チャットボットのメンテナンスが重要な理由とは?
各シーンで導入が進んでいるチャットボット。導入企業は、チャットボットを運用しながら、どのような質疑応答がされているかの確認だけでなく、メンテナンスを実行して回答精度を上げています。実はチャットボットで各種ビジネスの成果を出すためには、このメンテナンスがカギを握っているのです。
そこで今回は、チャットボットにおいてメンテナンスが重要な理由やメンテナンスに関する主な課題と解決策を解説します。
チャットボットは、導入後に失敗に陥ってしまうケースがあります。さまざまな失敗がある中で、今回は、よくある失敗を2つご紹介します。
●チャットボットの利用率が低い
よくあるのが、チャットボットが利用されないというものです。これにはさまざまな原因が考えられます。例えば「チャットボットが期待する回答を返していない」「チャットボットの存在に気付く人が少ない」といった原因が挙げられます。●チャットボットを導入しても有人対応が減らない
電話の問い合わせを減らしたいというのが導入目的だった場合に、チャットボットの利用がされず、なぜか電話問い合わせが減らないという失敗もよくあります。ユーザーは、チャットボットに聞くより、人に問い合わせたほうが早いと考えてしまうなどの原因が考えられます。これらのよくある失敗に共通している大元の原因として、事前のシナリオ・Q&Aデータ設定や機械学習が十分でないことが考えられます。
チャットボットは、導入時にある程度、シナリオやQ&Aデータの登録や学習が必要です。チャットボットには大きく分けてシナリオ型、辞書型、AI型の3つがありますが、どれも事前に作業が必要です。シナリオ型はユーザーがたどるシナリオ、辞書型はQ&Aデータをいかに多く登録しておけるかによって回答精度の質が変わってきます。また、AI型はユーザーと対話しながら学習していく仕組みであるとはいえ、そのためには事前に膨大な量の機械学習が必要です。これらの対応が十分でないと、チャットボットの精度が低いため、ユーザーに満足してもらえない結果につながってしまいます。
しかしながら、導入時に十分な設定や学習を行ったのにも関わらず、成果が出ないというケースも考えられます。その場合は、メンテナンスが重要になってきます。
チャットボットの運用を成功させるためには、定期的なメンテナンスを行い、回答精度を上げていくことが必要です。メンテナンスとはどのようなものなのか、またその重要性を確認しておきましょう。
●チャットボットのメンテナンスとは
チャットボットは、導入後にユーザーがチャットボットに入力した問い合わせに対し、適切な回答を返せないケースや、回答は返すものの、的外れの回答だったり、ユーザーの満足度が低かったりするケースが出てきます。チャットボットの導入初期の頃は、こうしたケースが起こることはどうしても避けられません。そこでメンテナンスが役立ちます。
チャットボットのメンテナンスとは、主に回答できなかった質問に、以後は回答できるように調整したり、ユーザーからよく質問されている内容を補填・拡充したり、満足度の低かった回答の精度を上げたりして、チャットボットのレベルを上げていくための調整・チューニング作業全般を指します。
チャットボットは、シナリオや辞書などに基づいてユーザーからの回答を返す「ルールベース型」と、AIによる機械学習によって回答を返す「AI型」に分かれ、それぞれメンテナンス方法が異なります。
ルールベース型であれば、ユーザーからの質問に回答できなかったものの回答を追加したり、さらに必要なQ&Aを追加したりします。AI型であれば、定期的にAIに学習させる教師データを追加していき、回答精度を向上させるなどします。
●チャットボットのメンテナンスの重要性
チャットボットは、メンテナンスがとても重要です。なぜならチャットボットは、導入開始後は特に、使い勝手が完璧ではないためです。放置してしまうと、ユーザーが「使いづらい」「知りたい情報が返って来ない」などが原因で離脱しやすくなり、最終的には利用されなくなってしまう恐れがあります。チャットボットのメンテナンスを行う場合、次のような課題が生じることがあります。それぞれの課題について、解決策をご紹介します。
●専任担当者がおらず、メンテナンスに時間が割けない
チャットボットを導入した後、メンテナンスを実施するといっても、専任の担当者がおらず、時間を割けないというのはよくある課題です。【解決策】 導入前にチャットボットのメンテナンスの重要性を社内にしっかりと周知し、メンテナンスを確実に行うための運用体制を整えておくことが求められます。また担当者が1人というのは負担が大きいため、チームで運用していくとより良いでしょう。
また導入するチャットボットの種類やサービスによってもメンテナンスの作業負荷は変わってきます。選定時に作業内容を確認し、できるだけ負荷の少ないものを選ぶようにするのも大切といえます。
●メンテナンスをどのように実施すれば良いかわからない
チャットボットのメンテナンスは、決まったやり方がないため、どのように実施すればいいのかわからないという課題があります。チャットボット導入後、ユーザーの利用率や質問内容などに応じてメンテナンスの実施が必要なケースが出てきます。【解決策】 チャットボットのメンテナンスは、確かに決まった手順はありませんが、たいていの場合は「1. ログデータの取得、2. ログ分析、3. Q&Aの確認4. シナリオや辞書、学習データの修正、5.チャットボットへの反映」という流れで行うことが可能です。この流れを定期的に実施しましょう。導入開始当初はできるだけ頻度高く実施し、ある程度、効果が現れてきた段階で1ヶ月に1回のペース等に落としていくと良いでしょう。
またチームで話し合い、最適な方法を検討することもおすすめです。
●利用しているチャットボットサービスのメンテナンスがしにくい
メンテナンスの際、ログデータの取得だけでなく、さまざまなデータを元に利用状況を分析することが重要です。その際、利用するチャットボットサービスがそうしたデータを抽出できないものであれば、当然、自身で抽出する必要があり、困難を極めます。また、操作性が良くなく、むずかしくて使いこなせないという問題が生じることがあります。
【解決策】 導入するチャットボットサービス選定時には、操作性の良さや管理画面の見やすさ等のインターフェース面を確認してから決めるのはもちろんのこと、データ分析に役立つ機能があるかどうかの確認も重要です。例えば、問い合わせ対応件数や、ユーザーからの満足・不満足の評価やコメント、回答できなかった質問などのあらゆるデータを管理画面のダッシュボード等で閲覧できるチャットボットサービスがあります。そうしたデータ分析に役立つという点で選ぶのをおすすめします。
いずれの課題に対しても解決策となるのは、導入するチャットボットサービスの運用サポートを頼ることです。チャットボットサービスの中には、メンテナンスに関してアドバイスを行ってくれるものもありますので、よく事前に確認しましょう。
メンテナンスを確実に実施していくためには、あらかじめチャットボットサービスをよく選定することが必要です。
リコーのチャットボットサービス「RICOH Chatbot Service」は、上記のメンテナンスの課題を効率的に解決することができます。
本サービスでは、管理画面において、修正候補となる質問・回答を自動で20件まで表示し、同じ画面上で質問・回答を修正できるため、わざわざ自ら検索をかける必要なく、効率的にチャットボットのメンテナンスを行うことができます。
また、誰でも簡単に直感的に操作できるうえに、管理画面やダッシュボードはグラフィカルで見やすいのも特長です。問い合わせ対応件数、ユーザーからの満足・不満足の評価やコメント、回答できなかった質問、問い合わせの多い質問、カテゴリ別の回答状況、チャットボットが起動したページなどのあらゆるデータを確認することができます。
サポートも充実しており、メンテナンスに関しても何かお困りのことやご不明点があればサポートがご対応しております。
メンテナンスに課題を感じている方や、メンテナンスの点で不安があり導入を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。
チャットボットのメンテナンスは、チャットボットの回答精度を上げ、ユーザーの満足度を高めるために非常に重要な業務です。その意義やメリットをよく理解したうえで、課題を解決することが、成功のカギを握ると言っても過言ではありません。優れたチャットボットサービスを選定し、メンテナンスを効率的に実施しましょう。
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