導入事例 CASE

チャットボット導入でコールセンターのオムニチャネル化を実現

リコー社内向けコールセンターであるインフォデスクグループは、多数の商品を取り扱わなければならない営業社員の負担軽減および販売促進のため、後方から情報支援を行う役割を担っています。同グループでは、さまざまな先進技術やアイデアを駆使して、ユーザーである営業社員の利便性向上やお客様の企業価値向上に向けて、コールセンターのオムニチャネル化に挑みました。その際、どのような考えに基づいて、どのような取り組みを行ったのか、そしてチャットボットがどう役立っているのか、担当者に話を聞きました。

リコージャパン

創立:1959年5月2日
資本金:25億円
従業員数:18,240名(2019年4月1日現在)
URL:https://www.ricoh.co.jp/sales/about
事例取材先:経営企画本部 CSセンター
主な業務:社内向けコールセンター業務
所在地:神奈川県川崎市川崎区日進町14-14 キューブ川崎 3F

これまでの課題

  • 1
    コールセンターのオムニチャネル化に対する当社独自の対応を模索していた。
  • 2
    利用者目線での自己解決型チャネル導入の必要性があった。
  • 3
    必要な情報へのアクセス効率化・スピードアップが求められていた。

Chatbot導入効果

  • 1
    従来の電話に加え、FAQやチャットボットを加えたオムニチャネル化に成功した。
  • 2
    電話問い合わせ比率が90%から50%に低減し、自己解決型チャネル活用が定着した。
  • 3
    場所や時間にとらわれずに効率よく情報にアクセスできる環境を整えることができた。

社員インタビュー

  • 経営企画本部 CSセンター
    第三コンタクト部 部長 池田

  • 経営企画本部 CSセンター 第三コンタクト部 BB相談グループ兼インフォデスクグループ
    グループリーダー 阿部川

必要な情報へのアクセスを効率化する『自己解決型チャネル』として導入

RICOH Chatbot Service導入の背景にあった課題を教えてください。

「リコー内にはお客様向けおよび社内向けのコールセンターがあります。今回チャットボットを導入したのは、そのうち社内の営業を支援するチーム。当社では多くの製品・ソリューションを提供していますが、製品等の技術情報をはじめとするさまざまな情報支援を行うのが当該チームの役割です。近年、コールセンターはオムニチャネル化が進んでおり、チャットやチャットボット、AIによる音声認識などさまざまな技術を活用した新たなチャネルが開拓されています。BtoC領域で先行していましたが、現在BtoB領域での取り組みも加速しつつあります。そういった大きな波の中で、当社の強みを発揮したオムニチャネル化の形を模索していました」

RICOH Chatbot Service導入の目的を教えてください。

「リコーの強みを発揮したオムニチャネル化を進めるにあたり、時間や場所にとらわれず働きたいと考えている利用者目線で発想する必要があります。そのためには、時間や場所に制約されずに自動で問題を解決する利便性の高い自己解決型のチャネルが不可欠で、その1つとして選択したのがRICOH Chatbot Serviceでした。
同社の営業1人が扱う製品は非常に幅広いために、すべての製品情報を記憶するのは困難です。必要な情報はその都度カタログやマニュアルなどを調べれば確認することはできますが、種類が多いために非常に手間と時間がかかります。いかに素早く効率的に営業がその時々に必要としている情報にアクセスできるかということが営業担当が持つ大きな課題の1つでした。

チャットボット製品の選択にあたっては他社製品も検討しましたが、RICOH Chatbot Serviceの機能精査・向上も狙いとした社内実践先を募集していることを知り、当チームへ導入を決定しました」

継続的なブラッシュアップが活用のポイント

導入時に工夫したことや運用のポイントを教えてください。

「既存のFAQをチャットボットに実装するようなイメージで構築を進めました。当時、FAQには600程度のコンテンツがあり、それをうまく生かしながら構築する必要があったために少し工夫が必要でした。

公開前にはコールセンターのオペレーターが電話問い合わせ時に実際にチャットボットを使って回答を探すことで内容を確認。回答精度を徹底的に磨き上げてから社内公開しました。

導入後は回答ヒット率や満足度などを見ながら日々ブラッシュアップを行っています。知りたい内容が同じでもさまざまな言い回しがありますので、実際にヒットのなかった履歴などを参照して一つ一つ徹底的に表現のバリエーションなどをチェックして改善しています。製品や社会の状況変化に伴って、問い合わせ内容や使用されるキーワードは刻々と変化していくために、継続的なブラッシュアップ作業はチャットボット活用にとっては非常に重要です」

電話比率は、導入1年後には90%から50%に削減

RICOH Chatbot Service導入の効果はどのように現れていますか。

「RICOH Chatbot Service導入前、月当たり合計で約4,000件発生していた問い合わせのうち約90%が電話によるものでした。導入して約1年後、電話の比率は約50%に低減。チャットボットの利用率は20%に達しています。導入前にはFAQは公開していたものの、やはり『電話で聞いたほうが早い』という認識が一般的で、電話の比率はそれほど下がらないだろうと想定していました。しかし、導入後はチャットボットとFAQへのアクセスが半数を占め、オムニチャネル化による自己解決型の問題解決促進の効果が現れていると判断しています。

営業現場からは、特に移動中などで通話ができなかったり、PCが使えない状況にある時に、スマートフォンからアクセスできるRICOH Chatbot Serviceの利便性は大きいという声が聞こえています。また、従来FAQで調べる場合、回答に達するまでに平均4クリックの操作が必要でしたが、チャットボットを利用することにより原則ワンクリックで回答に到達でき、必要な情報へより素早くアクセスできるようになりました」

現状の課題、目指すべき方向について教えてください。

「直近の課題は、さらに社内での認知度を上げる必要があることです。
中長期の課題としては、RICOH Chatbot Serviceを活用して、どのような価値をお客様に提供していけるかです。 今回導入した営業支援のコールセンターでも、チャットボット導入によって削減できた電話対応向けのリソースを、お客様向けコールセンターにも振り分けることで応答率が向上するなど、お客様満足につながり始めています。今後は、例えば今回培ったノウハウを活用することで当社が請け負うお客様のヘルプデスクをオムニチャネル化し、リソース配分の最適化による顧客サービス向上を実現するなど、お客様に新たな価値を提供することを目指していきたいです」

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