導入事例 CASE

チャットボット導入で働き方改革 - 問い合わせ1,000件削減

リコージャパン コーポレートセンター 経理部では、組織機能集約に伴って業務効率化/生産性向上に積極的に取り組んできました。そのような中で課題となってきたのが、全社から寄せられる経理関連の手続き/処理方法に関する問い合わせ対応です。機能集約によって問い合わせが集中するために発生件数も多く、それが本業の経理業務の効率化や生産性向上の妨げになっていました。同部では「イノベーションチャレンジ」の一環としてチャットボット導入による課題解決に踏み切ります。具体的にどのようにして課題を解決していったのか、担当者に話を聞きました。

リコージャパン

創立:1959年5月2日
資本金:25億円
従業員数:18,240名(2019年4月1日現在)
URL:https://www.ricoh.co.jp/sales/about
事例取材先:コーポレートセンター 経理部
主な業務:社内経理業務
所在地:東京都港区芝3-8-2 芝公園ファーストビル

これまでの課題

  • 1
    経理部にとって、全社から集中する電話問い合わせが本業の業務効率低下を招いていた。
  • 2
    経理部にとって、頻繁に発生する電話問い合わせがリモートワークなどの働き方改革推進の阻害要因となっていた。
  • 3
    社員にとって、経理関連のマニュアルが各所に散在し、どこを探せば疑問が解決するのか分かりづらかった。

Chatbot導入効果

  • 1
    電話問い合わせが3カ月で1,000件減少。本業の業務効率が向上した。
  • 2
    代表電話着信が減少したことで気軽にリモートワークがしやすくなり、働き方改革が促進された。
  • 3
    経理関連の疑問を調べる入り口がchatbotにまとまることで、解決までの時間が大幅に短縮された。
    同時に、経理部もchatbotを利用することで、問い合わせ対応にかかる時間も短縮された。

社員インタビュー

  • 経営企画本部 コーポレートセンター
    経理部 部長 本村

  • 経営企画本部 コーポレートセンター
    経理部 経理グループ 河田

機能集約により電話問い合わせが増加し、本業を阻害

チャットボット導入前にはどのような業務上の課題があったのでしょうか。

当社全体で組織機能の集約を図っていく中で、経理組織も集約による業務効率化や生産性向上を目指してきました。そこで見落としていたのが、機能集約に伴う全社員からの問い合わせ対応でした。集約により問い合わせが1カ所に集中し増加。ランダムに発生する電話対応に追われて本業に集中できないという問題が発生しました。

本来は事務系タスクが主なはずの経理業務ですが、問い合わせ電話が頻繁に入ってくるため在宅ワークなどに切り替えるのが難しく、働き方改革推進の阻害要因にもなっていました。

実際、経理の現場向けマニュアルやFAQは準備はしているのですが、それがイントラサイト上のさまざまな場所に点在しているため、どこのどの資料を見れば自分の悩みが解決するのかが分かりづらい、という声も現場から多くあがってきていました。

「RICOH Chatbot Service」を導入したきっかけはどのようなものだったのでしょうか

▲経理FAQチャットボット

消費税増税に伴って、税率の計算やその他さまざまなルール変更を周知徹底する必要が生じましたが、そのためのQ&Aの仕組みなどもありませんでした。そこで、AIを使った一次受付ができないものか検討していたところ、RICOH Chatbot Serviceの社内施策での活用先を募集していることを知り、消費税増税の一次受付に活用できるのでは、と考えたのが導入のきっかけです。

最終的には消費税増税に限らず、経理部に問い合わせの多い交際費ルールや立替精算の処理方法、システム操作方法なども同じようにAIで一次受付すれば楽になるのではないか、という発想で本格導入を進めることになりました。

問い合わせ内容を洗い出し、2週間でカットオーバー

導入はどのように進められたのでしょうか。

まず、頻繁に発生している問い合わせ内容を洗い出し、その中でどれをチャットボットで一次受付させれば効果的かを検討しました。スタート時点は本当に必要な項目のみに絞り込みました。

そこまで準備が進むと、あとはQ&Aやキーワードなどを使い慣れたEXCELのQ&AデータにしてRICOH Chatbot Serviceにアップロードするだけです。準備作業はとても簡単なので、チャットボット導入決定から約2カ月、チャットボットの実装は2週間でカットオーバーできました。

導入時に苦労したのは、全社員にチャットボットの存在を知ってもらうことでした。PC立ち上げ時に表示されるポップアップメッセージで告知したり、全社掲示板に掲載したり、また、経理部から通達文などを出す際に問い合わせ先をチャットボットのURLにしてみたりするなどさまざまなアイデアを駆使して認知度向上を図りました。

3ヶ月間で1,000件前後の電話問い合わせを削減。
難しかった在宅勤務も組織内で浸透。

RICOH Chatbot Service導入後の効果はどのように現れていますか。

 

リリース後3カ月で、RICOH Chatbot Serviceへの問い合わせが合計約1,300件発生しました。すべて電話に流れていたわけではないと思いますが、少なくとも3ヶ月間で1,000件前後の電話、工数に直すと約100時間分が削減できました。実際に以前は日に30~40件発生していた部門代表電話は、今では日に1,2件鳴るかどうかのレベルにまで激減しています。

問い合わせ減少によって本業への集中が妨げられることがなくなり効率もアップ。より質の高い経理業務をこなせるようになっていると感じています。
また、これまで難しかったリモートワークも、当部において半年間で50%*のリモートワーク率を達成し働き方改革も進んでいます。私(河田)もちょうど娘を授かり、リモートワークによって育児参加ができたことでその効果を実感しています。

*2019年10月から20年3月の半年間に、月に1回以上のリモートワークを行った者の割合を月次で計測。その平均値が50%。

問い合わせする側の社員から見ても、疑問点を調べる入り口が1つにまとまったために、従来と比較して、答えにたどり着くまでの時間が大幅に短縮されました。チャットボットでQ&Aを整備することでさまざまな知識が整理され、経理部での問い合わせ回答に要する時間も短縮されたり、部門内でのスキルの平準化が図れたりするという効果も現れています。

今後の取り組みについて教えてください

▲リコージャパンで社内実践しているチャットボットの一部

今回のRICOH Chatbot Service導入の背景には、当社の経営方針として業務効率化や生産性向上のために業務のやり方を根本的に見直していこうという『イノベーションチャレンジ』の取り組みがありました。そのような取り組みの一環として経理部で立ち上げたチャットボットは、その後総務や人事、ITの各部門版も立ち上がり、各所で成果を上げています。
当部では、チャットボット実施の先駆け部門として、回答満足度の更なる向上を目指し、FAQ内容の精査・調整を継続的に実施したり、チャットボット企画・開発部門にユーザビリティや改善要望をフィードバックしていきます。

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