従業員満足度向上は、企業の利益に直結する!
最終更新日:2021-11-05
 

「従業員満足度(ES)」とは、企業の「福利厚生」「マネジメント」「職場環境」「働きがい」などについての社員の満足度を表す指標です。
英語では「Employee Satisfaction」と表現され、略して「ES」とも呼ばれています。

 

 従業員満足度に大きな影響を与える5つの要素

 従業員満足度を向上させるために、企業、そして担当者はいったい何をすればよいのでしょう。
 一般的に従業員満足度に大きな影響を与えるものとして、次の5つの項目があげられています。

 
  • 1. 企業ビジョンへの共感
  • 2. マネジメントへの納得感
  • 3. 自身の仕事が会社の業績や社会に与える影響
  • 4. 職場の人間関係
  • 5. 快適な職場環境
 
 

(1)企業ビジョンへの共感

 企業ビジョン」への共感は、その会社での働きがいに大きな影響を与えます。社員が「会社に期待感が持てる」「会社の一員であることに誇りを持てる」ことになれば、自社への貢献に寄与してくれるでしょう。
 そのためには会社が目指すビジョンやゴールの姿が、社員一人ひとりまで行き届いているかが重要になります。

 

(2)マネジメントへの納得感

 上司や管理層によるマネジメントへの納得感は、従業員満足度に大きく影響します。
 部下の考えを理解したコミュニケーションが取れていたり、部下の仕事ぶりを把握して、きちんと称賛したりしている上司がいる部署のメンバーは、従業員満足度が高くなります。
 逆に上司のマネジメントに納得ができないと満足度が低下し、結局離職に至ってしまう傾向があります。
 上司のマネジメントが原因の退職は、そのまま上司自身のマネジメントの能力不足が原因です。このような場合は、早急に上司側のマネジメントを改善しなければ同じような要因で離職が続くことが考えられます。

 

(3)自身の仕事が会社の業績や社会に与える影響

 自分の仕事が会社に良い影響を与えていると感じられることは、満足度の向上につながります。逆に「貢献できていない」「影響を与えられていない」と感じる社員は従業員満足度が低くなる傾向があります。
 ただ仕事内容によっては貢献度が見えにくいこともあるので、こうした社員に正当な評価を与える制度作りや上司等の存在が大切になります。

 

(4)職場の人間関係

 内閣府が行った2017年の「子供・若者の意識に関する調査」によると、「職場の人間関係」が離職理由の上位であることが判明しました。
 社員の多くは、1日のほとんどの時間を職場で過ごしています。
 その職場において人間関係が悪化すれば、大きなストレスとなり、満足度の低下に直結します。

 

(5)快適な職場環境

 社員が活用しやすい福利厚生や、働きやすく、私生活も充実させられるような就業規則は、従業員満足度を向上させるために必要です。
 ただ、単に福利厚生や就業規則を整備すればいいというわけではありません。きちんと社員のニーズを捉え、ワーク・ライフ・バランスを実現できているかの観点で、施策を立案することが必要になります。

 

 

従業員満足度の向上がもたらすメリット

 
 

 従業員満足度の向上は企業にとって大きなメリットがあります。

 

モチベーションと生産性の向上

 仕事へのやりがいを感じている社員は自ら率先して働くようになり、当然パフォーマンスも向上し、生産性も上がります。

 

優秀な人材の定着が促進

 従業員満足度が高い企業は、当然、社員が働き続けたいと感じるようになります。そのため優秀な人材の定着が期待できます。
 優秀な人材の存在は仕事のクオリティに直結し、企業の評価も上がります。

 

 逆に従業員がすぐにやめてしまう企業は、採用に大きなコストをかけ、教育してもやめてしまうため、コストも負担になります。従業員満足度を上げることで優秀な人材が定着してくれれば、これらのコストを抑えることもできます。

 

顧客満足度の向上

 従業員満足度の高い企業の社員は自社への愛着や帰属意識が高く、商品やサービスをより深く理解しています。そのためサービスや商品の質が向上し、顧客満足度も高まります。
 顧客がサービスに満足すれば、口コミや紹介などでさらに業績の向上が期待できます。

 

 

従業員満足度が低い職場で起こること

 従業員満足度が低い職場ではどのようなことが起こるのでしょうか。

 

 まず、コミュニケーションが消極的になります。
 コミュニケーションの欠如によって、報告・連絡・相談のしにくい環境が生まれます。
 社員の視野も狭くなり、自分の業務にしか関心を持たなくなり、上下左右の協力体制がなくなる、という悪循環に陥ります。
 こうなると、困っている人、悩んでいる人はますます孤立し、職場に活気がなくなり、不満だけが増えやすくなります。

 

 また、そのような職場環境では、業務改善に対する意識も低くなり、非効率的な業務もそのまま放置されがちです。
 改善がない非生産的な現場からは、良い製品やサービスが生まれず、企業評価も下落してしまうことが懸念されます。

 

 

まずは社員の意識調査で現状を把握

 

 従業員満足度を向上させたいと思っても、いったいどこから手を付けてよいのか分からないという場合もあるでしょう。
 まず行いたいのは、社員の意思を調査し、現状を把握することです。
 例えば社員にアンケートを行い、まずは次のような事柄を把握するようにしましょう。

 

・経営層の評価・不満
・制度の評価・不満
・仕事への満足度・不満足度
・上司の評価・不満
・同僚・部下の評価・不満
・職場の環境面の評価・不満
・福利厚生の充足度・非充足度

  

 従業員の高齢化と少子化の加速が止まない日本では、「人材の確保」が喫緊の重要課題です。そのため、離職率を下げるための取り組みはバックオフィスの担当者にとっても最重要テーマではないでしょうか。定期的に従業員満足度調査を実施し、企業存続のため改善を検討することは今後の貴重な指標となるでしょう。