経理部が新年度でやるべきこと
最終更新日:2021-04-28
 

 経理の業務には、毎月行っている月次業務と、年の中の決められたその時期に行う年次業務の2つがあります。月次業務は取引先からの入金確認や支払い、請求書の発行、給与計算、保険料などの支払いといった業務。一方、年次業務は決算処理や法人税・消費税などの納付、賞与計算や年末調整などの業務です。

 

経理担当が最も忙しくなる新年度4

 

 経理担当者には、この月次業務と年次業務を並行して処理していくことが求められます。そのため、年次業務の内容によっては、非常に忙しい期間が発生することになります。とくに3月が期末の企業では4月以降、会社にとって最も大切といえる決算業務が行われるため、経理担当者にとって1年で最も重要な時期になります。
 また、この時期には、新入社員に関連した業務、新しい年度に変更される会計処理なども重なってくるため、経理担当者はそれこそ目の回る忙しさといえるかもしれません。
 今回は、忙しさの原因であるこの時期の年次作業について、ざっと整理してみたいと思います。

 

新年度(4月)に発生する年次作業

新事業年度の新たな基準で会計処理

 事業年度が変わると、会計処理において入力する金額が変わります。

 

・減価償却費
 事業年度が更新されると計上額も変更されます。

 

・人件費
 事業年度が変わるタイミングで給与支給額が改定されることが多いので、これを会計処理に反映させることが必要となります。

 

・新しい勘定科目や部門を反映する
 新しい勘定科目を導入するのは、多くは新事業年度を迎えたこのタイミングです。新しい勘定科目を使用する場合には、会計ソフトの設定変更が必要となります。部門が新しく設定された場合にも、これを反映しておく必要があります。

 

新年度の最初の大きな業務「決算関連業務」

 

 4月は新しい事業年度ではありますが、経理担当者にとってこの時期の最大の業務と言えば、前事業年度(前月3月期)の決算関連業務でしょう。

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この業務には前事業年度に関する
・決算処理
・税金計算
・財務諸表作成
・各種分析資料の作成
などがあります。

 

「決算処理」には、以下のような作業が含まれています。
 
・在庫の確定
・現金預金の照合
・計上漏れ/誤処理がないかどうかの確認
・勘定科目の内訳確認
・消費税チェック

 

 分量的にも多いのはもちろん、いつも以上に神経を使う作業が並んでいます。
 決算申告は決算月の2か月後となりますので、5月末までに申告しなければならず、それまでに法人税などの納税準備もしていくことになります。

 

 また、この時期は新入社員を迎え入れる時期でもあります。総務担当者との共同作業になるものの、ざっと並べただけでも、
 
・入社式
・新たな給与計算
・各種福利厚生の対応
・社会保険加入手続き
・各種教育の実施
 
 といった諸作業が待ち受け、総務部等と協力しながら作業を進めていく必要もあります。

 

年次業務も先を見据えて準備しましょう

 

 新年度のこの時期、月次業務と決算関連業を含む年次業務が加わり、大変な作業となります。しかし、経理の場合、これが最初から分かっているという強みもあります。つまり、あらかじめ準備が可能であるということです。毎月の作業だけでなく、中長期的な視点を持ち、今できることはあらかじめやっておくという考え方を持っておく必要があるでしょう。
 また、日常から業務改善という意識を持ち続けるという部分も必要です。

 

 経理の仕事は、前任者から後任者にノウハウが伝わっていくという素晴らしい面があるのですが、それが非効率な方法であっても、そのまま世襲されてしまうという傾向を持っています。つまり、改善がなかなか進まないという面があるのです。

 

 こうした状況を打破するためには、一部の業務をアウトソーシングするというのも一つの効果ある手段です。内部を粘り強く改善していくという部分はもちろん必要ですが、劇的、即効的な効果がみられるという面でも検討する価値があるでしょう。

 

 業務が改善、効率化され余裕ができた部分を、年次業務が集中する新年度の作業を軽減化するための準備に使うといった考え方も非常に価値があるでしょう。