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DifyでMCPを利用すると何ができる?~メリットや活用例、設定手順を解説!

AIツールの開発をノーコードで行えるプラットフォーム「Dify(ディフィ)」では、MCPを活用した連携が可能です。MCPと組み合わせることで、開発の負荷低減や外部ツールの効率的な呼び出しが可能になります。

今回は、DifyでMCPを利用したい方に向けて、Difyの概要からMCPの定義や仕組み、APIとの違い、DifyでMCPを利用するとできることと業務例、DifyでMCPを利用するメリットと設定手順を解説します。

Difyとは?

Difyとは、米国LangGenius社によるAIアプリの開発プラットフォームです。非エンジニアでも、ノーコードで手軽にAIアプリを開発できます。主に生成AIを活用したアプリを、ドラッグ&ドロップなどの直感的な操作で構築できるのが特長です。チャットボットやワークフロー、AIエージェントなど、業務に活用できるアプリや機能を手軽に実装可能なことから、業務効率化につなげられます。

Difyが多くの企業に注目されている背景

Difyは、すでに日本企業の多くの現場に導入されていますが、その大きな背景として、直感的な操作でAIアプリを開発できる利便性の高さがあります。また社内ナレッジベースや社内で利用しているGoogleスプレッドシートをはじめとした汎用的なツールと容易に連携できることも人気の理由です。

また、豊富なAIモデルと連携することができます。さらに「RAG」と呼ばれる検索機能と生成AIを組み合わせた技術により、正確で関連性の高い情報を迅速に提供するアプリの開発も可能です。

無料でも開始できることから、導入ハードルが低い点も特徴です。完全にオンプレミスでの運用も可能であるため、企業のセキュリティ基準をクリアしやすい点も、導入が進んでいる理由です。

外部ツールとの連携手段「API」と「MCP」

Difyは社内で活用しているシステムや外部のクラウドツールなどと容易に連携できます。連携方法として、「API」や「MCP」を利用する方法があります。

API:「Application Programming Interface」の略。外部ツールに備わるAPIエンドポイントを通じて連携する仕組み。

MCP:「Model Context Protocol」の略。AIと外部ツールをつなげるための共通ルールや制御の仕組み。

【関連リンク】
Difyとは?概要から特徴やメリット、出来ることまでを徹底解説!

MCPとは?APIとの違いも解説

MCPの定義とAPIとの違いを詳しく解説します。

MCPとは?

MCPとは、AIモデルやツール間で情報をスムーズにつなげるためのプロトコルです。プロトコルとは、接続手順や規約などの約束事を指します。つまりMCPは一定のルールのもとで互いに連携し合うための技術標準です。

MCPがAIと外部ツールをつなぐ仕組み

一般的に、MCPがAIと外部ツールをつなぐ仕組みは次の流れとなります。

1.AIがMCPサーバーに接続し、利用可能なツールを問い合わせる
2.MCPサーバーが利用可能なツールを提示する
3.MCPサーバーがAIのリクエストに応じて必要なツールのAPIエンドポイント(※1)を呼び出す
4.ツールが処理を実行し、結果を返す
5.AIが返された情報を利用して結果を処理する

※1 APIエンドポイント:API接続の窓口、端点となる場所・URL

APIとの違い

MCPが外部ツールに接続できると聞くと、APIの代わりになるのではないかと思うかもしれませんが、MCPはAPIの代替としての位置付けではありません。

MCPはAPIのように連携させる「道具」ではなく、「共通ルール」です。いわば、MCPはAPIを補完し、AIによる利用を安全にするために制御する役割を担うものです。

つまりMCPはAIモデルが、API連携して利用したい複数の外部ツールを安全に使うための接続・実行の共通ルールです。

DifyでMCPを利用するとできることと業務例

DifyでMCPを利用すると、業務において次のようなことができます。

Difyで作成したAIアプリと外部ツールとのAPI連携

Dify上でAIアプリを作成する際には、外部ツールとAPI連携が可能です。例えばDifyで作成するAIアプリの出力結果を、コミュニケーションツールのSlackに送りたい場合、API連携させることで実現可能です。

しかし、他の複数ツールも同時に連携させたい場合には、認証方式や入力形式などが複雑になりがちです。このときにMCPを用いることで、複数の外部ツールの入り口をまとめることができるため、容易に制御可能です。

【業務例】議事録自動作成アプリからの社内共有
Difyで会議の議事録自動作成アプリを構築する際に、社内で利用しているGmailやGoogleカレンダー、SlackをMCPでまとめて連携します。これにより、Gmailでは一斉メール配信、Googleカレンダーではタスク期日のスケジュール登録、Slackでは関係者へのメッセージ通知などを行えます。

外部LLMとの連携

Difyでは、外部のLLM(大規模言語モデル)と連携し、対話に特化した高度なAIアプリの開発が可能です。例えばGeminiやGPT、Claudeなどの外部LLMの出力結果をもとに、MCP経由で複数ツールを活用できます。

【業務例】マルチタスクのAIエージェント
複数のLLMとMCPを通じて連携させた、さまざまなタスクをこなせるAIエージェントの制作を行えます。

社内データやナレッジベースとの統合

社内にあるナレッジベースを何らかのツールで作成している場合は、その社内ナレッジベースとDifyで作成するAIチャットボットを、MCPで連携させれば、ナレッジベースと統合したツールを作成できます。

【業務例】カスタマーサポート用のAIチャットボット
カスタマーサポートセンターのオペレーターが、顧客からの問い合わせがあった際に、社内ナレッジベースと統合したAIチャットボットを確認することで、対話形式で回答に必要な情報を引き出すことができます。

MCP対応ツールからのDify API呼び出し

Difyのワークフローは、外部のMCP対応ツールからDify APIを呼び出して利用することができます。例えば外部の開発ツールからアクセスすれば、開発者の利便性向上につながります。

【業務例】Claude DesktopやCursorから直接Difyワークフローを呼び出し、高度な開発を推進
MCPに対応したデスクトップアプリ「Claude Desktop」や、AIがプログラミングをサポートするツール「Cursor」からアクセスできるようになります。そして直接、Difyワークフローを呼び出せるため、Claude DesktopやCursor上で高度な開発が可能になります。

DifyでMCPを利用するメリット

DifyでMCPを利用するメリットをご紹介します。

API運用時と比べた負荷低減

MCPを利用することで、従来のAPI接続の煩雑さを軽減します。複数ツールをAPI接続する際には、ツールごとに接続形式やエラー処理の方式、入力形式などが異なるため、一つ一つ設定していたのでは手間と時間がかかります。MCPを通じて管理を共通化することで、一つの設定で済むようになります。また、エラー処理も一度に反映させられるケースもあります。その結果、開発工数を抑えることができます。

外部機能のカタログ化

先述の通り、MCPは複数の外部ツールを共通化して取り扱えるようになるため、複数の外部機能のカタログ化が可能になります。共通部品として別の開発時に再利用もできるため、追加開発のコスト削減にもつながります。

LLMやRAGの活用可能性の拡大

従来のAPI連携と比較して、AIモデルやLLM、RAGなどを柔軟に組み合わせて、多機能アプリの開発の可能性が広がります。

安全な接続

MCPは安全な接続も実現します。MCPは、AIモデルや外部ツールへのアクセスを、各APIエンドポイントで接続するのではなく、MCPの共通プロトコルにおいて一元管理できるため、接続点を減らせます。また設定を整理・一元管理しやすくなるため、適切な設計により、セキュリティのリスク低減につながります。

またMCPサーバーは、ローカルのサーバーに構築できるため、既存のAIモデルやツールとローカル接続すれば、完全にローカル環境でのアプリ構築が可能になります。

このように、MCPを利用すれば、セキュリティリスクを最小限に抑えながら接続できます。

DifyでMCPを利用するための設定手順

DifyでMCPを利用するための具体的な設定手順をご紹介します。

ユースケース

Difyのエージェント(※2)をGoogleカレンダーやGmailと連携する(Zapier利用)

※2 複数タスクを自律的に実行できるAIシステム

DifyでMCPを利用する方法は複数ありますが、その中でもZapierのMCP機能を利用する方法をご紹介します。

Zapierとは?

Zapier(ザピアー)とは、日常的に利用するSaaS(Software as a Service/クラウドサービス)を連携させて、業務の自動化を容易に行えるAI統合プラットフォームです。GmailやGoogleスプレッドシート、Slack、Notionなど8,000以上ものSaaS同士をつなぎ、作業を自動化できます。

Zapier MCPを設定すれば、Difyで作成したAIアプリがZapier上のSaaSとやりとりできるようになります。

設定手順

1.Difyアカウント開設・初期設定
Difyのアカウントを開設し、初期設定を済ませておきます。具体的な実施手順は下記のコラムで解説していますので、あわせてご覧ください。

【関連リンク】
Difyの使い方完全ガイド!プログラミング知識なしでAIアプリを作る最短手順を徹底解説

2.Zapier MCPの設定
Zapierの公式サイト(https://zapier.com/ja/)にアクセスし、アカウントを作成して利用できるようにします。

3.ZapierでのMCPサーバーのURL発行
Zapier上で、MCPサーバーであるZapier MCPの専用URLを発行します。

4.Zapierの利用設定
Zapier MCPで利用したいアクションを設定します。例えばGoogleカレンダーやSlackなどの利用したいツールそれぞれに対して、Difyで開発するエージェントに実装したいアクションを追加します。

5.Dify上で作成したエージェントにMCPを設定
Dify上で、MCPを設定するためのエージェントを作成します。ワークフローやチャットボットを新規作成し、エージェントノードを追加してエージェント設定で「MCP Agent」を有効化します。

6.MCPサーバーのURL設定
3で発行したZapierのMCPサーバーのURLをDifyに設定します。

7.動作確認
Difyで、Zapier MCPが設定できたかの動作確認を行います。問題がなければ運用を開始します。

まとめ

DifyにおいてMCPを活用することで、AIアプリは多様な外部ツールや業務システムと柔軟につながり、業務自動化や高度なAI活用の幅を大きく広げることができます。

一方で、MCPは自由度が高い分、導入時に次のような点を取り決める必要があります。

・どの業務をどのツールと連携すべきか
・権限やセキュリティをどのように設計するか
・運用が複雑化しない構成にどうまとめるか

これらを整理せずに導入すると、かえって管理負荷やリスクが高まるケースもあります。

導入時はもちろんのこと、運用についても専門的な知見を持つパートナーが必要です。

リコーでは、DifyやMCPといった技術単体の導入支援にとどまらず、業務要件の整理から、適切な構成設計、セキュリティを考慮した運用設計までを含めてワンストップでご支援しています。

「DifyやMCPを試してみたいが、どこから検討すればよいかわからない」
「API連携やAI活用が属人化しており、整理したい」
といったお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください。

貴社の業務に即したかたちで、無理のないAI活用・自動化の進め方をご提案します。

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