画像生成はAIに"任せる"時代へ。「AIエージェント×画像生成」でできることとは?
マーケティング業務において、SNSや広告、ブログ記事のアイキャッチ画像、動画に使用するサムネイルなどの画像の量産をする機会が増え、作業負荷が高いと悩んでいませんか? 生成AIで効率的に作成する方法を取り入れているものの、プロンプト(指示文)を一つ一つ考えて入力するのが手間に感じることもあるでしょう。
そんな方におすすめなのが、AIエージェントで画像を生成する方法です。
今回は、AIエージェントで画像生成することは従来の「画像生成AI」とどのような点で異なるのか、AIエージェントによる画像生成でできることやそのメリット、現場の働き方の変化、利用時のリスクを解説します。

従来の「画像生成AI」と「AIエージェント×画像生成」の違い
AIエージェントの定義と、従来の「画像生成AI」と「AIエージェント×画像生成」の違いを解説します。
AIエージェントとは?
AIエージェントとは、従来の単機能AIでは叶わなかった、複雑なタスクを自律的に実行することを目指したAIシステムです。機械学習や自然言語処理、デバイス制御などのAI技術を統合し、ユーザーが定めた目標を達成するために動作します。
AIエージェントを用いれば、カスタマーサービスの自動対応とオペレーターへのエスカレーション、議事録作成とタスク抽出、経費精算の自動照合や不正検知など、様々な業務領域で複数プロセスの自動化が可能です。その中で、画像生成を含む活用も進められています。
従来の「画像生成AI」と「AIエージェント×画像生成」の決定的な違い
AIエージェントで画像生成を行うことは、従来の「画像生成AI」を利用することと、似ているようで異なります。大きな違いは、主に次の3点があります。
・自律性
従来の画像生成AIは、人が細かな指示文(プロンプト)を与える必要がありました。一方で、AIエージェントの中には人が「目標」を与えるだけで、ビジネスの目的や背景を理解し、画像制作に必要な一連のプロセスを自律的に実行することができるツールもあります。
例えばブランドの世界観や目的にマッチする画像生成ができるものや、プロンプトの作成から画像の量産、修正、配信までを自律的に実行できるものがあります。
・一貫性
例えばSNS投稿の画像を生成する目的があった場合、AIエージェントに「Aという商品のターゲットに好まれるSNS投稿用の画像を作成したい」などの目標を指示すれば、企画立案から画像生成、SNS統合までの一連のプロセスを一貫して実行できる製品もあります。
従来の画像生成AIは、必要な画像をプロンプトに沿って生成するだけの単一の動作にとどまっていましたが、AIエージェントは、一貫性という点で異なります。
・継続性
従来の画像生成AIは、単発で終わり、記憶機能がないのが一般的です。そのため、次に別のプロンプトで画像を生成した場合、まったく異なるテイストの画像になることがあります。
一方、AIエージェントの中にはブランドの世界観の設定や履歴データを踏襲する機能を持つものもあるため、活用すれば、ブランドの世界観に沿った生成を継続しやすくなります。
【関連リンク】
AIエージェントとは?生成AIとの違いや特徴、活用例をご紹介

「AIエージェント×画像生成」でできること
AIエージェントで画像生成を行う際に、具体的にできることをご紹介します。
目的達成のためのプロセス遂行
単なる画像生成だけでなく、目的を達成するためのプロセス全体を遂行できるAIエージェントもあります。例えばSNS投稿用の画像であれば、単に画像を生成するだけでなく、SNS投稿まで一貫して行える製品があります。
社内システムや業務プロセスへの統合
AIエージェントの中には、既存の社内システムと連携できるものもあります。また一連の業務プロセスにAIエージェントによる画像生成の工程を組み込むこともできます。
プロンプト生成
生成AIに画像を生成させるには、プロンプトが必要です。しかし、複数種類の画像を、定期的かつ大量に生成するには、人が複数種類のプロンプトを開発する必要があります。これには多くの負荷がかかるでしょう。AIエージェントであれば、顧客ニーズのリサーチ結果や過去の配信データなどを参照し、プロンプトを生成することができます。複数のプロンプトを自動生成させれば、人が開発する手間を削減できます。
クオリティの高い画像生成
AIエージェントの最新のモデルでは、画像の描写や構図のバランスなどを細かく調整できる能力を持つものも出てきています。モデルによってはクオリティの高い画像生成が可能になるでしょう。
複数パターンの生成・量産
ビジネス要件を整理できるAIエージェントであれば、要件に基づく複数パターンの画像生成もできます。また、複数パターンの画像を量産することも容易にできます。
SNS投稿や社内共有
先述の通り、AIエージェントには一連のプロセスを遂行できる製品もあります。例えばSNSのアカウント用の投稿画像や広告画像などの生成を目的とする場合、画像生成後、SNS投稿まで実行させることもできます。また社内の必要なメンバーに対してメールで自動送付したり、ビジネスコミュニケーションツールであるSlackに送付・通知したりすることも可能です。
ターゲット分析・トレンド調査
AIエージェントの中には、外部ツールの活用やデータ連携により、画像生成だけでなく、多様なタスクを行えるものもあります。外部ツールを利用すれば、ただ画像を生成するだけでなく、その画像を見るターゲットやその画像に関連する商品・サービスのトレンドをあらかじめ調査することができるため、市場ニーズやトレンドに沿った画像生成を実行できます。

「AIエージェント×画像生成」導入のメリットと現場の働き方の変化
AIエージェントで画像生成する仕組みを導入するメリットと、導入することによる現場の働き方の変化をご紹介します。
複数パターンの画像生成が可能
AIエージェントを用いれば、一定の品質を保ちながら複数パターンの画像生成が可能になります。従来はデザイナーに依頼したり、生成AIで一つ一つプロンプトを打って画像を生成していた手間や工数、コストを効率化できます。特に、プロンプト設計に時間がかかっている現場では、大きな効果が期待できます。
デザイナーやスキルなしで実施可能
AIエージェントを用いれば、デザイナーへの依頼が不要になったり、デザインスキルがない人材であっても、容易に複数パターンの画像生成や量産が可能になります。その結果、人件費を抑えられ、コスト削減につながる可能性もあります。
働き方としても、デザイナーに依頼するというフローがなくなり、効率化します。
ブランドの世界観の統一
記憶性のあるAIエージェントを利用することで、ブランドの世界観を統一できます。例えば、SNSの広告動画を定期的に配信する場合、あらかじめAIエージェントにブランドの世界観や過去のビジュアルなどを学習させておくことで、ブランドに特化した画像生成AIエージェントを構築することができます。
ブランドの統一感が損なわれることは、ブランドイメージの低下や信頼喪失にもつながりかねません。そのため、AIエージェントはブランディング促進にも寄与するといえます。
キャッチコピーや動画化などマルチエージェントによる制作に発展可能
AIエージェントは、画像生成だけでなく、テキストや動画などの生成も担うマルチエージェントへと進化しています。
マルチエージェントを利用すれば、画像に添えるキャッチコピーの生成や、画像を元にした動画化などの発展形の制作も可能になります。単なる画像制作作業を、マーケティング効果を高める業務に拡張できる可能性があるでしょう。

「AIエージェント×画像生成」利用時のリスク
AIエージェントで画像生成を行うことは、さまざまなメリットが期待できる一方で、リスクもあります。あらかじめ踏まえた上で利用しなければ、思わぬ損失につながることがあります。最低限、次のリスクには注意しましょう。
権利侵害のリスク
AIエージェントで生成した画像は、著作権や商標権を侵害する恐れがあります。例えば、著作物に酷似した生成物は、著作権侵害が問われる場合があります。
誤情報・不適切画像の生成リスク
AIはモデルによっては誤った情報を提示することがあるため、そのような誤情報をもとに画像を生成してしまうと、第三者に損害を与える恐れがあります。
また倫理的に不適切であったり、バイアスがかかったコンテンツなど不適切な画像を生成するリスクも想定する必要があります。
権利侵害と誤情報・不適切画像の生成リスクを踏まえた上で、外部に配信する際には、人の目による徹底したチェックを行うなどして対策を立てましょう。
セキュリティリスク
セキュリティに関するリスクは大きく「企業データ利用時のセキュリティ」と「サイバー攻撃に対する防御セキュリティ」の2種類があります。
1.企業データ利用時のセキュリティ
AIに学習させる内容に機密情報や個人情報等が含まれていると、情報漏洩につながる恐れがあります。またデータ通信やアクセス権限などの関係から情報漏洩が発生することもあります。
AIに学習させる内容の精査やデータの暗号化は基本の対策です。もともとAIが生成した結果を学習しない仕組みを持ち、細かな権限設定ができるAIエージェントがおすすめです。
2.サイバー攻撃に対する防御セキュリティ
AIエージェントは「プロンプトインジェクション」などの悪意のあるプロンプトにより不正に情報を引き出すサイバー攻撃を受けるリスクがあります。
対策としては、随時、脆弱性をチェックする体制を持ち、強固なセキュリティ体制を整えているAIエージェントを選ぶことが大切です。ユーザー側でもパスワードの徹底した管理やアクセス権限の詳細の設定等を十分に実施しましょう。
最適なAIエージェントの選定
画像生成ができるAIエージェントは複数の種類があり、最適な製品の選定が求められます。例えば、マーケティング用途で利用する画像と、商品パッケージやロゴデザインに利用する画像とでは目的も特徴も異なります。利用目的とそれぞれのツールの特性に合ったものを見つけましょう。

まとめ
画像生成を行えるAIエージェントは、従来の画像生成AIと比較し、自律性や一貫性、記憶性に優れているものもあります。そのため業務効率化やコスト削減、業務の発展など様々なメリットが期待できます。権利侵害やセキュリティなどのリスクを踏まえながら対策を取り、適切なAIエージェントの利用を進めましょう。
AIエージェントは画像生成にとどまらず、社内業務全体の効率化にも活用の範囲が広がっています。
リコーは、社内ナレッジ検索やAI対話を実現するAIエージェント「RICOH デジタルバディ」を提供しています。例えば、画像制作における過去資料や企画背景を参照しながら、より一貫性のあるクリエイティブ制作を支援することも可能です。
指示一つで、複数資料を横断的に「自律探索」したり、社内資料に基づいた「根拠ある分析・統合」の提示をしたり、「まとまった成果物」の出力を行ったりと、全社展開を前提に使えるAIエージェントです。
特徴は社内資料をアップロードするだけですぐに使える手軽さのほか、マルチモーダルRAG*を搭載しており、文書内のテキストはもちろん、図面・グラフ・表・写真もAIが読み取り検索・回答する点にあります。
*RAGは生成AIと検索機能を組み合わせた技術。マルチモーダルRAGは、テキスト、画像、表、グラフ、図、フローチャートなどのさまざまな形式が混在しているデータを検索・参照し、それらをもとに回答を生成する技術。
「自社の業務で活用できるのか知りたい」 「実際にどのように導入できるか具体的に知りたい」 といった場合は、貴社の業務に合わせた活用方法をご提案いたします。
お気軽にご相談ください。











