チャットボット(Chatbot)とは?
初心者にもわかりやすく解説
チャットボットとは、人間に代わりテキストや音声を使って自動で会話を行うプログラムのことです。
企業のDX化やコロナ禍の影響もあり導入の進むチャットボットの仕組みや種類、導入効果、導入事例などを紹介します。
チャットボット(chatbot)とは、「チャット(chat)」と「ボット(bot)」を組み合わせた言葉で、ユーザーからの問い合わせや質問に対して、自動で会話をし返答してくれるプログラムのことです。
チャットボットを活用することで、問い合わせ業務の負荷が軽減されたり、24時間365日問い合わせ対応が可能となるといったメリットがあるため、近年数多くの企業や団体で導入するケースが増えています。またWebサイト上でお問い合わせ対応などを行う「Web接客」のチャットボットのほか、FacebookメッセンジャーやLINEなどのメッセージングアプリにチャットボットを実装するケースも出てきており、カスタマー対応を目的としたチャットボットが注目されています。
AIチャットボットとは?
近年、AI技術の進化に伴い、チャットボットは単なる自動応答ツールから、より高度でインタラクティブなコミュニケーションパートナーへと進化を遂げています。この技術は、クラウドベースのプラットフォームを活用し、一般的に期待されるユーザー体験を支援しています。AIチャットボットは自然言語処理(NLP)を駆使してユーザーの入力を理解し、適切な応答を生成する能力を備えており、この能力によってカスタマーサポート、オンラインショッピング、教育など多岐にわたるビジネス分野での活用が進んでいます。特に、ビジネスの24時間対応や迅速な問題解決を求められる現代において、AIチャットボットはコスト効率の高い支援ツールとして欠かせない存在です。
さらに、機械学習を活用してユーザーの嗜好を学習し、よりパーソナライズされたサービスを提供することが可能です。こうしたトレンドは、今後も進化を続け、私たちの生活やビジネスの在り方を大きく変えることが期待されます。
チャットボットの歴史のはじまりは、1966年に誕生したマサチューセッツ工科大学のジョセフ・ワイゼンバウム氏による「ELIZA(イライザ)」といわれています。
その後、マイクロソフトが1997年3月に「Office97」上にヘルプ機能として「オフィスアシスタント」と呼ばれる、イルカのキャラクターのチャットボットを搭載しました。
2011年には、Appleの「iPhone 4s」に「Siri」が搭載され、2014年にマイクロソフトの「Microsoft Cortana」、2015年にマイクロソフトの「りんな」が登場。2017年にはAmazonやGoogleなどが発売したAIスピーカーにチャットボットを介したコミュニケーションが可能な仕組みを作りました。
近年は、ホームページ上でお問い合わせ対応などを行う「Web接客」のチャットボットのほか、FacebookメッセンジャーやLINEなどのメッセージングアプリにチャットボットを実装する企業も多く、カスタマー対応を目的としたチャットボットが注目されています。
チャットボットの市場規模は近年増加しており、2028年には約1兆8,000万円に達すると予想されており、今後も増加の見通しとなります。対話型AIシステムは2016年頃に国内で登場し、2017年での市場規模は11億円ほどだったと予測されていますので、2017年から2028年までの約10年間で約1,000倍以上の拡大が見込まれる市場となります。チャットボットは日本のみならず、世界的にも注目され拡大している市場で、2016年にFacebook、Google、Microsoftなど、世界的な大手IT企業がチャットボットのAPIを公開してからは多くの企業がチャットボット市場に参入しています。
市場規模の拡大が進むチャットボットが注目される背景として、「働き方改革」の推進、AI・自動化などのDX化の波、コロナ禍の影響による非対面の接触などがあげられます。
チャットボットはAIなどの技術開発により今後も、市場規模の拡大が予想されています。
今よりも自然なコミュニケーションが可能なチャットボットなどが開発され、企業での普及も伸びていくでしょう。
チャットボットの基本機能には、人が返答しているような自然文による応答機能、選択肢を示す機能、有人対応へ切り替える機能、外部システムへの連携機能などがあります。その中の応答機能の仕組みは、ユーザーから質問を受け取ると、入力された質問文に含まれる重要なキーワードを抽出する「キーワード分析」が行われ、次に抽出されたキーワードに紐付く適切な回答を検索する「データベース検索」が行われます。そして適切な回答をデータベースから拾ってきたら「回答文作成」が行われるという3つの手順によって、ユーザーへ回答を返します。
キーワード分析の精度が高いことや、データベースを充実させることにより、チャットボットの回答精度を高めることができ、スムーズな会話が可能となります。
AI型チャットボットの場合は、ユーザーとの会話の中で、自然言語処理、機械学習を繰り返し、質問の意図を的確に分析・判断することができるため、利用頻度が高くなると、より精度が上がっていきます。
チャットボットは先述した通りユーザーからの問い合わせや質問に対して、自動で会話をし返答してくれるプログラムのことで、FAQシステムは、顧客や社内からのよくある質問を整理し、その回答を作成して、検索できるようにしたシステムになります。
チャットボット・FAQシステムともに、ユーザーの疑問を解決するという目的は同じですが、利用方法・回答にたどり着くまでの速さ、回答内容などがチャットボットとFAQシステムでは違いがあります。上記の違いによりそれぞれ適したシーンも違い、チャットボットは主に回答への到達の早さや、問い合わせ対応負荷を軽減したいときに適しています。一方でFAQは長文の回答を要するテーマのときや、回答の早さよりも正確さが求められる場合に適したシステムとなります。
どちらも有用性の高いツールではありますが、自社に導入する際は、メリット・デメリットを加味したうえで、判断することをおすすめします。
チャットボットは、チャット形式でリアルタイムに自動回答をしてくれるロボットで、一般的に、チャットボットというと、そのチャットボットをユーザーに提供する仕組みやサービスのことを指し、インターフェースを意味します。AIとは、「Artificial Intelligence」の略で、「人工知能」とも呼ばれるプログラムのことです。AIは人間の知能と同じように自ら学習し、その学習から得たデータから自ら考えて識別、予測、実行を行うことができます。
チャットボットの中にはAIが搭載されたチャットボットもあり、AI搭載のチャットボットは、ユーザーとの会話を重ねることで、どのような回答が最もふさわしいかを繰り返し学んでいき、まるで人間の知能のように、機械学習したデータを元に、自ら判断して最適な回答を返すので、利用されればされるだけ、回答の精度が上がっていきます。
チャットボットとAIは、インターフェースであるか、プログラムであるかという違いがありますが、上記の通り密接に関係しているのです。
チャットボットの種類には「シナリオ型」「辞書型」「AI型」と大きく分けて3種類あります。
シナリオ型のチャットボットは、想定されるシナリオを準備し、ユーザーに対してそのシナリオの選択肢を提示し、知りたいものを選択してもらう形式です。予め設計されたフローチャートに基づき顧客の質問に回答します。シミュレーションゲームのように選択肢に応じた回答を提供するため、あらかじめ質問が想定しやすい、商品説明や取り扱い説明書に適しています。
辞書型のチャットボットは、ユーザーが知りたい質問文をフリーワードで入力すると、質問文を解析してあらかじめ用意された「辞書」から回答を表示します。この仕組みは、ユーザーが具体的なキーワードを入力することで、必要な情報を迅速に取得できるというメリットがあります。フリー入力に対応しているため、選択肢が限られることなく、ユーザーの多様なニーズに応えることが可能です。ただし、事前に登録されたキーワードに依存するため、対応できる質問には限界がある点がデメリットとなります。
AI型のチャットボットは、ユーザーが質問文をフリーワード入力すると、過去に複数のユーザーと会話を行った記録が蓄積されたログをAIが解析し、適する回答を返します。AIは対話ログを機械学習していくため、学習が進むことでユーザーが求める回答により近づいていきます。特に、問い合わせ内容が多様で複雑な場合において、その柔軟性と適応力が大きな強みとなります。
導入するチャットボットの種類によって、費用対効果も変わることもあるため、選定の際はどのチャットボットが自社に最適なのか比較することが重要となります。
チャットボットを導入する企業側のメリットには、チャットボットがユーザーからの質問に自動で返信するため、カスタマーサービスの担当者の負担を軽減し、業務効率化を実現したり、24時間365日の顧客対応、品質が統一されることによる顧客満足度の向上などがあげられます。
また、チャットボットを通じて蓄積されたデータは、企業のマーケティング戦略やサービス改善に活用できます。ユーザーの問い合わせ内容や行動パターンを分析することで、より的確なサービス提供が可能となり、ビジネスの成長につながります。これらのメリットを最大限に活用することで、企業は競争力を高めることができるでしょう。
ユーザー側のメリットとしては、24時間365日いつでも問い合わせ対応でき、すぐに回答が得られることや、自分で調べると時間がかかってしまう検索行動も、チャットボットであればすぐ回答を返してくれる点などがあります。また、手軽かつ気軽に問い合わせできるてっもユーザーとしては助かる点です。ユーザーの中には、電話で話すのが苦手だったり、問い合わせフォームに名前やメールアドレスを入力するのに手間を感じたり、個人情報を送る必要があったりと、何かとハードルを感じがちです。その点、チャットボットは、文字入力や選択だけで、個人情報の入力は不要なことから、問い合わせハードルが下がります。
チャットボットの導入効果には、「24時間の顧客対応可能」「省力化・コスト削減」「対応品質を一定に維持できる」が挙げられます。
さらにこういった顕在化した業務課題を解決できることに加えて、技術力の進歩によるチャットボットの機能性の向上が注目を浴びています。その機能がAI (人工知能)であり、自然言語の理解やディープ・ラーニング(機械学習)などの複雑な処理を可能にしたことで、AIを搭載したチャットボットは質問内容を機械学習していくことでよりユーザーが求める回答を返答することができるようになっています。
チャットボットは導入効果の高いツールですが、自社にあったチャットボットを選択した上で、有人対応をうまく組み合わせていくことでより効果を発揮できる可能性が高まります。
チャットボットは、人件費削減、対応品質向上、お客様満足度アップ、顧客接点機会増、業務効率化などのメリットが注目され、人手不足や長時間労働などの問題解決につながるということで導入企業数が増えているツールです。そんなチャットボットですが、導入する際には思ったような効果が出ないなどの失敗をしないよう、いくつか注意をすべき点があります。
チャットボット導入の際の注意点として、最も気を付けるべきは、「回答精度の低いチャットボットにはお客様と会話をさせてはいけない」という点です。チャットボットは、店頭でお客様に声をかける接客担当のような役割を果たすため、ユーザーの求める回答を出すことができなければ導入の意味がなくなってしまいます。また管理画面の見やすさ、使いやすさとともに、質問と回答内容の管理がしやすいか、ユーザーからの問い合わせ内容の確認ができるかなど、分析やチャットボットの教育機能がついているか、事前に確認しておくことが重要となります。
チャットボットは今まで有人で対応していた問い合わせ対応業務などを代替することででき、人件費の削減につなげられる可能性があります。しかし、チャットボットの導入には費用が掛かりますので、導入前にコスト面について知っておくと良いでしょう。
チャットボットの導入にかかる費用の内訳として、「初期契約費用」「運用費用」「その他の費用」の大きく3つに分かれます。
また価格の違いによって設定できるQ&Aの数や、個別のカスタマイズ開発など、できることが異なります。
チャットボットは安価なものから高価格なものまでさまざまな種類がありますので、導入の際に比較する場合は、価格のみで選ぶのではなく、自社の利用目的を踏まえて必要な機能が何か、導入することでどのような効果があるかを検討した上で選定することをおすすめします。
チャットボットはAPIという仕組みを使うことで、外部ツールと連携させることができます。例えば、LINEやFacebookメッセンジャー、Microsoft Teamsなどのビジネスチャットツール上に、自社のチャットボットを設置し、展開することができたり、kintone やChatGPTと連携させることで機能を拡張することができます。
そもそもAPIとは「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の頭文字を取ったもので、インターフェースとは、「何かと何かをつなぐもの」という意味があります。つまりAPIは、アプリケーションとプログラムをつなぐ役割をするものです。
チャットボットを社内で使用しているツールと連携させることで、相互で利便性を高めることで作業を効率化し、生産性を高めることができ、利用自体のハードルをさげることにもつながります。
チャットボットは、企業や教育機関、自治体などでお客様からの問い合わせ対応の用途で利用されることが一般的です。
導入することでどのような効果が出ているのか、チャットボットを実際に導入した企業や組織の導入事例をご紹介します。
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大学での導入事例
“福岡教育大学様”の
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自治体での導入事例
“大阪府消費生活センター様”の
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コールセンターでの導入事例
“リコージャパン”の
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建築業での導入事例
“東レ建設株式会社様”の
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チャットボットお役立ち資料
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- チャットボットの種類とそれぞれのメリットデメリット
- チャットボットサービスを正しく賢く選ぶコツ
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