リモートワーク時代の新しい防災
最終更新日:2022-09-08

 新型コロナウイルスの流行によってリモートワークが浸透し、働き方が大きく変わりました。働く場所も自宅やコワーキングスペースなど多様化しています。それに伴い、オフィス防災もこうした新しい働き方に合った対策が必要とされています。
 

 会社に毎日通勤するのが当たり前だった時代は、防災に関しても社員の代わりに会社がいろいろと考えてくれていました。
 避難訓練や備蓄、あるいは危機管理対応など、会社には必ず防災担当者がおり備蓄品のチェックもしてくれていましたし、多くの会社では何かあったときにも業務が継続できるよう「危機管理対応マニュアル」が用意されていました。
 
 しかし、リモートワークが当たり前に浸透してきた現在、これまでの対策だけでは対応できない事柄が増えています。社外で働いている社員を守るという新しい観点で、これから何が必要となってくるのかを考えます。

 

会社に出社している人たちの防災

 オフィスで働くことが当たり前だった時代には、防災担当者はほぼ間違いなくオフィスにおり、防災計画もそれを前提に考えられていました。
 
 しかしバックオフィスの社員であってもリモートワークが導入されている現在では、災害が起こった際、防災担当者がオフィスにいない可能性も大いに考えられます。
 
 つまり社員それぞれが、災害時には自分で判断し行動しなければならないケースもあるということです。防災用品の収納場所や備蓄品の内容も、社員それぞれがしっかりと知っておく必要があります。日頃、こうした事態に備えて社員に防災に関する情報を周知しておく必要もあるでしょう。

 

自宅で作業している社員への対応

 災害時、自宅やコワーキングスペースなど会社外で働いている社員にどのような対応をしていくかはさらに難しいテーマです。
 
 最初に考えなくてはならないのは、社員の安否確認です。

 

スマホで安否確認

 災害時の社内連絡ツールを決めておくことが重要です。「安否確認メールサービス」や「業務用メール」「電話」「携帯電話のメッセージ(SMS)」などの方法を決めておきましょう。
 
 東日本大震災のときには音声通話が使えなくなるという事態も発生しました。こうしたことも考慮し、電話を利用しないで済む方法も決めておくとよいでしょう。

 

スマホで位置確認

 居場所を知るためには、スマホを活用する方法もあります。最近は会社のスマホを従業員に支給しているケースも見られます。GPS機能などの位置情報が確認できる機能を使えば、防災対策としても有効といえるでしょう。
 
 しかし、行き過ぎた位置情報の確認は、業務時間内であったとしてもプライバシーの侵害になるケースも考えられます。お互いが守ることのできるルールをしっかり作ってく必要があります。

 

お互いの情報の共有

 朝の短い時間を使って社員同士がその日にやることや、作業場所などを共有しておくと、災害時にも状況が推測しやすく、従業員を守ることにつながります。場所を移動する際は、会社の行き先掲示板のようにLINEなどで行き先を社員同士で知らせ合うと、円滑に業務が進みやすいうえに従業員の安心にもつながります。

 

社員の自宅用防災グッズの配布

 防災グッズについても会社での備蓄だけでなく、社員の自宅用に配布する必要もあるでしょう。現在、さまざまな防災セットが多数販売されていますので、そのようなものを選ぶのも良いでしょう。

 

社員それぞれにチェックを促す

 リモートワークの場合、安全確保は社員それぞれの行動に頼ることになります。災害時、自宅が安全な場所であるために、防災の目線で自宅の状況をチェックするような啓蒙活動も必要です。

 
  • 家具の置き方は工夫しているか
  • 家具に転倒防止の措置がされているか
  • 食料・飲料などの備蓄は十分か?
  • 非常用持ち出しバッグの準備はできているか?
  • 避難場所や避難経路は確認しているか?
 

 リモートワークが定着する中、仕事のスタイルの多様化にともなってバックオフィスの中心となる総務部の仕事の対象はさらに広がっています。目の届かないところにいる社員をどう守り、どう管理していくのか。これからも課題の抽出と解決の作業は続きそうです。

 

 いかがだったでしょうか。最も大切なお金に関する仕事をアウトソーシングする。これには単純な業務効率化とは違う側面が存在します。
 
 コストや効率化だけでなく、アウトソーシングすることで何を得たいのかをしっかりと見極めることが大切です。