FAQサイトを作るとき解決率の高いサイトにするにはどのように作れば良い?レイアウトのコツまで徹底解説!

FAQサイトとは、顧客からのよくある質問やその回答をまとめたWebサイトのことです。近年、企業に対しては、顧客満足度の向上や業務効率化などのために、質の高いFAQサイトが求められる傾向にあります。この記事では、FAQサイトとは何か、活用するメリット、解決率が高いFAQサイトを作るポイントを解説しています。自社のFAQサイト作成の参考にしてください。
FAQサイトとは、顧客からのよくある疑問や相談をまとめたWebサイトのページです。「Q.分割支払いはできますか?」「A.できます」などの形式で作成されます。
FAQサイトは、インターネットが普及し、企業がサービスサイトを持つようになってから活用されるようになりました。現在では多くの企業が採用していますが、十分な効果を発揮できていない企業も少なくありません。次項から、手順やレイアウトのコツなどを解説します。
FAQサイトを上手に活用すれば顧客と企業の双方にメリットがあります。ここでは、3つの観点から解説します。
顧客満足度の向上につながる
時間や場所を問わず、すぐに回答を得られるFAQサイトを運営すれば、結果として顧客満足度の向上につながります。営業時間内に電話ができない顧客や、すぐに回答を知りたいユーザーのサポートも可能です。現在は従業員からの福利厚生や就業規則などへの質問に対応するFAQサイトも一般的になってきました。社内向けFAQサイトは、従業員満足度の向上にもつなげられます。
問い合わせ件数を削減できる
FAQサイトによって顧客が自己解決できれば、そのぶん問い合わせ件数が減ります。そのため、定型的な質問にわざわざスタッフが対応する必要も少なくなるでしょう。結果として、カスタマーサポートの負担軽減や、従業員が本業に集中しやすくなることにつながります。
マーケティングに活用できる
FAQサイトへのアクセス数や回答への反応などのデータを分析すると、顧客ニーズを発見できます。たとえば、関連ツールとの連携についてのFAQがよく読まれていれば、拡張性のニーズが高いことがわかります。操作方法へのアクセスが多ければ、ユーザーインターフェースに問題があるかもしれません。このようなフィードバックを効率的にするには、FAQサイトと連動できるツールを導入し、分析機能を活用することが必要です。
効果的なFAQサイトを実現するためには、単に質問と回答を並べるだけでなく、戦略的な視点が必要です。特に気を付けるべきポイントを2つ解説します。
ユーザー目線でのコンテンツ設計
最も重要なのは、ユーザーが本当に知りたい情報は何かを徹底的に考えることです。社内だけで想定問答集を作るのではなく、実際の問い合わせデータや顧客アンケートを分析し、ユーザーが使う言葉でコンテンツを作成しましょう。専門用語を避け、初心者でも理解できる簡単な表現を心がけることが、自己解決率を高める第一歩です。このユーザー目線のコンテンツ設計は、どの業界においても共通する成功の秘訣と言えます。直感的に操作できるUI/UXデザイン
ユーザーが求める情報にたどり着けないFAQサイトは存在しないのと同じです。優れた検索機能や、論理的で分かりやすいカテゴリ分類といったデザイン(UI/UX)は極めて重要です。他社の優れたFAQサイトを比較・分析し、自社に合ったレイアウトや機能を取り入れることを検討しましょう。ユーザーがストレスなく情報を探せるナビゲーションを設計することで、顧客満足度は飛躍的に向上する可能性を秘めています。FAQサイトの作成は、「目標設定→質問・回答の作成→FAQシステムの導入→サイト公開」の手順で進めます。それぞれのステップを解説します。
目標を確認する
FAQサイトをどのような目的で作成するか決めましょう。たとえば、顧客満足度の向上、問い合わせ対応の工数削減、業務負担を軽減して離職率を低下させたいなどの目標を決めます。これらについて優先順位と目標数値を設定すると、さらに具体的になります。必要な質問と回答を作成する
過去の問い合わせ内容を元に必要な質問と回答を作成します。安全や情報セキュリティに関するような重要な内容は、従業員が内容を精査することも大切です。手元にデータがない場合は、他社のFAQサイトやそれに準じるページを参考にするのもよいでしょう。急がないならば、顧客に対してアンケートやインタビューを実施する方法もあります。
効率的にFAQサイトを構築したい場合には、専門業者を利用するのもよい方法です。ノウハウを持つ業者から、Q&Aのテンプレートやガイドラインの提供などの支援を受けられます。
FAQシステムを選定・導入する
FAQシステムとは、検索機能やレコメンド機能などをFAQサイトに実装できるツールです。また、FAQを効率的に作るための機能や、アクセス分析を視覚化する機能など管理者向けの機能もあります。さまざまなタイプがあるので、自社に適したものを選びましょう。選定のポイントとしては、Excelファイルやデータベースなど、現在のデータ資源を移行しやすいかどうかが重要です。また、運用者のスキルに応じた使いやすい製品を選びましょう。たとえば、HTMLの知識がなくてもFAQシステムを導入できる製品もあります。
FAQサイトを公開する
FAQサイトを公開する方法の1つは、最初から本運用で公開する方法です。社外ユーザーへのFAQサイトでは、スモールスタートしても利便性が低く運用者の手間もかかるため、この方法がとられます。ただし、重要度が高い情報の内容は十分注意して記述します。一方、社内向けFAQサイトなどでは、範囲を限定して公開することや、反応をみながら追加・修正していくのもよいでしょう。

FAQサイトは作成後の「運用」こそが重要です。効果的な運用には具体的な指標(KPI)の設定が欠かせません。ここでは、主要なKPIとその改善策について解説します。
「自己解決率」の計測と向上
FAQサイト運用の最重要KPIは「自己解決率」です。これは、ユーザーがオペレーターに頼ることなく、FAQサイトだけで問題を解決できた割合を示します。この数値を計測する作り方として、各FAQコンテンツの末尾に「この記事は役に立ちましたか?」といったフィードバックボタンを設置するのが一般的です。解決率が低いページは、内容が分かりにくい、情報が古いなどの問題がある可能性があります。回答のリライトや図解の追加、関連情報のデザインを見直すといった改善を行うことで自己解決率の向上を図ります。KPIに基づいたコンテンツの管理と改善
自己解決率のほかにも「ページビュー数」「検索キーワード」などのデータを定期的に分析する管理体制が重要です。例えば、「閲覧数は多いが解決率が低い」ページは、多くのユーザーが関心を持つ一方で内容に不満を抱いている証拠であり、最優先で改善すべき対象です。改善プロセスのマニュアルを作成し、担当者が迅速に対応できる仕組みを整えましょう。他社の運用状況と比較し、自社の目標値を設定することも有効になります。ゼロ件ヒットクエリの分析から新たなニーズを発見
ユーザーがサイト内検索をしても、該当する回答が1件も表示されなかったキーワード、いわゆる「ゼロ件ヒットクエリ」は、顧客ニーズの宝庫です。これは、顧客が求めているにもかかわらず、企業が提供できていないコンテンツの存在を示唆します。この分析は、特に変化の速い業界において、顧客の新たな課題をいち早く察知し、サービス改善につなげるための重要なヒントとなります。
解決率が高いFAQサイトにするにはどうしたらよいのでしょうか。情報の配置やカテゴリ分け、アコーディオン形式の採用などの6つのコツを解説します。
閲覧数の多いFAQをページ上部に表示する
需要が多いFAQは、サイトの目立つ位置に表示しましょう。トップページにランキング形式でFAQのリストを表示することも効果的です。また、季節によって利用方法が変わる場合や新製品を販売した場合など、アクセスが増えた注目キーワードを優先表示すれば、顧客の利便性も高まります。このような運用を手動ですることも可能ですが、現在はFAQシステムのデータ分析機能やAIを活用することも一般的です。
FAQをカテゴリ分けする
FAQの量が多い場合は、カテゴリ分けが必須です。製品別や利用目的別など、顧客の立場になって内容を分類しましょう。同一サービスでも、料金プランや解約手続きなどのカテゴリで細かく分けて解決率を高めることも可能です。カテゴリが適切であれば、顧客は目的の情報にスムーズにアクセスすることができます。また、スタッフへの問い合わせ件数が減りやすくなります。
回答詳細はアコーディオン形式で表示する
回答詳細をアコーディオン形式で表示すると、FAQサイトが見やすくなり、利用者のストレスを減らせます。アコーディオン形式とは、「+」や「>」ボタンを設けておき、回答詳細を見たい人だけが、折りたたまれた情報を開ける方法です。FAQサイトは網羅性も大切ですが、薬の注意書きのような読みにくい印象を与えることは好ましくありません。すっきりしたレイアウトになるアコーディオン形式を積極的に活用しましょう。
問い合わせ動線を設置する
FAQサイトのみで解決できなかったときのルートも用意しておき、適切に誘導しましょう。FAQサイトからの問い合わせ動線でまず効果的なものは、チャットボットです。チャットボットとはAIやプログラムが、文字入力や音声入力に会話方式で応対するシステムです。FAQサイトよりも柔軟な対応が可能なことが特徴で、たとえば自由形式のテキストをAIが解釈して適切な回答を表示できます。利用者が見つけられなかった回答を適切に表示することができ、満足度も高まります。
関連するFAQへの動線を設置する
複数の疑問を抱えてFAQサイトに訪問するユーザーも多いため、関連するFAQへの動線を設置しておくことも有効です。たとえば、タブレット端末のFAQなら「電源ボタンを押しても反応がない」という問題が解決できたら、「バッテリーがすぐに切れる」などのFAQも表示するなどです。こうすることで、さらなる解決を促せます。ただし、関連情報の動線を整理するには、顧客行動を解析しなければならないことも少なくありません。そのため、シナリオ作成をサポートする機能を持つFAQシステムを導入する企業も増えてきました。
レスポンシブデザインにする
レスポンシブデザインとは、ユーザーのデバイスや画面サイズに応じて表示レイアウトが変わるWebサイトの仕様です。たとえば、小さな画面のスマートフォンでもFAQの内容が見やすく表示されます。レスポンシブデザインで設計することは、運用側にとってもメリットがあります。パソコン用とスマートフォン・タブレット端末用でサイトを分けて作らなくてもよいからです。
ここでは、解決率の高いFAQサイトを作成するために、検索性向上やチャットボットの併用など5つのポイントを解説します。
検索機能を使いやすくする
スムーズに必要な情報にアクセスしてもらうためには、検索機能が重要です。たとえば、キーワード検索をすると、FAQサイトでヒットした内容を一覧表示するなどです。ただし、高度な機能を実装すればよいわけではありません。よく検索されるキーワードを選べるようにしておくなど、顧客の検索負担を軽くすることにも配慮しましょう。
理解しやすい回答を作成する
回答内容は新規顧客など基礎知識を持っていない人に合わせることが基本です。したがって、専門用語はできるだけ避け、誰が読んでもわかるような表現を使います。また、文字情報だけでなく、図や画像も積極的に用いましょう。直感的に理解できる説明は解決率を高めるからです。複雑な説明を必要とする回答で動画を使うこともめずらしくありません。
チャットボットを設置する
FAQサイトの補助として、または解決できなかったときの手段として、前述したようにチャットボットを設置する企業が増えています。チャットボットに会話方式で質問したり、チャットボットから提示された選択肢を選んだりすることで、目的の情報に辿り着ける確率を高められるからです。近年はAI搭載のチャットボットも増えており、定型的な内容だけでなく複雑であいまいな内容にも対応できるようになってきました。チャットボットをFAQサイトと有人接客の間に挟むことで、解決率を高められます。
チャットボット(Chatbot)とは?│初心者にもわかりやすく解説
最新の情報を掲載する
FAQサイトの情報更新も重要です。回答内容が古くて役に立たない情報になっているかもしれないからです。また、新旧の情報が混在することで、検索性が悪くなることもあります。FAQサイトは作ったら終わりでなく、現在の状況に合わせて最適化を続けることが大切です。フィードバックを受けて見直す
ユーザーからのフィードバックを受けて、定期的に内容や表現を見直し、改善することも必要です。たとえば、カスタマーセンターに「FAQサイトがわかりにくい」などのクレームが来たら、その原因を考える必要があります。FAQシステムのなかには、「解決しましたか?」などの質問をポップアップして、自動的にアンケートが取れるものもあります。結果を分析することで効率的な改善ができるでしょう。

解決率の高いFAQサイトを作成するポイントとして、チャットボットをご紹介させていただきました。
そもそもチャットボットとはWebサイトやアプリなどに組み込むことで、ユーザーの質問に自動で回答することができるシステムのことです。
FAQサイト内で解決できなかったときの手段として、チャットボットを設置する企業が増えてきていますが、質問の量や活用シーンによって、 FAQサイトとチャットボットのどちらを使うべきか見極めることが必要となります。
質問の量
チャットボットには事前にシナリオを作成し、組み込むことが必要となります。質問量が多い場合は、組み込み準備などに手間のかからない、FAQサイトが向いています。
活用シーン
FAQサイトはよくある質問や細かい情報を確認したい場合に活用されることが多く、チャットボットは会話形式で気軽なコミュニケーションを行いたい場合に活用されることが多いです。チャットボットとFAQシステムの違いとは? チャットボットの導入事例16選!業界別の事例や導入手順・費用も解説
近年のAI技術の進化は、FAQサイトへも大きな影響を与えています。以下では代表的なAIを活用したFAQサイトの最新トレンドをご紹介します。
検索精度を飛躍させる「セマンティック検索」
従来のキーワード検索では、完全に一致する言葉でなければ回答を見つけにくいという課題がありました。しかし、AIを活用した「セマンティック検索(意図理解検索)」は、単語の表面的な意味だけではなく、文章の文脈や背景にある意図を理解します。この技術の作り方は高度ですが、導入すれば、ユーザーが多少曖昧な表現で検索しても、AIが最適な回答候補を提示できるようになります。これにより、従来の検索システムと比較して、検索精度が劇的に向上し、顧客の自己解決を強力に後押しします。FAQコンテンツの自動生成と管理の効率化
生成AIの登場により、FAQコンテンツの作成と管理が大きく変わる可能性があります。AIがオペレーターと顧客の対話ログや、既存の製品マニュアルを読み込み、FAQの質問と回答の草案を自動で生成する技術が実用化されつつあります。これにより、FAQ担当者の作成工数が大幅に削減され、より創造的な改善業務に集中できるようになります。情報の鮮度が重要な製品・サービスにおいて、迅速なコンテンツ更新が可能です。パーソナライズされた回答の提示
AIは、顧客一人ひとりの過去の行動履歴や契約情報などを分析し、その顧客に最も関連性の高いFAQを優先的に表示したり、回答のデザインや内容を動的に変更したりすることを可能にします。例えば、初心者ユーザーには基本的な情報を、上級者ユーザーには専門的な情報を見せる、といったパーソナライズです。個々の顧客に最適化されたサポートを提供することで、これまでにないレベルの顧客満足度の実現につながります。
オンライン経由で自己解決したいユーザーが多いなか、FAQサイトの重要性が増しています。ただ、FAQサイトだけでは限界があるため、導入が進んでいるのがチャットボットです。チャットボットは会話形式の柔軟な応対ができるため、顧客の解決率を高められます。
RICOH Chatbot Serviceは学習済みのAIを使用し、表記ゆれを自動で吸収できるチャットボットです。FAQサイトにタグをコピー&ペーストするだけの簡単導入で、自動運用をスタートできます。Q&Aのテンプレートや作成ガイドの提供などの手厚いサポートもあるため、安心してお任せください。
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