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Webマーケティング実践のためのウェブ活用ラボ | コラム | 中小企業のIT化の現状と今後の課題

中小企業のIT化の現状と今後の課題

中小企業の景況感は改善傾向にありますが、生産性の伸び悩みに加え人手不足が深刻化しています。そうした中で、労働生産性を向上させるための取り組みとして、ITの利活用があります。

更新日:2020.01.09

中小企業のIT化の取り組みの現状

中小企業の景況感は改善傾向にありますが、生産性の伸び悩みに加え人材不足が深刻化しています。そうした中で、労働生産性を向上させるための取り組みとして、ITの利活用があります。
2017年には、中小企業におけるIT導入補助金制度がスタートし、事業者の業務効率化や売上アップのためのITツール導入支援も始まっています。
 

ITの利活用の現状

中小企業白書によると、中小企業におけるITの利活用状況で「十分活用されている」と答えられたのは、一般オフィスシステム(Word、Excelなど)と電子メールで55%、給与・経理ソフトで40%でした。しかし、ERP(統合基幹業務システム)やEDI(企業間の電子データ取引)では20%と導入は遅れており、まだまだ活用度合いを上げる余地は十分に残されています。
 
業種別の調査では、受発注と在庫などの管理システムは製造業と卸売業・小売業での導入比率が高く、さらに卸売業・小売業は顧客管理の比率も高いようです。また、従業員規模別に見ると、従業員数が多いほどITの利活用度合いが高いことが分かりますが、残念ながら「ITを導入し期待した効果を得られている」との回答をした企業と従業員数には相関関係は無さそうです。
 
ITの導入・利用を進めようとする際の課題を回答比率の高い順に見ると、「コストが負担できない」と「導入の効果が分からない、評価できない」が約3割と高く、次いで、「従業員がITを使いこなせない」が約2割と続きます。
 
中小企業がITの利活用度合いを高めるための最大の課題がコストです。しかし、クラウドサービスなどの活用により、初期費用・月額利用料を下げることができれば、大いに活用度合いが高まるでしょう。
 
従来のオンプレミス型のITサービスは、初期費用が数百万、数千万円とかかることもざらでしたが、クラウド型のITサービスは、初期費用・月額利用料共に数千円からせいぜい数万円という金額帯で利用できることが多いため、中小企業がIT化を実現しやすいのです。

中小企業がITを使いこなすためには、何が必要か?

仮にクラウド型のITサービスを使うことによりコストの問題が解消されたとして、中小企業がITを使って業務効率化を行うためには、他にどんな要素が必要でしょうか?
最初に考えられるのは、「一度入力したデータを再活用できること」と言えます。ある作業で入力したデータと同じデータを別の作業で入力していては、業務効率は上がりません。
 
例えば、営業部がお客様企業に提出したご提案書・お見積書が無事に受注できたとしましょう。取引スタート後に経理部が請求書を作成する際に、またイチから先方企業名・摘要、金額などを入力し始めるのではなく、お見積書に記載している情報をそのまま利用できれば、効率が上がります。
 
次に考えられるポイントは、導入するITツールを活用することで、社内の業務フローが簡潔かつスピーディに進むようになることです。
 
例えば、「お客様に送付するための請求内容を業務部が作成し、経理部に請求書作成を依頼、経理部は社長や管理部長にその請求書の承認を得て、承認獲得後改めて請求書をお客様企業に送付する」という業務フローにおいては、クラウドのITツールを活用して全てを電子データ化すれば、業務フローにおける各担当者が社内にいなくても出張先や出先から業務を進めることができるのです。
 
一度入力したデータの再活用と、クラウド型のITツールの活用により業務フローを円滑に流すことができれば、利便性が高まり、労働生産性はかなりアップすることができそうですね。

ITツール同士の連携可否や相乗効果を検討してから導入をするべき

中小企業がITの利活用度合いを高めて生産性をアップしようとする場合には、各ツール単体における機能だけでなく、そのツール同士が連携して使えるかどうかをしっかりと考えてから導入されることをおすすめします。
 
例えば、クラウド会計システムを導入される場合は、社内システムとネットバンキングとの連携ができれば、会計業務の効率化だけでなく、支払業務の効率化にもつながります。 また、バックオフィス系の管理業務だけでなく、見込客発掘や営業活動などのフロント業務においても、ITツールの連携や同時利用による相乗効果創出ができるとなおさら良いでしょう。
 
フロント業務におけるITツール利用の相乗効果とは、具体的には、
・見込客を発掘するためにWebサイトを構築する
・Webサイト上でお客様との接点を増やすためのチャットボットを利用する
・Webサイト上の見込客の活動履歴を把握・分析してHOT化したお客様を抽出する
・上記の結果契約を獲得できたお客様への請求書を作成する
などのプロセスにおいて、利用している各ツールで使っている顧客情報などを共有するということです。
 
Webで収集した見込客情報が自社のデータベースに自動登録され、その見込客が取引先になった際にそのまま取引先データベースに情報が引き継がれ、請求書作成に使えるなどの連携ができれば、よりスムーズに業務を進めることができるようになるはずです。
 
リコーでは、中小企業の現場における業務効率化、生産性向上などの課題における業務改善を支援するためのITツールを数多くご提供しています。
もしご興味をお持ちいただけるようでしたら、以下ITツールの機能をご確認ください。
 
1. 見込客の購買意欲醸成活動・・・チャットボット
2.請求書入力業務・・・クラウドOCR
3.請求書発行/消込業務・・・MakeLeaps
 
複数のITツールを活用し、連携効果や相乗効果を得ることができれば、中小企業の生産性向上が実現し、労働人口減少への対応もできることでしょう。