サテライトオフィスを活用した新しい働き方
最終更新日:2021-11-05
 

ニューノーマルの時代は、これまでより柔軟な勤務スタイルにシフトするといえるでしょう。オフィス勤務や店舗勤務に加えて、在宅勤務、サテライトオフィス勤務などそれぞれの環境で、より安全、快適に業務を行える環境が求められます。
今回はサテライトオフィスの特徴やメリットについてご紹介します。

 

サテライトオフィスってそもそもどんなもの?

 

 働き方改革という言葉がずいぶん身近な言葉となりました。
この働き方改革の目的とされているのは次の2点です。
 
 ・労働生産性の向上
 ・多様な働き方の促進
 
 この2つの目的のために、多くの企業がテレワークやリモートワークなどを積極的に取り入れるようになってきました。場所を選ばず、通勤などの「無駄」で「疲れる」時間をなくすことで、多様な働き方、生産性の向上を実現するのが大きな目的ですが、同じ目的を持つ試みとして「サテライトオフィス」にも注目が集まっています。
 皆さんも「あぁ、会社(本社)以外の仕事拠点でしょ」といった認識はすでに持たれていることと思います。
 
 サテライトオフィスがこれまでの支社、支店と異なる点は、より小規模な営業所であるという点です。会社の小型版を地方などに作るというのではなく、もっと働く人の環境に合わせた、小回りが利く働く場所です。
 

 

サテライトオフィスにはどんな形がある?

 

 サテライトオフィスには、働く人の事情に合わせた次のような形があります。

 
  • 都市型=外回りの営業がわざわざ本社などに帰社せず仕事ができるように主要拠点となる場所。最も支社の概念に近いもの。
  • 郊外型=ベッドタウンに置かれ、通勤時間の短縮を図ることで、介護・育児との両立が目的となり、より多様な人材に働いてもらえるようになる。
  • 地方型=都心部でなく地方に置かれた仕事の拠点。郊外型と同様、多様な働き方が可能となるうえ、自然に囲まれた環境で働くことも可能となる。地方の雇用促進にもつながることから、地方自治体が誘致を行っているケースも多い。
 

 それぞれ、サテライトオフィスの配置によって、少しずつ異なるメリットがあります。会社側の都合にもよりますが、それぞれのめメリットの中で、現在や将来的にメリットの大きいスタイルを選択していけることが、上記の2つの目的に近づいていくことになります。逆にこうした環境を実現できない企業には、今後、優秀な人材が集まりにくいともいわれています。

 

 

サテライトオフィスの利点

では、サテライトオフィスにはどのようなメリットがあるかを、その立地の違いによって見ていきたいと思います。

 

「都市型」「郊外型」のメリット

  • 通勤時間の削減・時間の効率化

 「都市型」「郊外型」は職住近接を実現するものですが、顧客の近くにオフィスがある、というケースも作り出します。その場合、通勤時間や移動時間を大幅に削減することができます。
 

  • コストの削減

通勤・移動時間の削減は同時に交通費の削減につながります。また「わざわざ帰社」ということをなくせば、残業代の削減にもつながります。
 

  • 生産性の向上

通勤や移動の時間が減ると、その分を本来の業務に充てることができるので、自然と業務に対する拘束時間が減少します。空いた時間をプライベートに活用することも可能で、従業員満足度も向上します。
 

  • 多様な人材の確保

職住が近接することで多様な働き方の実現が可能となります。これまで子育てのために退職していた方やなどにも働いていただけるようになります。
 

  • 「シェア」することで新しいコミュニティが生まれる

  近年、企業が単独でサテライトオフィスを構築するのではなく、その地域の人が室内を共同でシェアする形態も増えています。そのため、これまでに接点のなかったさまざまな人と接する機会が増えます。当然、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性も考えられます。

 

「地方型」のメリット

 
遊歩道を散策する女性
 
  • 素晴らしい環境で働ける

 地方型、つまり地方のサテライトオフィスで働くことの大きな利点は、その環境の良さにあります。都会に比べ豊かな自然の中で働くことができ、もちろん子育てなどの面でも、素晴らしい環境の中で行うことができます。ストレス軽減にもつながる可能性も大きいでしょう。
 

  • 地方創生に貢献できる

 高齢化、人口の減少、産業の停滞に苦しんでいる地方に貢献をすることができます。
 

  • 多様な人材の確保

その地域に根ざすことで、その土地での就業をめざす人を確保することが可能となります。
 

  • 災害時のリスク分散

 勤務地が分散することで、業務機能も分散され、災害時に機能が停止するリスクが軽減されます。

 
 

サテライトオフィスの課題

 

コミュニケーションや情報共有

 シェアオフィスでは、これまで行われていた会議や営業等の活動も、テレワークが導入されます。この場合、どうしてもコミュニケーション不足や、情報共有のしにくさが課題として取りざたされます。「テレビ会議では世間話ができない」という話もありますが、この世間話が次のビジネスヒントや開発のきっかけを生むことも多く、決して無視できない課題です。
 現在、コミュニケーションや情報共有を行うためのさまざまなツールが登場していますが、まだ決定打は現れていないようです。  

 
 
 

セキュリティの問題

  サテライトオフィスでは、当然、情報が「本社」以外にも分散されることなり、セキュリティ面に心配もあります。現在、情報にアクセス権をもうけ、重要な情報は本社でしか見られないようにするなどの方策も行われるようになってきています。

 

運動不足

 直接、業務に関係がないため見逃されがちですが、通勤が移動の時間が減ることで、運動不足になるケースが多いようです。これまで自然に通勤で歩いていた、立ち働いていた運動が減り、健康面での影響も考えられます。今まで以上に、意図的に身体を動かすことが求められます。

 

 

サテライトオフィスを導入している例

 大きな会社ほど、サテライトオフィスなど考えづらいのでは?と思いがちですが、実は大手企業のサテライトオフィス活用はかなり進んでいます。

 

 例えば富士通はその代表的な例。
 全国に郊外型サテライトオフィスを設置し、社員の業務効率化を図っています。
 富士通では、2017年に、はやくも自宅でも仕事ができる「テレワーク勤務制度」を導入。さらに本社内・事業所内にサテライトオフィスの基礎となるフリースペースを設置しました。これは出張で別の事業所へ行く社員から「出張先でも仕事ができるような場所がほしい」という要望に応えるために行われたものです。
 富士通はもともと全国に事業所を持っているため、結果的にはこれが自宅や出張先だけでなく、顧客先への移動中にもオフィスと同じように仕事ができるサテライトオフィスの環境を提供することとなりました。

 

 リクルートホールディングスは、従業員一人が働き方を柔軟に選択できるよう、オフィス以外の場所でも仕事ができるよう「リモートワーク」を全従業員に導入。そして働ける場所の選択肢を増やし移動時間を削減し業務効率の向上につなげるため、サテライトオフィスを東京近郊に35カ所設置しています。
 ほかにも、富士ゼロックス、NTTグループ、鹿島建設、内田洋行、サントリーホールディングス、住友商事などそうそうたる企業が、サテライトオフィスを積極的に進めています。

 

 今後、人口が減少し、企業にとって人材の確保がますます難しくなる状況が予想されます。こうした中、多様な働き方を可能とするサテライトオフィスやテレワークの世界はますます必要とされてくるでしょう。
 逆に言えば、これを意識しない企業は人材が集まらないということも考えられます。
 これまで就職先に求められてきた福利厚生、企業の安定度、給料などと同じように、多様な働き方への対応が求められる時代はすでにやってきています。