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最終更新日:2025年11月17日

チャットサポートとは~メリット・デメリットや事例を紹介

最近は、企業やブランドなどのWebサイトを見ていると、「チャットサポート」が付加されているのをよく見かけます。「分からないことがあれば、お気軽に入力してください」などの文言があり、お問い合わせフォームでもなく、電話でもなく、手軽にチャットボットに問い合わせができる点が注目されています。
チャットサポートは、近年のトレンドといってもいいでしょう。このチャットサポートについて、メリットとデメリットを整理し、事例も合わせて確認して理解を深めましょう。

1. チャットサポートとは

チャットサポートとは、オンライン上で提供されるカスタマーサービスのことで、スマートフォンやパソコンからテキスト形式で問い合わせを行うことができるサポートを指します。

カスタマーサポートといえば、従来は電話やお問い合わせフォームやメールから行うのが一般的でしたが、電話は営業時間外ではつながりませんし、お問い合わせフォームやメールでは回答が来るのに日数がかかります。

チャットサポートでは、Webサイトに設置されているチャットボットシステムに問い合わせたい内容を入力することで、瞬時に回答をロボットが返すことができます。チャットサポートを利用すれば、24時間365日、リアルタイムにWebサイト運営者からのサポートを受けることができます。

例えば、Docomo、au、SoftBankといった大手携帯キャリアの公式サイトでは、チャットサポートが行われており、有人チャットやチャットボットが設置されています。

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2. チャットサポートの重要性

従来の電話サポートや問い合わせメール対応と比べてチャットサポートが重要視されるようになった理由について説明します。

●迅速かつ正確な情報が提供できる 電話サポートやメール対応では、顧客が質問や問題を抱えたときにすぐに対応ができない場合が多く、不満に感じさせてしまうことが見られました。チャットサポートでは迅速かつ正確な情報を伝えることができ、顧客満足度の向上につながります。

●グローバルな対応力 インターネットの普及により、国境を越えたビジネスを行うことが一般的になり、多言語での対応の必要も出てきました、チャットサポートでは多言語に対応したツールもあり、様々な言語でコミュニケーションをとることができます。

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●人手不足への対応 労働人口の減少に伴い、企業は対応スタッフの人材確保が困難になるケースも出てきました。チャットサポートにより、対応が自動化されることで人手不足を補うことができます。

3. チャットサポートの3つの種類

チャットサポートは、自動応答無人型、有人対応型、ハイブリッド型の3種に分かれます。

1. 自動応答無人型 自動応答無人型はいわゆるチャットボットと呼ばれるもので、人の代わりにロボットが対応するため、24時間365日、いつでもどこでも手軽にインターネット上で問い合わせることができ、サポートを求めることができます。

2.有人対応型 有人対応型は、人がチャットで回答を返すものです。電話のオペレーターのようにチャットサポートオペレーターが待機しており、チャットで問い合わせがあり次第、そのオペレーターがチャットにてサポートします。

3. ハイブリッド型 ハイブリッド型は、自動応答無人型と有人対応型を両方合わせたものです。一般的なのは、よくある質問などはチャットボットで対応し、もしチャットボットで答えられない質問が来た場合、有人のチャットに切り替わります。場合によってはチャットではなく、電話でのサポートに切り替わるケースもあります。

4. チャットサポートのメリット・デメリット

チャットサポートのメリットとデメリットをそれぞれ確認しておきましょう。

メリット

・問い合わせ数の増加・機会損失の低減 チャットなら電話やフォーム・メール等と比べて手軽に問い合わせできるので、問い合わせ数増加や機会損失の低減につながります。

・ユーザーの利便性の向上 24時間365日問い合わせができるほか、待ち時間が少ないため、ユーザーの利便性が上がります。

・さまざまな形で情報提供ができる テキスト以外にもURLや画像・動画など、さまざまな形での情報提供が可能で、ユーザーへとより分かりやすくサポートできます。

・エンゲージメント向上 ユーザーの満足度が上がれば、エンゲージメント向上につながります。

・タッチポイント追加 単純に、ユーザーとの接点が増えます。これまで以上にユーザーとのコミュニケーションが可能です。

・サポート効率の向上 サポート効率が上がります。よくある質問はチャットボットに任せ、人の対応が必要な質問のみ有人対応すれば業務効率が上がります。

・サポート内容・履歴のデータベース化 サポート内容や履歴をチャットシステムに保存し、データベース化することで、顧客対応の品質向上やサービス・商品開発等に役立てられます。

デメリット

・メールより迅速な回答が求められる 有人対応型の場合に、チャットはその場で、またできるだけ速く回答を返す必要があります。

・オペレーターの育成が必要 有人対応型の場合に、チャットでの問い合わせを受け付けるオペレーター育成が必要です。どのような対応をすべきか、電話のオペレーターと同様、準備と対応内容・品質の統一が求められます。

・無人では対応できる範囲に限りがある 無人型のチャットボットでサポートする場合、回答できないケースもあるため、対応できる範囲は限られています。臨機応変に有人対応につなげるなどの工夫が必要になります。

・年齢によっては使いこなせないユーザーもいる シニア層など、インターネットを閲覧するだけでやっとというレベルの方にとって、チャットサポートは文字入力をして、その場で問い合わせる必要がありますし、無人のチャットボットの場合は、特に、的確な文言を選んで入力しなければ、適切な回答が返って来づらいところがあります。ターゲットに応じて電話対応窓口を別途、用意する、操作がかぎりなく簡単なチャットを用意するなどの工夫が必要になります。

5. チャットサポートの導入方法

チャットサポートを自社のWebサイトやアプリに導入する方法は自社で開発する方法とパッケージ化されたツールを導入する方法があります。

●自社で開発 プログラマーやエンジニアがいる場合は自社で開発することが可能な場合もありますが、膨大な時間と労力がかかり、導入後もメンテナンスに工数がかかるため、導入のハードルが高い方法です。

●ツールの導入 チャットサポートツールでは専門的な知識がなくても簡単に導入できることが多く、導入後の手厚いサポートがついている場合もあります。

6. チャットサポート導入時の注意点

チャットサポート導入時に気を付けるべきポイントを以下で解説します。

明確な目的やゴールを設定しているか

「競合が導入したから」といった曖昧な理由で導入を進めると、効果的な運用がしづらく、費用対効果を測定できなくなります。「コンタクトセンターへの入電数を20%削減する」「Webサイトからの問い合わせ件数を30%向上させる」のように、具体的な数値目標を設定することが重要です。明確なゴールがあることで、導入すべきツールの機能要件や、分析すべきデータも自ずと定まります。

運用体制とルールを構築できているか

誰が、いつ、どのように対応するのかという運用ルールがなければ、現場は必ず混乱します。特に複数のオペレーターで対応する場合、情報伝達の仕組みを整えておかないと、対応品質にばらつきが生じ、顧客からのクレームといった重大なミスに繋がりかねません。有人対応の時間、チャットボットへの切り替え基準、担当者間で回答を引き継ぐ際のエスカレーションフローなどを事前に明確に定義しておく必要があります。

FAQやシナリオの準備はできているか

特にチャットボットを導入する場合、初期段階でのFAQデータの整備が成功の鍵を握ります。顧客が抱えるであろう質問を想定し、その問いに対する回答を網羅的に準備しなければ、簡単な質問にも答えられず、顧客の課題を解決できません。既存の問い合わせ履歴を分析したり、現場のオペレーターにヒアリングしたりして、質の高いFAQを準備することが不可欠です。

7. チャットサポートにおける効果測定

チャットサポートの導入後は改善を続ける必要があります。継続的な改善を行うためには、目的に応じた指標(KPI)を設定することが不可欠です。以下では代表的な指標をご紹介します。

業務効率化を測る指標

コンタクトセンター全体の生産性向上やコスト削減を目的とする場合に用いる指標
・平均応答時間:顧客からの問い合わせにオペレーターが応答するまでの平均時間
・平均処理時間:一つの問い合わせ対応にかかる平均時間
・対応件数:一定期間内に一人のオペレーターが対応した件数
これらの指標を分析することで、運用体制のボトルネックを発見し、業務効率化に向けた具体的な改善策を立てることができます。

顧客満足度を測る指標

顧客体験(CX)の向上を目的とする場合に重視すべき指標
・顧客満足度スコア:チャット対応終了後に「満足・普通・不満」などを尋ねるアンケートで測定します。
・問題解決率:チャット対応によって顧客の課題が解決した割合。「この回答で問題は解決しましたか?」といった質問で計測します。
これらのデータは、サービスの品質を直接的に示す重要な指標となります。

売上貢献を測る指標

Webサイト上での購入促進やリード獲得などを目的とする場合の指標
・コンバージョン率:チャットで対応した顧客が、商品購入や資料請求などの成果に至った割合。
・チャット経由の売上高:チャットが起点となって発生した売上。
これらの指標を追うことで、チャットサポートが事業に与える直接的な効果を可視化できます。

8. チャットサポートの成功事例

チャットサポートは、さまざまな形で役立たせることができます。ここでは、社内・社外問い合わせ、それぞれについての成功事例を紹介します。

社内問い合わせのチャットサポート成功事例

ある企業の経理部は、全社から集中する電話問い合わせにより、業務効率低下を余儀なくされていました。リモートワークなどの働き方改革の阻害要因ともなっていました。そこで、無人型のチャットサポートを導入したところ、電話問い合わせが3ヶ月で1,000件減少し、本業の業務効率が向上しました。気軽にリモートワークがしやすくなり、働き方改革が促進されました。

社外問い合わせのチャットサポート成功事例

あるIT企業は、新卒採用活動において学生からの知名度を上げ、タッチポイントを増やしたいという課題がありました。そこで、チャットボットを導入したところ、学生との新たなタッチポイントとなり、前年度と比較して学生の反応が良好となりました。さらには直接の電話や対面のコミュニケーションが苦手な学生にも、有効なタッチポイントとして機能するようになり、採用ブランディングを強化できました。その他、チャットボット上では、直接面談では聞きづらい問い合わせをキャッチアップできたというメリットも得られました。

チャットボットの導入事例19選!業界別の事例や導入手順・費用も解説

9. AIチャットボットの最新トレンドと今後の展望

ここでは、AIの進化に伴って注目すべき最新トレンドと今後の展望について解説します。

生成AI連携による対話能力の飛躍的向上

ChatGPTに代表される生成AIと連携することで、チャットボットの対話能力は飛躍的に向上しました。膨大なデータから自己学習する生成AIは、曖昧な表現や複数の意図が含まれる複雑な質問にも、文脈を理解した上で自然な文章を生成して応答できます。これにより、これまで有人対応が必須だった高度な問い合わせにも一次対応が可能になり、顧客満足度と業務効率化の両面で大きな効果が期待されています。

ナレッジの自動生成とスムーズな伝達

AIがオペレーターと顧客の対話データを解析し、新たなFAQや応対ノウハウをナレッジとして自動生成する仕組みも進化しています。これにより、特定の個人の経験に依存しがちな知識を組織全体の資産として蓄積・共有できます。新人オペレーターでもベテランのような質の高い対応が可能となり、組織全体の応対品質の平準化や教育コストの削減に繋がります。ベテランからの知識伝達がスムーズになることで、人的なミスも防ぎます。

10. まとめ

チャットサポートは、さまざまなメリットがある一方で、デメリットもあります。いかにデメリットを減らし、工夫できるかが重要となります。そのためには、まずは有人・無人・ハイブリッドどれが最適なのかを検討するところからはじめたいものです。

今回ご紹介した事例は、いずれも「RICOH Chatbot Service」の導入事例です。他にもチャットボットのチャットサポートによる成功事例は多くあります。ぜひ導入事例ページをご覧ください。

チャットボットサポートによる成功事例はこちら

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