリットと運営の課題
一方で、EC事業を軌道に乗せるためには「集客」という大きな課題があります。特に自社でECサイトを構築した場合、インターネットの広大な世界で自店を見つけてもらうためのSEO(検索エンジン最適化)や広告宣伝活動に、継続的な投資とノウハウが必要になります。 また、モールに出店する方法を選んだ場合、サイト内での価格競争に巻き込まれやすく、独自性を出しにくいという側面もあります。さらに、受注管理、在庫連携、配送といったバックヤード業務の運営体制を整えなければ、顧客満足度の低下に直結します。専門的な知識を持つ人材の確保や、企業としてシステム投資を支援する体制も、EC事業の成否を分ける重要な要素です。
先述の成功ポイントのうち、お客様との接点の一つとなり、疑問を解消する「チャットボット」は、小売事業者がECで成功するためには有用なツールです。
そこで、小売事業者がECでチャットボットを活用する用途を具体的にご紹介します。
●よくある質問を受け付ける
ECサイトで買い物中、「配送料は?」「配送日は?」「この商品のサイズは?」など様々な疑問が生じた際に、ECサイト上に設置したチャットボットで応答することで、問い合わせの手間と時間を削減でき、離脱防止につながります。よくある質問を受け付けることで、ECサイトからの電話・メール問い合わせ対応の工数削減にもつながります。●商品の詳細を紹介する
ECサイトで販売されている商品について、Web上の情報だけでは足りないという場合、商品の詳細はチャットボットに話しかければ、答えてくるようにすれば、お客様はすぐに興味のある商品についての理解を深めることができ、購買促進につながります。●ログを活用してお客様の本音をもとに商品開発&サービス向上
先述の通り、チャットボットの会話はログとして蓄積されていくため、チャットボットそのものの改善のほか、ECサイト上の商品やユーザー体験を改善していくこともできます。サービス向上に役立てられれば、より良きECサイトに成長していくでしょう。それに伴い、売上も伸びていくと考えられます。【関連コラム】 チャットボット(Chatbot)とは?│初心者にもわかりやすく解説 チャットボットの導入事例19選!業界別の事例や導入手順・費用も解説
ECサイトにおけるチャットボットの活用は、単なる「よくある質問への回答」に留まらず、多岐にわたるメリットをもたらします。しかし、その導入と運営には注意点も伴います。
●チャットボット導入がもたらす新たなメリット
既存の機能(FAQや商品紹介)に加え、最新のチャットボットは「カゴ落ち防止」のための能動的な介入が可能です。顧客が購入を迷い、サイトから離脱しそうな動きを見せた際、チャットボットが自動で「お困りですか?」と声をかけ、購入の障壁を取り除く支援をします。 さらに、CRM(顧客関係管理)ツールと連携させることで、単なる自動応答を超えた「パーソナライズされたWeb接客」が実現します。過去の購買履歴や閲覧履歴に基づき、顧客一人ひとりに最適化された商品を提案する方法は、顧客体験を大きく向上させます。●導入前に知っておきたいデメリット
チャットボットの導入効果は、初期の「シナリオ構築」の品質に大きく左右されます。顧客の多様な質問を予測し、適切な回答(対話の流れ)を設計する作業は専門的な知識を要し、大きな工数がかかります。 また、AIが顧客の意図を正確に汲み取れず、的外れな回答を繰り返してしまうと、顧客の不満を招き、企業やブランドのイメージを損なうリスクもあります。導入して終わりではなく、定期的なログ分析とシナリオの改善を続ける「運営体制」の構築が不可欠です。前述にて小売事業者がECでチャットボットを活用する用途について、ご紹介させていただきました。本章では実際にチャットボットを選ぶ際のポイントを紹介します。
そもそもチャットボットには、AI型やシナリオ型など様々な種類があるため、検討をしているチャットボットの種類や機能が、導入目的に適しているのか判断する必要があります。また導入担当者のITリテラシーに合わせて、導入自体が簡単にできるかも重要なポイントです。その他にも本導入前にデモやトライアルが実施できれば、使い勝手の良さを本導入前に把握することができるのでおすすめです。
チャットボットは導入してからのメンテナンスや効果検証が、非常に重要となるため、分析機能が容易にできる、チャットボット販売会社のサポート体制が充実しているかなど、導入後のことを考えておくことで効果的な運用が実現できます。
上記のようなポイントを押さえておくことで、自社に最適なチャットボットを選ぶことができます。
ECサイトにおけるチャットボットの役割は、AI技術の進化とともに急速に変化しています。日本国内だけでなく、海外の先進的な企業も新たな活用法に注目しています。
AIによる高度な「会話型コマース」へ
近年の大きなトレンドは、生成AIの活用による「会話型コマース」の実現です。従来のシナリオ型(決められた質問に答える)とは異なり、顧客の曖昧な要望(例:「友人の引っ越し祝いに、3,000円くらいでオシャレな雑貨」)に対しても、インターネット上の情報やECサイト内の商品情報を基に、人間と会話するように自然な方法で商品を提案できます。 この「対話を通じた購買体験」は、オンライン接客の質を飛躍的に高める可能性を秘めています。多チャネル化とバックオフィス連携
もう一つのトレンドは「多チャネル化」と「システム連携」です。顧客はECサイト内だけでなく、LINE、Instagram、Facebookメッセンジャーなど、普段使い慣れたSNSやメッセージアプリ上で購買に関する相談や質問をしたいと考えています。最新のチャットボットはこれらの多様なチャネルに対応し、顧客との接点を増やします。 さらに、チャットボットが受け付けた注文や問い合わせ内容が、在庫管理やCRM、基幹システムと自動連携する方法も進化しています。これにより、事業全体の運営効率化を強力に支援します。ECに取り組む小売事業者にとって、市場が活性化している一方で、差別化も必要になってきています。そうした中、実店舗とうまく連携しながら、問い合わせ対応やお客様とのコミュニケーションを密にとっていくことで、顧客満足度を向上でき、売上につながると考えられます。
リコーでは、小売事業者様に適したチャットボットサービスをご提供しております。すでに小売事業者様の導入実績も多く、問い合わせ工数削減、売上伸長に貢献しています。素早く手間なく始められる小売事業者様向けQ&Aテンプレートもご用意しておりますので、ぜひサービスページをご覧ください。
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