更新日:2020.05.11
チャットボットを導入する企業が増えている
BtoC、BtoBを問わず、Webサイトを見ていると画面右下あたりに「お困りのことはないですか?」などとチャットツールがポップアップしてくることが多くなりましたよね?
あれは、「チャットボット」と呼ばれるツールがWebサイトに導入されている場合に出てきます。
Webサイトに来訪してくださるユーザーの中には、掲載されている情報やサービスに興味をお持ちいただけた場合でも、「資料請求などを行うと、しつこく営業電話やメールがきそうで嫌だな」と考え、少し迷いながらも「ま、今回は問い合わせまではしなくていいか」とWebサイトから去ってしまう方も多いでしょう。
このユーザーに「お知りになりたいことは何ですか?」「ご要望の商品の在庫について、この場で調査可能です!」など、あたかもその場に営業スタッフや店員がいて、接客をしてくれているようにチャットでアプローチをしたらどうなるでしょうか?
「あ、自社名や自分の名前も明かさずにいろいろ調べたり教えてくれたりするのなら、ちょっと聞いてみようかな?」となりますよね?
チャットボットを導入する企業・Webサイトが爆発的に増えている要因の1つは、この「気軽に各種質問をしていただけますよ」という演出を行い、ユーザーとの接点を匿名で展開できることといえるでしょう。
たとえば「すぐに購入や問い合わせをするつもりはなかったけれど、欲しい量の在庫がギリギリみたいなので、正式な見積もりを取り寄せてみようかな」などと見込客の心を前向きに変えることができることは大きな魅力です。
このように最近はチャットボットを見かける機会が多くなっていますが、人であってもチャットボットであっても"接客"には変わりありません。スクリプトとシナリオの違いを意識したことはありますか?
オペレータが話すスクリプトと、チャットボットのシナリオに違いはあるの?
でも、実際にチャットボットの導入検討段階に入り情報を検索してみると、「チャットボット導入時のシナリオ設計が難しい」という記事にいきあたり、不安になる方も多いようです。
チャットボットのシナリオ設計とは、
・こういうお客様がいらしたら、このようなお声がけ(チャットでのポップアップ)をしよう
・この質問が来たら、この答えを出そう
・チャットボットで対応しきれない質問が出た場合には、またこの質問をこちらからしなおそう
などのように、「この質問、この場面ではこのような対応をする」という質疑応答の会話フローを検討し、チャットボットの管理画面上でそのフローを登録することです。
あまりデジタルツールを使い慣れていない方にとっては、「管理画面」で「フローを登録する」といわれると身構えられるかもしれませんが、ご安心ください。そんなに難しいことではありません。
チャットボットのシナリオ設計例を見てみましょう。シナリオ設計をする際には、「見込客からお問合せが入った際にコールセンターのオペレータが応対する内容」をイメージすればよいのです。
例えば法人向けパソコンのECショップにお問合せ電話が入ったとしましょう。オペレータは「こんにちは。今日はどのような商品をお探しですか?」と聞きますよね?
続いて、「デスクトップパソコンと液晶モニタですね。ご予算はお決まりですか?」「必ずご利用になりたい機能などはありますか?」などと質問を投げかけます。
「A社のデスクトップBとC社の液晶モニタDですね。液晶モニタには今回選択していただいている画面に光沢があるDタイプと、光らないタイプのEがありますが、どちらがお好みですか?」「短納期でのお届けをご希望の場合はプラス1万円かかってしまいますが、よろしいでしょうか?」
というように会話を続けるはずです。チャットボットのシナリオ設計も同様です。電話口でオペレータがお客様とやりとりするスクリプトを想定し、管理画面でその会話の流れを登録しておけば良いだけなのです。
シナリオ設計とは、「オペレータがお客様と商談や会話をする流れを想定し、いくつかのパターンに分けて登録しておくこと」だと捉えれば、難しくはありませんね。
オペレータとチャットボット、シナリオの違いは何処に出る?
たとえば、質問者のスキルが高い場合と、そうでない場合の回答では、相手に伝わりやすい表現が違います。オペレータは同じ質問が来ても相手に合わせて回答に使う表現を変えることができますが、チャットボットの場合はできません。そのため、常にどんなスキルの質問者でもわかるような回答を用意しておく必要があります。
とはいえ、相手に合わせて表現を変えるために、スクリプトを何通りも用意していることはあまりないでしょう。そこはオペレータ自身の経験と知識に依存します。
知識や経験によって接客内容やレベルに大きく影響してしまうオペレータに対し、チャットボットの対応レベルは全て均一になりますので、不慣れなオペレータだとなかなか回答できないような難しい質問でも、すぐに回答を示すことができるのがメリットですね。
また、チャットボットは「24時間365日疲れたり風邪をひくことなく働き続けることができる」優秀なスタッフです。先ほどのシナリオ設計さえしっかりと行っておけば、常に高いパフォーマンスを発揮し続けてくれます。
実はここまでは「営業シーンにおける接客をチャットボットに代行させる」というイメージでお伝えしてきましたが、最近チャットボットを社内用途でイントラネットなどに導入する企業も増えてきました。
例えば企業の総務部や社内コールセンターには毎月何十回も「経費精算の際に添付が必要な書類は?」「定期券支給区間を含む電車移動を行ったけど、その場合の申請方法は?」などの簡単な質問が寄せられたり、「子供が海外に留学することになったけど、扶養手続きはどうしたらよいの?」などの慣れていない担当者では即答しかねるような難しい質問も飛んできます。
単純な質問にわざわざ「人間」が時間をかけて返答しているのも生産性が低くなりますし、一方、難しい質問にはかなりのベテラン以外は即答できないでしょう。つまり、オペレータがスクリプトを基にすべての質問に応対することは生産性低下につながりやすいのです。
チャットボットでは解決できない質問がある場合のみ、総務部や社内コールセンターの電話が鳴ったりメールが飛んできたりする、という仕組みを作れば、総務部の生産性は格段にアップし、毎月末月初の残業時間も大幅に削減できることでしょう。
「でも、FAQページを充実させておけばチャットボットを導入しなくても事足りるのでは?」と考えられるかもしれませんが、その違いは、歴然です。FAQは、疑問に関して書かれているクエスチョンを「自ら見つけ、答えを見つける」ということがユーザーに求められますが、チャットボットの場合は、チャットの質問に返答していけば、「ほぼ自動的に」答えに導くことができるのです。
つまり、ユーザーのリテラシーや情報検索能力によることなく、しっかりと疑問解消することができるという点で、FAQよりもチャットボットのほうが利用ユーザーの満足度を高めやすいのです。
チャットボットはシナリオ設計さえしっかりとしておけば、見込み客や社内からのほとんどの質問に的確に答えたり応対したりすることが可能です。人材採用難のこの時代、また働き方改革を推進していく必要がある今、貴社業務を大幅に効率化できる可能性のあるツールです。
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