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Difyをローカルで動かすには?企業が知るべきセキュリティ上の注意点と具体的な環境構築ステップを解説
Difyは、社内で導入すれば、活用の幅が広いAIアプリを開発できるツールです。AIの民主化が進むことから注目を集めています。その構築方法は、大きく分けるとクラウドとローカルの2つがあります。そのうち、ローカルは自社のサーバーに導入することで、高いセキュリティを保ちながら自由度高く活用できる方法です。
そこで今回は、Difyのローカル環境に焦点を当て、その特徴から活用例、メリット、環境構築ステップ、セキュリティ対策までご紹介します。

Difyとは?
まずはDifyの特徴を見ていきましょう。
Difyとは?
Difyとは、ノーコード、つまりプログラミングのコードを打ち込むことなく、高機能なAIアプリを開発できるプラットフォームです。特に生成AIのアプリの開発に特化しており、AIチャットボットからタスクの自動化、AIエージェントまで様々なAI機能を備えたアプリを開発できます。ドラッグ&ドロップなど、直感的な操作で構築できるので、誰もが手軽にAI開発を進められるのが特徴です。
Difyの利用方法
Difyの利用方法には、クラウドとローカルの2通りがあります。
クラウドは、インターネットを通じてDifyの Webサイト上で利用する形態です。Difyに登録してログインすればすぐに利用開始できます。自社でサーバーを管理することはありません。
一方、ローカルは、ローカル環境、つまりオンプレミスの自社サーバー上でDifyをインストールして利用する形態です。サーバーを構築し、自ら環境を作る必要があります。セキュリティやカスタマイズは自社仕様にすることができるため、自由度が高いのが特徴です。
【関連リンク】
Difyとは?概要から特徴やメリット、出来ることまでを徹底解説!

Difyのローカル環境とは?
さらに詳しく、Difyのローカル環境の特徴と活用例を見ていきましょう。
Difyのローカル環境とは?
Difyのローカル環境は、先述の通り、自社サーバーやPC上でDifyを利用する方法です。利用の仕方はクラウドと変わりませんが、Difyのサーバー上で利用するのか、ローカル上で利用するのかという点に違いがあります。
Difyのローカル環境における活用例
ローカル環境のDifyは、機密性や運用統制が求められる業務を中心に、次のような用途で活用が進んでいます。
・社内ナレッジ検索アプリの開発
社内ナレッジを検索するアプリを開発して社内に導入することがよく行われています。従業員がチャットボットなどのアプリに質問を入力することで、必要な情報を横断的に検索でき、情報探しにかかる時間や属人化の解消につながります。
社内ナレッジには、社外への持ち出しが難しい機密情報や未公開情報が含まれることも少なくありません。そのため、外部クラウドの利用に制約がある企業では、ローカル環境にDifyを構築し、データを社内に閉じたままAI活用を進められる点が大きなメリットとなります。
・AIアプリのプロトタイプの開発・検証
ローカル環境では、外部に情報や動作履歴などのデータも残ることがないため、安心してAIアプリのプロトタイプの構築やテストなどが可能です。また、クラウド環境のように利用量や回数を気にする必要がなく、リソースを柔軟に割り当てながら検証を進められる点も、ローカル環境ならではの特長です。
・学習用環境の構築
Difyの機能を試したり、AI開発のスキルを学んだりするための学習環境の構築が可能です。例えば社内にAI活用を浸透させるために研修を行いたい場合に、ローカル環境なら安心して、学習環境を作り出すことができるでしょう。AI活用を全社に広げていく初期段階において、安心して試せる環境を用意できる点は大きな利点です。
・機密性の高いデータを扱う法務業務
環境的にセキュリティ面で安心できることから、契約書のリーガルチェックやリスクレポート解析など、機密性の高いデータを扱う法務にも活用できます。外部にデータを出さずにAIによるチェックや要約、論点整理を行えるため、情報管理ポリシーを遵守しながら業務効率化を図れます。
・医療分野における患者情報のテキスト生成・要約
医療機関において取り扱う電子カルテなどの患者情報は、プライバシーを保護しながら、サマリーの自動生成や要約などの業務を行うことができます。個人情報の取り扱いも、ローカル環境なら安心して実施できます。

Difyをローカル環境で利用するメリット
Difyをローカル環境で利用するメリットとして、次の点が挙げられます。
無料で利用可能
ローカル環境では、Difyを無料で利用できます。Difyのプランのうち、ローカル環境で構築できるのは「セルフホストサービス」に該当し、Community、Premium、Enterpriseの3つのプランがあります。このうち、Communityは無料で使えるプランで、Difyの基本機能がすべて含まれています。まずは小規模な検証や特定業務での活用から始め、効果を確認しながら利用範囲を広げていくといった段階的な導入がしやすい点が特長です。
Premiumは主に中規模企業向け、Enterpriseは主に大規模企業向けの有料プランです。有料プランでは、無料プランと比較して機能とサービスが拡充されているのに加え、高度なセキュリティや手厚いサポートが付随します。無料プランでも充分活用はできますが、このようなサービスを必要とする場合には、有料プランを検討するのも良いでしょう。
【関連リンク】
Difyの無料プランCommunityでは何ができる?制限や有料との違い・始め方も解説!
高いセキュリティ下で運用できる
先述の通り、ローカル環境ではクローズドな環境を構築できる優位性があります。入力したデータや生成されたもの、利用ログなどが外部に漏れることはありません。加えて、通信の暗号化やアクセス制御などを自社ポリシーに沿って設計できるため、社内規程やガバナンス要件を満たした形での運用が実現します。
オフライン環境下でも利用可能
オフライン環境であっても利用できます。オフラインであることのメリットは、まず回線遅延の影響を受けずにAIモデルの呼び出しなどがスムーズに行えることです。
インターネットがない環境でも利用できるため、災害時などでネットワークが制限される状況でも利用できます。BCP(事業継続対策)の観点からも有効な選択肢となります。
機能追加やカスタマイズが可能
クラウドと比較し、機能追加やカスタマイズが行いやすいのもメリットです。クラウドでは、利用の範囲を拡大したい場合には追加料金を支払う必要がありますが、ローカルに構築すれば必要に応じてリソースを拡大することができます。既存システムとの連携や、社内ルールに合わせた運用設計など、自社仕様に最適化したAI活用基盤を構築しやすい環境といえます。
検証環境として最適
AIアプリの開発の際には、十分な検証工程が必要になります。あらゆる角度からテストするためには、セキュリティはもちろんのこと、自由度の高い環境で実施する必要があり、ローカル環境であればより検証しやすいといえます。

Difyのローカル環境構築ステップ
Difyのローカル環境構築ステップをご紹介します。
1. Dockerをインストールする
Difyを利用するコンピュータに、コンテナ仮想化技術である「Docker(ドッカー)」をインストールします。
Dockerの公式サイトから、利用するコンピュータのOSに合ったインストーラーをダウンロードしてインストールします。
2. Difyをダウンロードし、クローンする
Difyをソースコードなどが公開されているプラットフォーム「GitHub」からダウンロードします。
https://github.com/langgenius/dify.git
「クローン=複製」という作業を行い、1でDockerをインストールしたコンピュータにセットアップします。コマンドプロンプトなどを開き、下記のコマンドを入力して実行します。
git clone https://github.com/langgenius/dify.git
3. Dockerを起動する
Difyの中にあるDockerディレクトリからDifyを起動します。コマンドは下記を入力・実行します。
cd dify/docker
また、環境設定ファイルをコピーするために、次のコマンドを入力・実行します。
cp .env.example .env
そして次のコマンドを入力・実行すると、Dockerコンテナが起動します。
docker compose up -d
無事に起動すればインストール完了です。
4. Difyにログインする
ブラウザからDifyへログインします。初期設定を行えば利用を開始できます。
5. 使用するAIモデルをAPI*連携する
使用したいAIモデルを社内で用意した上で、APIを用いて連携します。
*Application Programming Interface

Difyのローカル環境におけるセキュリティ対策
ローカル環境はクローズドであるため、セキュリティ性が高いものの、自社で独自のセキュリティ施策を施すことで、より高度なセキュリティを備えることができます。
そこで、ローカル環境において自ら実施すべきセキュリティ対策をご紹介します。
Difyの定期的なアップデート
継続的に安定した稼働を行うためには、Difyそのものの定期的なアップデートに対応することが必要です。セキュリティの脆弱性を対策するパッチが配布されたり、パフォーマンスを改善する機能が追加されたりと日常的に利用する際に欠かせない内容が含まれています。アップデート情報を入手して必ず行いましょう。
API連携時のセキュリティ対策
API連携を利用する際には、正しい利用者を特定するAPIキーという認証用の鍵を利用します。APIキーが外部に漏れてしまうと不正利用されるリスクがあるため注意が必要です。
セキュリティ対策として、キーを定期的に更新する、使い終わったキーは早急に削除する、利用権限の範囲を最小限にするなどが挙げられます。
OSのセキュリティ対策
Difyを動作させるPCに搭載されているOSのセキュリティ対策も欠かせません。OSのセキュリティ関連のアップデートは特に欠かさず迅速に行うなど、基本的なセキュリティ対策を行いましょう。
ネットワークセキュリティへの対策
ネットワークがつながっている場合には、不要なポートを閉じる、ルーターのパスワード管理を徹底する、定期的に更新することなどを実施する必要があるでしょう。
盗難・不正アクセスへの対策
物理的なリスクとして盗難による不正アクセスが考えられます。PCのログイン時のパスワード設定や定期変更などが重要です。

まとめ
Difyのローカル環境の特徴と活用例、メリット、環境構築ステップ、セキュリティ対策をご紹介しました。
Difyをローカル環境で導入することで、データを社内に閉じたまま、柔軟かつ安全にAIアプリ開発・活用を進めることが可能になります。社内ナレッジ検索や業務支援アプリの構築、プロトタイプ開発、研修用途など、幅広いシーンで活用できる点は大きな特長です。
特に、機密情報や個人情報を扱う業務では、クラウド利用に制約があるケースも少なくありません。ローカル環境であれば、自社のセキュリティポリシーや運用ルールに沿った形でAIを活用でき、ガバナンスを確保しながら業務効率化を実現できます。
一方で、ローカル環境の構築・運用には、環境設計やセキュリティ対策、継続的なメンテナンスなどの検討も欠かせません。そのため、PoCから本番運用、全社展開までを見据えた設計と支援体制が重要になります。
もしDifyの導入・運用におけるセキュリティやメンテナンス、ライセンスに関するサポートが必要な場合は、リコーにおまかせください。
リコーは「Difyサービス」をご提供しており、ライセンスの購入から構築・技術伴走支援・教育支援までワンストップで支援いたします。
Difyを学びたい方から、全社展開や専用環境構築を目指したいなど、Difyを使いたい全ての方に支援が可能になっており、お客様と共に取り組み、成長していきます。AI関連サービスのご提供を通じて、貴社のお手伝いをさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。









