1.Difyとは？業務効率化に役立つ機能も解説！

Dify（ディファイ）とは、専門的な知識を持つAIエンジニアが不在でも、生成AIアプリをノーコードで簡単に作成することができるツールです。

生成AIとは、テキスト、画像、音声などのコンテンツを自動で生成するAI（人工知能）技術を指します。生成AIの作成には高度なAI技術が求められますが、Difyを使うことで一般的なユーザーが容易に作成できます。

Difyの特徴と業務効率化に役立つ機能

Difyは直感的なユーザーインターフェースを備えており、ドラッグ＆ドロップで容易に操作できます。詳細なサポートやマニュアルによりさらに導入しやすいのが特徴です。企業内利用であれば有料プランが想定されますが、無料プランも用意されているため、手軽に試すことができるのもポイントです。

技術面で特記すべきは、RAG（Retrieval-Augmented Generation）というエンジンや組み込みツールの利用が可能な点にあります。

RAGは情報検索と生成を組み合わせた技術で、ユーザーはより正確で関連性の高い情報を迅速に取得できます。

またデータの前処理やモデルのトレーニング、評価などの一連の作業を効率的に行うためのツールが揃っているため、開発時にコアな部分に集中しやすくなります。

Difyを活用することで、AIエージェントから複雑なAIワークフローまで、さまざまなLLM（Large Language Model/大規模言語モデル）アプリケーションをノーコードで編成できることから、生成AIアプリ開発の大幅な業務効率化につながります。

2.Difyの効果的な活用事例5選

Difyの効果的な活用事例を5つご紹介します。

マーケットインテリジェンス支援業務を効率化

リコーは、Difyを開発する米国のLangGenius,Inc.と連携し、Difyを活用した現場社員による業務効率化に取り組んでいます。

第一弾として、デジタルサービス事業を推進するリコーデジタルサービスBUのマーケットインテリジェンス支援業務で社内実践を進めています。Difyにより社員が各自の業務プロセスを効率化し、蓄積したノウハウをリコージャパン株式会社が育成しているAIエバンジェリストと連携して顧客に提供する流れです。

この社内実践の取り組みを、今後さらに高度化し、新たなビジネス機会創出、経営リスクの早期予見、ビジネス機会の損失防止など、迅速で客観的な経営判断サポートに活用することを目指しています。

また社内実践で得たノウハウをAIサービスに盛り込み、自社の業種業務に合わせて利用できることを想定しています。

社内情報検索機能の生成AIチャットボットで問い合わせ時間を削減

インターネット情報サービス事業を展開する企業は、社内で利用する生成AIチャットボット導入時に、AI人材不足や開発リソース削減を目指し、Difyを採用しました。セキュアな環境でDifyを利用できるようにし、FAQや資料作成などに活かしています。

また、アドオンとして社内情報検索機能をチャットボットに追加し、経理関係の文書検索を効率化しています。その結果、財務経理部の問い合わせ対応時間が約15％減少しました。

顧客向けWebサイトチャットボットでカスタマーサービスの質向上

あるAIテック企業は、自社サイトに訪問したユーザー向けに生成AIチャットボットを導入し、問い合わせ対応の仕組みを作っています。

チャットボットはDifyを用いて作成され、RAGを用いて社内データを読み込ませており、検索性能を高め、スムーズな問い合わせ対応を実現しています。

またカレンダー機能と連携させることで、ミーティングの日程調整を効率的に行えるようにしています。

Difyが問い合わせ対応業務の効率化とカスタマーサービスの質向上に寄与している事例です。

不動産の物件マッチングシステムにより取引スピードと精度向上

あるオンライン不動産データベースを提供する海外企業は、Difyを利用して不動産取引のスピードと精度を向上させることに成功しました。

生成AIによる物件マッチングシステムを利用すれば、ユーザーはニーズに最適な物件の提案を受けられます。さらに、リアルタイムに市場分析を行い、物件の将来的な価格予測を高精度に提示する機能も搭載しています。これにより、ユーザーの利便性を総合的に高めています。

マーケティングの顧客分析アプリ開発を約3日で実現

あるデジタルマーケティングサービス業の企業は、Difyを用いて、マーケティングにおける顧客分析を迅速に行うことができるアプリを開発しました。

顧客ニーズを的確にとらえ、最適な提案を行うことを支援するもので、マーケティング担当者の経験やスキル問わず、誰もが戦略立案に必要な情報を提供します。

開発も行いやすく、初期のバージョンは約3日で作成しました。またDifyで開発したアプリの社内展開後、フィードバックを迅速に収集し、改善しやすいのも便利なポイントです。

3.Dify活用時の注意点

Difyは利便性が高く今後も幅広い用途での利用が考えられますが、十分に活用するには、次の注意点を押さえておくことをおすすめします。

情報漏洩のリスク

Difyを利用する際には、情報漏洩のリスクについて十分に想定しなければなりません。Dify自体はクラウドサービスとして提供されることから、入力したデータはクラウドサーバーに保存されます。万が一、第三者が侵入するリスクを想定し、データの暗号化やアクセス権限付与などの独自の対策を取っておきましょう。

またDifyで作成したアプリについても、顧客の個人情報や社内の機密情報の取り扱いについて注意が必要です。

AIの基礎知識が必要

Difyは手軽に生成AIアプリを作成できるツールではありますが、最低限のAIに関する基礎知識が必要です。基礎知識がなければ、十分なアプリの効果が得られなくなる恐れもあります。あらかじめ、ある程度、基本的なところを踏まえておくことをおすすめします。

Dify作成アプリの定期的なメンテナンス

Difyで作成したアプリは、近年のLLM技術のアップデートを踏まえて、定期的なメンテナンスを実施することが重要です。メンテナンスがされていなければ、生成AIの回答の質の低下や処理速度の遅延などが発生することがあります。定期的なメンテナンスの体制を整えておくことで、Difyの恩恵を最大限に受けられるでしょう。

商用ライセンス取得の必要がある場合もある

Difyで開発したアプリは基本的に商用利用が可能ですが、下記に該当する場合は商用ライセンスを取得しておく必要があります。

1.マルチテナント型SaaSとして活用する場合

マルチテナント型SaaSとは、複数の企業や組織が、同じアカウントを共同利用するクラウドサービス形態を指します。複数のテナントが参加する大手ECサイトなどが該当します。

2.Difyのロゴおよび著作権情報を削除・変更する場合

例えばDifyのブランド表示を削除して自社サービスとして販売する場合などが該当します。

不明点があれば、Difyのサポートやベンダーに問い合わせましょう。

4.まとめ

Difyは、生成AIアプリを誰もが手軽に作成できるツールであり、生成AIの業務やサービスへの利活用の幅を広げています。セキュリティやメンテナンスなどに注意しながら活用していきましょう。

もし導入・運用におけるセキュリティやメンテナンス、ライセンスに関するサポートが必要な場合は、リコーにおまかせください。

リコーは「Difyサービス」をご提供しており、ライセンスの購入から構築・技術伴走支援・教育支援までワンストップで支援いたします。

Difyを学びたい方から、全社展開や専用環境構築を目指したいなど、Difyを使いたい全ての方に支援が可能になっており、お客様と共に取り組み、成長していきます。AI関連サービスのご提供を通じて、貴社のお手伝いをさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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