経理担当者が困る−こんな領収書は嫌だ
 作成日:2021-01-11
 最終更新日:2021-11-05
 

「こんな領収書は嫌だ」−−経理や総務の皆さんなら一度ならずこんな風に思われたことがあるでしょう。
実際のところ、嫌だというより「この領収書じゃまずいでしょ」「通らないよ」というのがほとんどです。そのたびに注意をしますが、それでもなくならないダメ領収書。今回は、他の部署の方に認識していただくという意味も込め、その典型的な例をまとめてみました。

 

NGな領収書

 

社名が違う 宛名が「上様」

 

 領収書の宛名が間違っていることがよくあります。別の社名などになっている場合は別ですが、宛名が少し間違っているため領収書として無効になるということはなかなかありません。それでも税務署の調査などが入った時、「社名が違うというのは、他社の人がもらった領収書を融通してもらったのでは」などと疑われる可能性がないわけではありません。  同じ理由で「上様」も避けたいところです。社名間違い以上に誰にあてた領収書か不明であるからです。

 

発行元の住所や連絡先が不明

 

 領収書は、金額、宛名とともに、領収書を発行した側がだれであるかがしっかり記載されていることが大切です。社名(店名)、住所、電話番号なども必要ですが、たまに店名しか記載されていない場合があります。
 発行元の連絡先は、もし税務署の調査で必要となった時、連絡が取れるということ。
 連絡先がなくても法的に無効になるということはありませんが、連絡先がないということは、発行元に連絡先を記載したくない理由があるのか、あるいは領収書自体が偽物である、といった疑いをもたれても仕方がありません。

 

印鑑が押されていない

 

 レシートがあるにも関わらず、わざわざ領収書を発行してもらう。その理由は、領収書の方が書類としての信用度が高いから、という理由があります。その信用の元となっているのが、一つに領収書に押された印鑑の存在です。
 ただ、煩雑な作業を嫌ったり、そもそも精算機から発行されるような領収書の場合、印鑑がない場合も多々あります。もちろん印鑑がないために法的に認められないということはないのですが、できればきちんと押捺してもらうことを習慣化したいものです。

 

金額の数字のカンマがない、位置が違っている

 

 手書きの領収書に金額を書き入れる場合は、通常3桁ごとにカンマを入れます。これは数字を読みやすくする意味もありますが、改ざんを防止する役割もあります。カンマがない場合、数字の前後に別の数字を書き込めば、一気に十倍の金額にすることもできるからです。

 

 しかしせっかくカンマを入れたのはいいのですが、位置が違っているという場合もまれにあります。
 これは困ります。数字を信じればいいのか、それともカンマを信じればいいのか。
 下手をすると、あとから数字を書き入れたのではという疑いを持たれる可能性もあります。
 領収書を必ず取った時点で必ず確認し、カンマもきちんと入れてもらうようにしましょう。

 

 同様に「¥」や「‐(ハイフン)」を数字の前後に入れておくことも大切です。
 前後を「¥」や「‐」で挟み込んでおくことで、あとから数字を書き込むことができなくなり、改ざんを防ぐことができます。

 

印鑑が押されていない

 

 まれに、「領収書」をお願いすると白紙の領収書を渡されることがあります。
 宛名も金額も書いていない、発行元の店名や連絡先の印鑑だけが押してあるだけの領収書です。

 

 これで清算などを行う場合には、自分で内容を書き込むということになるわけですが、正直に払ったお金を記載していたとしても、この行為自体、偽造を疑われても仕方がないものです。
 領収書は、お金をもらった側が書くという大原則があります。そこにもし、払った側の筆跡で項目や金額が書かれていたとしたら。これは許されないことでしょう。

 

 こうした白紙の領収書では清算しない、あるいは領収書に勝手に書き込むのではなく、付せん等に目的や金額を書き込んで経理と相談するような手段も必要でしょう。

 

大きな会社(店)で、金額も大きいのに市販の領収書

 

 これは書式うんぬん以前の話。決していけないというものではないのですが、金額も大きく、名の通ったお店や会社が発行した領収書にも関わらず、文房具屋さんで先ほど買ってきましたといった風情の市販の領収書である場合。
 きちんと社名、金額、但し書きもあるものの「これ本物?」と思ってしまいます。

 

但し書きが「お品代」

 

 領収書には金額の下に「但し書き」を書き込む欄が用意されています。
 この但し書きを「お品代」とするのは、できるだけ避けましょう。
まず「お品代」では受け取り手である経理の担当者が困ります。品代のみではそれが「文具代」とか、「飲食代」なのかさえ分かりません。最悪の場合、項目を隠したいのではないか、と税務署に疑われてしまう可能性もあります。
 もちろん複数のモノを購入した場合、一つの項目にまとめるのは困難な場合もありますが、その場合も、できれば代表的な品ものについて、項目をきちんと記載するようにしましょう。

 

 ちなみに、但し書きについてですが、一般的に下記のような分類ができます。ご参考まで。

 
  • 飲食店で支払った料金⇒飲食代、飲み物代(参加人数、できれば社名や名前も記入しておけば完璧です)
  • 事務用品やオフィス関連の備品⇒消耗品費
  • 本や雑誌⇒書籍代(書籍のタイトルを記入しておきましょう)
  • ティッシュペーパー、タオル、石けんなどの日用品、ノート、ペン、ファイル⇒文房具代もしくは消耗品費
  • 切手、はがき、電話料金、インターネット料金⇒通信費
  • 通勤費、運賃、駐車場代、宿泊費⇒旅費交通費
  • お中元、お歳暮、冠婚葬祭の引き出物⇒ギフト代