「辞令」の常識をあらためて知る
最終更新日:2023-04-19

 「辞令」という言葉は、会社に勤める方であれば身近に感じるものかもしれません。

 

 「辞令」の正確な意味は「官職・役職などの任免の際、その旨を書いて本人に渡す文書」となります。
 会社においては、主に以下のような場面で登場します。
 

  • 昇進や昇格、降格など
  • 勤務先変更、店舗異動、出向等の配置変更
  • 職種変更、部署異動など
  • 入退社、転籍など

 
 また、

  • 会社貢献者に対する表彰
  • 懲戒処分(懲戒解雇などを含む)を行なったとき

 
などにも使用されます。

 

「辞令」と「内示」の違い

 「辞令」が正式な告知であるのに対し、「内示」はあくまで「非公式に通知する」ものです。
 公式の告示を前提に、それに先立って当事者に「内密に」決定内容を示すことを指します。
 
 「内示」はあくまで正式な「辞令」の前の非公式な段階であり、対象となる本人以外には知らされません。「辞令」の前にわざわざ「内示」を出すのは、引越や各種手続きの準備用に一定の期間を当人に与えるためです。

 

わざわざ「辞令」を出す意味

 小さな会社であれば口頭で済ますケースもあるようですが、ある程度の人数が働く会社では、口頭では全員に伝えることができません。
 人事に関する変更件数も多く、どうしても記録が必要となります。「辞令」は、一つには会社の利便性のために存在しているといえます。

 また、口頭では相手によって内容が誤解されてしまう可能性もあります。確実に内容を伝えるという意味でも「辞令」は効果的な存在です。そのため「辞令」の作成においては、曖昧な表現は避ける必要があります。
 
 会社からの伝達を「辞令」の形で伝えることで、重みが加わることも大きいでしょう。正式で、なおかつ重要な意味を持った伝達であるということが「辞令」の形をとることで当人にも伝わります。

 
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「辞令」の効力はどこまである?

 会社においては「公式」の書類である「辞令」ですが、契約書などとは異なり、法律で規定された書類ではありません。
 ただし、会社は給与を払って労働力を得ています。両者の間には労働契約が存在しています。その範囲内で会社は人事に関する権利を持っています。人事に関する命令を行うのは会社の権利であるため、「辞令」は会社の中においてはあたかも法律のように有効なものとなるわけです。
 
 こうした関係が背景にあるため、「辞令」にも効力が発生することになります。「辞令」は書類によるものはもちろん、口頭であっても有効とされています。

 

問題ありの「辞令」とは?

 社内では法律と同じように有効で厳守しなければならない「辞令」ですが、例外もあります。例えば、これまでに問題が指摘された「辞令」として次のようなケースがあります。
 

  • 労働者への嫌がらせが目的の異動命令
  • 異動命令そのものがパワハラにあたる
  • 労働者を自主的に退職させるのが目的の異動命令
  • 合理的な理由が説明できない異動命令

 
といったものです。具体的には
 

  • 治安悪化により生命の危険が生じる地域での勤務を指示したもの
  • 長年経験してきた業務と全く異なる業務への異動
  • これまでの知識経験をまったく活かせない業務への異動
  • 通勤が不可能なほど遠方への転勤
  • 家族ができてすぐのタイミングでの異動命令

 
といったものが、問題あるケースとして取り上げられています。

 

「辞令」の書式

 「辞令」には、次の項目を必ず入れるようにします。
 
発令日
 辞令が効力を発する日のこと。
 
受令者
 受令者とは、辞令を伝える対象となる社員のことです。氏名だけでなく現在の役職名も記載します。

発令者
 発令者とは、辞令を発令する会社の責任者のこと。通常は代表取締役や社長を発令者として辞令を作成します。

内容
 伝達する内容を、曖昧な表現は避け簡潔に記載します。

 

異動・転勤辞令の書式

異動・転勤辞令の書式