AIエージェントの6つの種類を解説!具体的なサービス例や選定ポイントもご紹介
近年、AIの業務活用が進んでいますが、単機能の生成AIに留まらず、複数のタスクを実行するAIエージェントの活用も進んでいます。人間の指示を受けず、自律的に複数のタスクを実行したり、外部ツールと連携して最適なアクションを選択し、ユーザーの目標達成を実現します。
そのAIエージェントにはシステム構成や導入形態、動作の仕組みなど複数の種類があります。目的や環境に応じて使い分けることが有効です。
今回は、AIエージェントの多様な種類をご紹介します。また主要なAIエージェントサービスの比較と選定のポイントもあわせてご紹介します。

AIエージェントとは?
AIエージェントとはどのような技術なのか、主な概要を解説します。
AIエージェントとは?
AIエージェントとは、複数の高度に絡み合ったタスクを自律的に実行する高度なシステムを指します。
AIエージェントは、従来の単機能AIのようにユーザーの都度の指示に基づいて動作するものではありません。ユーザーが設定した目標に基づき、自律的に複数のタスクをこなします。
AIエージェントの特徴
AIエージェントの特徴は、LLM(大規模言語モデル)を中核に組み込んでいることにあります。人間の言葉を高い精度で理解し、複雑な推論や思考をシミュレーションすることで、自律的にタスクを実行できます。
業務においては、データ分析から意思決定支援、問題解決まで、あらゆるタスクを一貫して実行できる点に特徴があります。AIエージェントを用いれば、従来ではむずかしかった高度な業務支援を実現できます。
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AIエージェントの種類
AIエージェントと一口に言っても、捉える視点によって様々な分類が存在します。自社に最適なサービスを検討・選定できるよう、ここではシステム構成・導入形態・動作の仕組みの3つの切り口でAIエージェントの種類を解説します。
システム構成による種類
AIエージェントが単独で動くか、複数で連携して動くかというシステム構成による分類です。
シングルエージェント
1つのAIエージェントが、ユーザーからの指示や設定された目標に対して単独でタスクを処理する構成です。「社内規程についての質問に答える」「特定フォーマットの議事録を作成する」といった、目的が明確で限定的な業務に向いています。構成がシンプルであるため、導入ハードルが低いのが特徴です。
マルチエージェント
複数の異なる役割を持ったAIエージェントが、互いにコミュニケーションを取りながら複雑なタスクを処理する構成です。例えば「情報収集を行うエージェント」「データを分析するエージェント」「レポートにまとめるエージェント」が連携することで、人間がチームで仕事をするように、より高度で広範囲な業務を自律的に遂行することができます。
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導入形態による種類
企業がどのようにAIエージェントを自社に導入し、運用していくかという提供形態による分類です。
SaaS型
SaaS型は、ベンダーが提供するAIエージェントサービスをクラウド経由で利用する形態です。環境構築の負担が少なく、比較的短期間で利用を開始できるため、導入しやすい点が特徴です。
開発プラットフォーム型
自社の業務要件に合わせて、ゼロからAIエージェントを設計・構築するための基盤を提供する形態です。外部の基幹システムや特殊なSFA/CRMと複雑なAPI連携を行いたい場合や、自社独自の高度な自律ワークフローを構築したい企業に向いています。自由度が高い反面、専門的なITスキルと開発・保守のコストが必要になります。
動作の仕組みによる6つの種類
AIがどのように周囲の状況を知覚し、行動を決定するかという動作の仕組みによる分類です。
AIエージェントの動作原理を説明する代表的な考え方として、以下の6つの種類があります。
反応型
最も単純な構造を持つAIエージェントです。環境や状況に対して、あらかじめ組み込まれたルールのもとで反応し、反射的な動作を起こします。例えば、周辺環境に何か異常が起きたときにアラートを通知するなど、即時反応が必要な業務に適しています。
モデルベース型
反応型と比較し、より高度な意思決定ができるのが特徴です。反応型は記憶機能がありませんが、モデルベース型は、内部にモデルを持っており、過去動向や環境の知識を保持しています。これにより、過去の事例をもとに最適な未来の行動を決定できます。
目標ベース型
目標ベース型は、ユーザーが与えた目標を達成するために、最適な行動を選択して業務を実行できるAIエージェントです。行動を選択するときには、まずゴールを見据え、そこから逆算する形で必要な行動を探索します。
例えば、ナビゲーションシステムのように交通状況に応じて最短かつ最適なルートを見つけ出します。そして目的を最短で達成できるタスクを自動で実行します。
効用ベース型
効用ベース型は、与えられた目標を達成した後、どのような効用が得られるかをあらかじめ分析し、最も効用の高い行動を選択して実行するタイプです。効率的かどうか、コストに無駄はないかといった視点でビジネスの最大化を実現します。
学習型
AIエージェントが必要に応じて自ら学習する機能を持つものもあります。ユーザーが事前に教育することなく、目標達成による利益を最大化するように自律的にレベルアップしていきます。
例えば、ECサイトにおけるユーザー向けのチャットボットに利用されているケースでは、ユーザーのリアクションに応じた最適なアイテムの提案などに活用されています。
階層型
階層型は、複数の層に分かれているAIがそれぞれのタスクを実行する仕組みになっています。例えば、上位のエージェントが目標達成のため、必要な戦略策定やタスクの分解を行います。下位のAIエージェントは、具体的な実行や業務を担います。
以上のように、AIエージェントには多様な種類が存在します。単なる動作の仕組みだけでなく、システム構成や導入形態といった多角的な視点から、自社の業務要件や運用体制に合わせて、適切なサービスや構成を選定していくことが重要です。

主要なAIエージェントサービス比較
主要なAIエージェントサービスをご紹介します。それぞれ共通しているのは、自律的に複数タスクを連続的にこなすところにあります。しかしそれぞれ得意とするポイントが異なるため、そのポイントを比較することができます。
| サービス名 | 主な用途・領域 | 導入形態 | 特徴・概要 |
|---|---|---|---|
| RICOH デジタルバディ | 社内ナレッジ検索・業務効率化 | SaaS型 | 社内データを検索・参照し、根拠を示した回答を自律生成するナレッジ特化型。 |
| Agentforce | 営業支援・カスタマーサポート | SaaS型 | CRMと深く連携し、営業やサポート業務の業務支援・自動化を行う。 |
| Manus | リサーチ・日常業務自動化 | SaaS型 | ユーザーの目標に基づき、Web調査・データ処理・資料作成などの一連タスクを自動化。 |
| OpenAI ChatGPT Agent | 汎用タスク・業務自動化 | 開発プラットフォーム型 | 複雑な指示や外部ツール連携に対応。柔軟に各種業務プロセスを構築できる。 |
| Microsoft Copilot Studio | 業務ワークフロー自動化 | 開発プラットフォーム型 | Microsoft 365等の社内環境と連携し、ノーコード/ローコードで自社用エージェントを作成。 |
| Devin | ソフトウェア開発・コーディング | SaaS型 | ソフトウェア開発において、コード作成やテストなどの作業を支援する。 |
RICOH デジタルバディ
社内資料をアップロードするだけで、すぐに社内ナレッジ検索ツールとして利用できるAIエージェントサービスです。RAGという技術を用いて、社内に蓄積された文章やデータを検索・参照し、根拠を明示しながら回答を生成します。マルチモーダル対応により、文書内の図面・グラフ・表なども読み取ることが可能です。また、部門や業務ごとに細かくアクセス権限を設定できるため、セキュアな環境で業務効率化を実現できます。
Agentforce
セールスフォースによるAIエージェントサービスです。営業支援やカスタマーサポート、マーケティング業務といった領域向けに作られています。中核には「Atlas推論エンジン」を搭載しており、情報取得や処理を行いながら、自律的に判断・実行します。
Manus
日常的な業務の自動化を進められるAIエージェントです。ユーザーが目標を与えると、タスクを自律的に実行します。調査やデータ処理、コンテンツ作成などのタスクを一貫して実行し、社内で利用する実用的なレポートやスライド、簡易的なアプリなどをアウトプットします。
OpenAI ChatGPT Agent
OpenAIの対話型生成AIサービスであるChatGPTを基盤としたAIエージェントです。複数かつ複雑な指示にも対応できます。外部ツールとの連携やカスタマイズなど、柔軟なシステムの実装が可能であることから、幅広い種類の業務に対応できます。例えばインターネットリサーチの上で、要点を分析し、スプレッドシートやスライドなどにアウトプットする一連のタスクが可能です。
Microsoft Copilot Studio
Microsoft Copilot Studioとは、Microsoft社が提供する、ノーコードやローコードでAIエージェントを構築できる開発プラットフォームです。業務に特化したエージェントを構築し、WordやExcelなどのオフィス製品や業務システムと連携したワークフローの自動化を可能にします。
特徴として、Microsoft 365やMicrosoft Azureといった既存のクラウドサービスとつながっている点が挙げられます。
多くの企業がこれらを業務基盤として利用しているため、AIエージェントを既存業務に組み込みやすいでしょう。
Devin
Devinは、ソフトウェアの開発プロセス支援を自律的に実行できるAIエージェントです。従来の単機能AIでは、開発業務を補完する利用に留まっていましたが、DevinのAIエージェントは、目標に応じて自ら開発に必要な要件定義、設計、コーディング、テスト、デバッグ、デプロイまでを担います。これにより、開発プロセスにおいてエンジニアの負担を大きく軽減できます。

AIエージェントサービス選定のポイント
最適なAIエージェントを選定するためにも、次の選定のポイントを押さえておきましょう。
統合性
統合性とは、単体で利用するのではなく、複数の外部ツールといかに連携できるかを意味します。主に社内で利用しているクラウドツールであるMicrosoft TeamsやGoogle Workspace、業務システムであるCRMやERPなどと連携しながらタスクを実行させたいこともあるでしょう。そのためには、社内で利用しているシステムやツールと照らし合わせて選ぶと良いでしょう。
自律性
AIエージェントの大きな特徴の一つが自律性ですが、どの程度、自律的にタスクをこなせるかという思考・判断のレベルを見極めましょう。
またどこまで任せられるのかの線引きにも関係してきます。人による最終的な承認を置く場所を柔軟に設計できるかどうかを確認しておくことがポイントです。
セキュリティ
AIエージェントのサービスには、セキュリティ機能が備わっています。例えば、情報漏洩や不正アクセスを防ぐためのアクセス制御やログの蓄積と記録、データが保存される場所の可視化などの機能です。
しかし、ただセキュリティ設定ができるだけでなく、自社のセキュリティポリシーを満たせるものを選ぶ必要があります。またAIエージェントをどのような業務に利用するかによってもセキュリティ要件は大きく変わりますので、選定時には注意してください。
自動化のレベル
AIエージェントに、実際の業務においてどこまで自動的にタスクを実行させるかという運用上の観点も重要です。補助的に自動化する、人の承認を得て自動化する、完全に自律的に処理するといった段階的な自動化のレベルを選べるサービスもあります。自社の業務内容やリスク許容度に応じて、必要な自動化のレベルを柔軟に設定・運用できるかという視点で選定しましょう。

まとめ
AIエージェントの種類や具体的なサービス、サービス選定のポイントをご紹介しました。AIエージェントのサービスは複数ありますが、タイプや搭載されている機能が異なります。よく詳細を確認した上で、今回ご紹介した選定ポイントを参考に選定してみてください。
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