リモートワークが増えてきた影響もあってか、グループウェアという言葉を盛んに耳にするようになってきました。
皆さんの中にはグループウェアであるということを意識せず、社内の日程管理などに使われているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
グループウェアとは?
そもそもグループウェアとはどのようなものなのでしょうか?
グループウェアを簡単に言えば、社員同士や同じプロジェクトを進めるメンバー同士が円滑に情報を共有できるようにしてくれるソフトウェアのことです。
ということは、上記の日程管理にとどまらず、共有する必要のある情報、言葉のやり取りなどもグループウェアの管理の対象となります。
同じ仕事をする者同士で共有しなくてはならない情報は多岐にわたります。例えば、次のようなものがあります。
スケジュール管理 |
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プロジェクト管理 |
ファイル共有(ドキュメント・画像など) |
設備予約(会議などの予約管理) |
さらに、情報を共有しながら、お互いに言葉や情報をさらにやり取りしていくという事を考えると
コミュニケーションツール |
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もグループウェアの対象となります。
これらの「共有」「やりとり」を手伝い、実現してくれるのがグループウェアなのです。
グループウェアは誰かのパソコンの中にインストールされて使われるのではありません。多くの場合、ウェブ上のサービスになっていて、そこに権利を持つ方(社員やプロジェクトのメンバー)がネットワークを通して参加する(使用する)形になっています。このサービスによってどのようなことができるのか、少し見ていきましょう。
グループウェアの機能・メリット
スケジュール管理
個人やグループのスケジュールを管理する機能です。メンバー同士でお互いのスケジュールを確認できるため、会議などの日程調節もスムーズに行うことができます。
特定の人の日程も確認できるので、その人との打ち合わせを組んだり、同行の予定を入れたりすることもできます。
誰かが候補日をメンバー全員に送って返信の内容で日程を決めるという作業と比較すると、その便利さは相当なものです。
プロジェクト管理
プロジェクトの進み具合、作業項目別の達成具合などの管理を円滑に行うことができます。例えば10個のやるべきことがあり、複数の担当者がいる場合があります。こうしたケースでも「1、3の作業については●月●日に終了」といったことを全員が一目で確認できます。以前なら、朝会、夕会などでいちいち報告していた事柄が、いつでもどこでも確認できるようになるわけです。
ファイル共有(ドキュメント・画像など)
文書などの電子ファイルをメンバー間で共有できる機能です。
仕事場には共有しなくてはならない書類がたくさん存在します。会議の議事録、資料、あるいは契約書、マニュアルの類などです。それぞれ過去から最新のものまでその量は膨大です。
これらをデータの形で共有できれば、最新のものから過去の資料まで自由に見ることができるようになります。また、資料ごとに閲覧権限をつけることができ、見る人を区分できますので、その点でも管理が容易になります。
資料を探す手間も軽減され、外出先からでも資料をみることができるようになるため、目の前に山積みされていた紙資料や書棚を減らすことができます。
設備予約(会議室などの予約管理)
スケジュール管理で会議の日程を確認しつつ、同時に会議室などの予約管理を行うのもグループウェアの得意技です。日程が決まったのに部屋が空いていないといった事態も防ぐことができます。
こうした機能は、備品管理、例えばプロジェクターやモニターなどの設備の予約にも役立てることができます。
コミュニケーション
メンバー同士のコミュニケーションも、チャットや掲示板を利用して円滑に行うことができます。
日常業務のなかで報告書の閲覧や、さまざまな申請や承認などの手続きもグループウェアであれば迅速に対応できます。
特に見積書や決済書類などの上長の承認印待ちといった時間がかかったものが、これまでとは比較にならないほどスピーディーに完了します。
グループウェアのデメリット
グループウェアは、情報のやり取りや共有の効率化、そして、いつでもどこでも必要な情報にアクセスすることができる便利さなど、私たちにさまざまなメリットを与えてくれます。しかし、良いことばかりではなくデメリットも存在します。
導入に費用がかかる
世の中には無料で利用できるグループウェアも存在しますが、基本的にはある程度の費用が発生します。ですからグループウェアを導入する際には、使わない機能にまでお金を払わないですむように、自社の仕事、業務内容に即して確実に使う機能をしっかりと検討しておく必要があります。
また、グループウェアを導入することで何が楽になり、どんな無駄が削減できるのかを、経費的なものも含めて確認しておく必要があります。
新しい知識・ノウハウが必要
グループウェアを活用するためには、「使い方」を習得する必要があります。社内で定着させるためには、脱落者がでないような勉強会やマニュアルの整備が必要です。そして、新しい方法を覚えることで起こる変化やメリットを、社員全員に認識してもらう必要もあります。
コミュニケーションの不足
グループウェアを使えば、プロジェクトの進行管理を容易に行えると同時に、メンバーと直接「会わなくてもすむ」という状況が作り出されます。
グループウェアでは、対面だとすぐ気づく元気のなさそうな様子や他愛のない日常会話など、リアルタイムでコミュニケーションが取りにくい状態が起こり得ます。
お互いの表情や反応を見ながらのアナログなコミュニケーションが不足することは、社員のモチベーションの低下に繋がるとして、危惧する声もあります。
導入初期のハードルなどいくつか考慮すべき点はありますが、グループウェアはリモートワーク下における作業や社内業務を効率化する便利なツールです。まだ導入されていない方は検討してみてはいかがでしょうか?