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自然言語処理(NLP)とは?意味や仕組み、活用事例をご紹介!

自然言語処理(NLP)の業務やサービスへの利用が進んでおり、私たちの業務の状況は大きく変化しています。自然言語処理を利用すると、どのようなことができるのでしょうか。その意味や仕組み、利用シーン、活用事例をご紹介します。

自然言語処理(NLP)とは?

自然言語処理とは、NLP (Natural Language Processing)とも呼ばれ、人間が日常的に使用する言語をコンピュータが処理する技術です。一般的にはAI(人工知能)と組み合わせて利用されています。

自然言語とは、人間が話したり書いたりする言葉を指しますが、曖昧性やゆらぎが存在します。そのため、コンピュータが処理するには特殊な技術が求められます。

自然言語処理は、AIが自然言語の文章を解析して分析する際に、離れた単語間の関係まで解釈し、文脈を考慮することができ、話し言葉、書き言葉共にコンピュータで取り扱うことができます。

自然言語処理(NLP)ができること

自然言語処理を通じて、主に言語理解と言語生成の2つを行えます。具体的には、人間が出す指示への応答や、音声認識によるテキスト化、テキスト・画像・動画生成、文章要約、翻訳などを行うことができます。

自然言語処理(NLP)が注目されている背景

近年、自然言語処理が注目されている背景として、業務に使用するテキストデータ量が増大しており、大量の文字情報をいかに効率的に処理するかが問われていることが挙げられます。また、米OpenAI社によるGPT-3の登場を機に、汎用言語モデルが大きく進化したことも背景にあります。

さらに国内では人手不足が慢性化しており、DXの推進の必要性も高まっていることから、便利なツールは積極的に採用して少しでもデジタル化と業務効率化を進めたい企業ニーズも後押ししています。

自然言語処理(NLP)の仕組み

自然言語処理の処理が行われる仕組みを見ていきましょう。

前準備

まず前準備として、機械可読目録とコーパスを用意します。私たちが英語を学習するときに辞書を片手に取り組むように、自然言語処理に取り組むAIにも機械可読目録とコーパスという辞書とデータベースが必要になります。

・機械可読目録

英語ではMARC (MAchine-Readable Catalog)と称されます。機械可読目録は書き言葉の書籍情報や関連情報などを機械が正しく読み込むことができるように置き換えた通信規格で、自然言語処理における辞書の役割となります。

・コーパス

コーパスとは言葉の使い方を大量に蓄積したデータベースです。自然言語の文章や使い方を収集してコンピュータが検索できるように整理されています。これもAIが処理するときに参照します。

4つの解析工程

実際の処理では、4つの解析工程が行われます。

・形態素解析

文章を最小単位の「形態素」に分割し、分割したものが識別できるように情報を与えます。例えば、「これは名詞」「これは形容詞」など、品詞などを判別できるようにします。

・構文解析

形態素解析で分割された単語などについて、それぞれの関係性を解析し、構文を作ります。日本語は依存構造解析という単語間の依存度を解析する方法を使用するのが一般的です。

・意味解析

構文解析後の文章に対して、意味を特定します。辞書などを参照して、最適な構文を選出します。一つの文章においても、複数の意味が存在します。そのため正しい意味と解釈を判断する必要があります。意味付けのための処理を行います。

・文脈解析

文と文のつながり、つまり文脈を解析します。同じ文章でも、文脈によって意味が異なるケースもあります。一つの文章について形態素分析から構文分析、意味分析を行ってきましたが、前後の文章についても同様に分析を行います。そして、文章同士を比べ、関係性をとらえた上で、解釈をします。

自然言語処理は複数の解析を行い、進めていきますが、まだまだその解析精度は進化している段階にあります。特に文脈理解についてはむずかしい処理であることから、さらなる発展が期待されています。

自然言語処理(NLP)のビジネスにおける活用シーン

自然言語処理は、すでにビジネスで大いに活用されています。主な活用シーンを見ていきましょう。

AIチャットボットによる問い合わせの一次対応

問い合わせ対応のシーンにおいて、人の言葉を理解できる自然言語処理が可能なAIチャットボットで一次対応することができます。

コールセンターにおける通話内容の感情分析

各種コールセンターにおいて得られた顧客との通話内容を録音した音声データをもとに感情分析が行われ、サービス向上に役立てられています。

VOCの分析

VOCとは「Voice of Customer」の略称で、お客様の声、つまり意見や問い合わせなどで自社に寄せられた声を指します。それらの文章を解析し、要望やニーズなどを抽出します。

医療現場の電子カルテをタブレットへの手書きでテキスト化

医療現場において使用されている電子カルテをタブレットに表示して、直接画面に手書きしたものをAIがテキスト化します。

膨大な資料の収集・要約・翻訳

膨大な量の情報収集や文章要約をスピーディーに行います。また自然言語処理の翻訳は高い精度を実現します。特に膨大な資料においては人力で行うよりもはるかに短時間で処理できます。

マーケティング分野

マーケティング分野では、見込み顧客の特徴を学習し、個別最適化された提案コンテンツをレコメンドする仕組みも構築できます。

自然言語処理(NLP)の活用事例

自然言語処理は、実際に次のような事例でその有効性を確かめることができます。

毎日の膨大な日報の精査と重要情報の選定を効率化

ある機械業界の企業は、毎日、社員から短文の日報を通じて気づきやアイデアを募り、経営や事業に役立てています。しかし毎日2,000通の中から有用な内容を15通ほどピックアップする作業は、人的コストがかさむことが課題でした。
そこで独自開発したAIに自然言語処理を用いて抽出を担わせたところ、コストを半分に削減できました。

ECのユーザーレビューの感情分析

ある海外のモール型オンラインショッピングサイトには、ユーザーが書き込んだ製品レビューを分析するツールが導入されています。自然言語処理が使用されており、ツールを操作すれば指定のキーワードや地名を抽出でき、単語間の関係の分析も可能です。

またテキスト文書の内容が肯定的か否定的かを判定する機能もあるため、出店者はユーザーレビューの効率的な解析と把握が可能になります。

AIチャットボット

従来のチャットポットとは異なり、自然言語処理を行うAIが開発されています。ある企業は共感を含む自然な会話ができるモデルや雑談モデルなど他にはないユニークな特徴を加えることで、エンターテインメント性も高めています。

まとめ

自然言語処理の精度向上により、AIはより人間の話し言葉や書き言葉を有意義に取り扱えるようになりました。今後もさらに業務へ利活用されていくことでしょう。

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