顧客情報の基本や管理方法を解説!使用できるツールも紹介
最終更新日:2023-04-19

 多くの企業では顧客情報を収集しているものの、活用できていないことも少なくありません。
 この記事では、顧客情報の概要や管理するメリット、活用方法、管理ツールなどについて解説しています。顧客情報について、基礎から詳細まで知り、自社で活用したいと考えている人は、参考にしてください。

 

顧客情報の概要

 どのようなデータが顧客情報に当てはまるのでしょうか。定義と項目例について解説します。

 

顧客情報の定義

 顧客情報の定義は厳密に決まっておらず、企業次第とされています。一般的には、顧客に関するすべての情報と定義されます。
 たとえば、個人の場合は氏名・性別・住所などの個人情報から、購入履歴や問い合わせ履歴などです。
 BtoBの場合は、企業名や所在地、担当者名や連絡先などが当てはまります。

 

顧客情報の項目例

 顧客情報の項目例は以下のとおりです。

企業名
氏名
性別
住所
連絡先
業種
事業内容
趣味・嗜好
購入履歴
問合せ情報
顧客ランク
連絡可能な手段(メール・DMなど)

 このように、企業が保有するすべての情報が顧客情報に含まれます。ただし、ビジネスの形態によっては不要な項目もあるでしょう。

 

顧客情報を管理するメリット

 顧客情報を管理することで、企業にはどのようなメリットがあるのでしょうか。4つのメリットについて、解説します。

 

分析につなげられる

 収集した顧客情報を分析することで、顧客の特徴、自社の問題点や改善点などを分析できます。それにより、営業のプロセスや顧客へのアプローチの改善、売り上げや業績の向上などに役立てられます。

 

情報共有が容易になる

 顧客情報が複数のフォルダに保存されていたり、部署ごとに異なるツールを使用したりしていると、社内での情報共有に時間を要します。一元管理することで、部署が異なっていても情報の閲覧・編集ができ、容易に情報共有できます。管理方法によっては、社外にいても情報を確認できるでしょう。

 

作業効率化を図れる

 部署ごとに顧客情報を保有していると、必要な情報を探す際に時間がかかったり共有に手間がかかったりします。どこに保管してあるかわからず検索に時間がかかり、他の業務にあてる時間が足りなくなることもあるでしょう。顧客情報を一元管理することで必要な情報をすぐに探せるため、時間の短縮が可能です。

 

顧客にアプローチできる

 社内に蓄積した顧客情報を活用して日常的にキャンペーンを行ったり、ニーズに適した提案を実施したりすることで既存顧客の離脱を減らし、長期的な取引につなげやすくなります。価格競争のみでは利益率の低下を招きますが、顧客との関係性を築くことで価格以外の理由で選ばれやすくなるでしょう。

 
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顧客情報の活用法

 ただし、顧客情報はただ集めるだけではあまり意味がありません。活用方法を解説します。

 

顧客分析

 多くの顧客情報を収集できれば、自社の顧客における傾向を分析できます。たとえば、新規顧客やリピーターの割合、それぞれの客単価、マーケティング手法ごとの購入につながる割合などを理解できるでしょう。
 
 分析により成功した事例からリピーターにつなげる方法や、うまくいかなかった事例から見込み顧客を育てる方法などが見えてきます。分析結果は、経営戦略の立案時にも役立てられます。

 

見込み顧客へのアプローチ

 問い合わせといった見込み顧客の情報を活用して、アプローチが可能です。たとえばメールマガジンとして、キャンペーンやイベントの情報を自動的に配信できます。見込み顧客を顧客に育て、商品・サービスの売り上げにつなげるうえで役立つでしょう。

 

顧客対応の向上

 顧客情報を管理・活用することで、顧客の好みに合わせた接客が可能です。顧客満足度の向上や、売上の向上につながります。クレームにつながった顧客に対しても、次回利用時の予防につなげられます。

 

顧客情報管理に使用できるツール

 顧客情報を管理するには、手作業では手間が大きすぎます。手間を省くうえで役立つ、4つのツールを解説します。

 

名刺管理ツール

 名刺管理ツールとは、さまざまな部署の従業員が他社の従業員と交換した名刺の情報を管理するためのツールです。自社内で忘れられた人脈を活用できるため、多くの企業が利用しています。
 
 名刺には多数の情報が記載されているため、名刺管理ツールを顧客情報管理ツールとして使うことも可能です。ただし、顧客情報管理ツールとして作られたものではなく、簡易的な機能しかありません。そのため、複雑な分析や外部ツールとの連携には適していません。

 

SFA(営業支援システム)

 SFAは、営業に関係する業務を支援したり効率化したりしてくれるツールです。
 案件や営業活動に関係するデータの管理を得意としており、具体的には商談の現状や取引履歴、訪問履歴など、顧客との取引や案件に関係する情報を取り扱います。
 CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)と連携が取れるSFAツールもあります。

 

CRM(顧客関係管理)

 CRMは、自社と顧客の関係を基に得られた情報を管理してくれるツールです。顧客情報の管理に特化しているため、一元的に管理できます。顧客とのよい関係性を維持し、売り上げの向上につなげることがCRMのおもな目的です。

 顧客情報管理に適しており、顧客の問い合わせ履歴や行動履歴など、幅広い情報の管理が可能です。蓄積された情報の抽出や分析にも適しており、幅広い活用方法が見込めます。SFAやMAと連携が取れるCRMツールもあります。

 

Excel

 顧客情報の管理に、もっとも一般的に使用されているのがExcelです。始めからパソコンにインストールされているケースが多く、今回挙げた4つのツールでもっとも導入が容易です。
 Excelで顧客リストを作成している企業であれば、項目を増やすだけで顧客情報を管理できます。

 

Excelを使用した顧客情報管理の手順

 Excelを使用して顧客情報を管理する場合にどのような流れで行えばよいのか、3つの手順を解説します。

 

管理する項目を決める

 管理すべき項目は、企業によって異なります。なぜ管理すべきかわからないまま、項目だけを増やしてしまう恐れがあるため、項目は事前に決定しましょう。
 たとえば、顧客が法人であれば顧客番号・企業名・担当者名・最終訪問日など、顧客が個人であれば顧客番号・氏名・住所・購入回数などは保管すべき項目といえるでしょう。

 

必要なデータを入力する

 項目を決めたのち、実際にデータを入力しましょう。入力の際は、テーブル機能やフィルター機能を使用するために、行に管理項目をとり、データを横並びで入力します。
 項目が多くスクロールバーが表示されても、折り返さずに横方向に入力します。役職や性別など一定のデータになる項目は、入力規則を設定するとよいでしょう。

 

テーブル機能を利用する

 データの入力が完了したのち、テーブル機能を使用してデータベース化しましょう。
 テーブル機能とは、入力したデータをデータベースとして処理し、編集・管理できる機能です。データの抽出・分析も容易になります。

 利用する手順は、表全体を選択した状態にし、「挿入タブ」から「テーブル」を選択します。続いて「先頭行をテーブルの見出しとして使用する」にチェックが入った状態で「OK」をクリックしましょう。

 

まとめ

 顧客情報は厳密な定義はされていませんが、一般的には、顧客に関するすべての情報と定義されます。分析や顧客へのアプローチなどに役立てられるため、ツールを使用して手間を省きつつ管理しましょう。
 導入が容易なExcelで管理する際は、項目を決めデータ入力を実施したのち、テーブル機能を活用するとよいでしょう。