請求書に添える送付状の書き方
最終更新日:2023-04-19

 請求書の作成と送付は経理業務において最も頻繁に行われる作業の一つでしょう。何気なく行っている方も多いかもしれませんが、請求書といえども取引先に送る大切な伝達とメッセージです。
 請求書と一緒に送る送付状は相手の会社と良い関係を作りながら入金を滞りなく行ってもらえるよう、失礼のない、適切な内容が求められます。

 

送付状は何のために書くのか?

 送付状とは、郵便物やFAXを送る際に添える書面のことです。送付状の内容には特に決められたルールはなく、形式は自由ですが最低限一定の内容を書き込んでおくことが求められます。
 送付状は、送付されたものが何であるかを知らせ、先方のミスを防ぐ役割もあります。

 

請求書の送付状の書き方

 請求書に同封する送付状には、次のような内容が最低限必要となります。

 
  • 送付日
  • 宛先
  • 送付者の情報(社名、部署名、担当者名、連絡先)
  • 件名
  • 内容
  • 書類の内容と送付枚数
 
 

宛先

 宛先は必ず書く必要があります。書く場所は横書きの場合は左上。
 会社の部署(経理部等)に送る場合は「社名+部署+御中」、担当者が分かっている場合は「社名+部署+担当者名+様」という形になります。

 

送付日

 送付日は右上に書きます。請求書の日付とは違っても構いません。

 

送付元の情報(社名、部署名、担当者名、連絡先)

 送付元、つまりこちら側の情報は日付の下に配置します(相手の社名より必ず下の位置に来るようにします)。
 請求書について先方からの問い合わせがある場合も考え、住所、電話、FAX、電子メールなどの連絡手段も書いておく方が良いでしょう。

 

件名

 何の書類の用件なのか、この場合「請求書」であることを相手にはっきりと伝えるよう書いておきます。

 

内容

 「前文」「主文」「末文」の3つを記載します。

 

前文

 冒頭であいさつを行います。
「平素は格別のご厚情を賜り御礼申し上げます」
「拝啓 貴社におかれましては、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます」
「平素は、格別のご愛顧を賜りまして誠にありがとうございます」
といった定型の形で構いません。

 

主文

 請求内容に言及した文章で構成します。
「この度の納品に関しまして、ご請求申し上げます。よろしくお願い致します」
「請求書をご送付いたしますので、ご査収の程宜しくお願いいたします」
「下記の通り、請求書を同封いたしましたので、ご査収くださいますよう、よろしくお願いいたします」
といった文章です。

 

末文

 末尾に取引先への挨拶を書き込むようにします。
「今後とも何卒宜しくお願い申し上げます」
といった内容で締めくくります。

 

書類の内容と送付枚数

 何の書類が何枚あるのかなどを書き込みます。書類内容を書く際は「記」と最初に表記し、下を1行空けます。
 その下に書類の内容を箇条書きで記入し、最後は右下の位置に「以上」と書いて締めくくります。

 
 
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押さえておこう、送付状の常識

送付状はA4サイズ1枚にする

 送付状に定められた形式はありませんが、A4サイズ1枚にまとめるのが⼀般的です。

 

送付状が一枚目に来るように重ねる

 郵便で送る際には、相手が封筒を開けたときに最初に送付状が確認できるよう、送付状は一番上に来るようにしておきましょう。

 

三つ折りにして封筒に入れる

 封筒に入れる際は三つ折りにします。印刷されている面を内側にし、送付状が一枚目に来るように請求書を重ねます。相手が文面を開いたときに印刷面が見えるようにするためです。

 

メールで請求書を送る場合

 請求書をメールで送る場合、送付状の内容はメール本文に記載します。付状としてファイルを添付する必要はありません。
 請求書はエクセルなど内容を変更できる形式ではなく、必ずPDF形式で送るようにしましょう。

 

請求書を再送する時

 まれに手違いで請求書が相手に届いていない、あるいは期日になっても振り込みがない、といったケースが発生する場合があります。
 こうした際、再請求書の形でもう一度請求書をお送りする場合もあります。
 その際の送付状の文面としては、次のような内容が考えられます。