介護施設の業務効率化を実現するチャットボットの活用シーンとは
現在、介護業界は深刻な人手不足に悩まされています。そうした背景もあって、介護施設は業務効率化が急務であり、入居前・入居後に寄せられる問い合わせ対応業務に負荷がかかっているといわれます。
そこで今回は、そうした問い合わせ対応業務への負荷を軽減するチャットボットの、介護施設における活用シーンをご紹介します。
介護業界は、年々、人手不足が深刻になっています。
2024年7月に厚生労働省が公表した、介護保険事業計画に基づいて都道府県が推計した介護職員の必要数のデータによると、2022年度の約215万人から、2026年度には約240万人、2040年度には約272万人が必要になるとされています。つまり、2026年度には約25万人、2040年度には約57万人を追加で確保する必要があるとされているのです。
年々、介護職員の必要数がどんどん増えているため、各施設でも、慢性的に職員の人手不足を感じており、採用難が背景にあるといわれています。
出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」
人手不足の状況下では、人員が少ないことで業務が時間内に終わらないなど、業務過多がゆえにさまざまな支障が生じてしまいます。そこで求められるのが、無駄をなくし、最短で業務を行えるようにするための、業務の効率化です。介護施設はいま、業務効率化について、具体的に次の課題を抱えています。
・慢性的な人手不足による採用強化
そもそも採用人員を増やす方法も一案です。採用難の中、介護施設で働くことの魅力をアピールしたり、応募者との接点を増やしたりすることが求められます。
・スタッフ教育の強化
リーダー職にはチームマネジメント能力を、一般職員には介護の実践力の向上など、スキルアップを図るためのスタッフ教育も、業務を円滑に進めるため、入居者や家族の満足度向上のためには欠かせません。
・問い合わせ対応の業務過多
入居者の家族から、料金や入居時期等の問い合わせが多く、対応に時間が多く取られてしまっている施設もあります。
個人・企業で取り組める業務効率化のアイデア【16選】役立つツールも紹介
チャットボットの導入は、人手不足が深刻な介護業界において、業務効率化の切り札として注目されています。チャットボットとは、「チャット(会話)」と「ボット(ロボット)」を組み合わせた言葉で、WebサイトやLINEなどの窓口において、自動プログラムが対話形式で応答するシステムです。
電話やメールと異なり、いつでも即座に回答が得られるため、入居希望者やご家族の生活リズムに合わせたコミュニケーションが可能になります。チャットボットには主に以下の2つの種類があり、運用目的や状況に合わせて使い分けることが重要です。
1. シナリオ型(ルールベース型)あらかじめ設定したフローチャート(シナリオ)に沿って、選択肢を選んでもらいながら回答へ導くタイプです。
特徴質問内容が決まっている定型業務(面会予約の案内や資料請求など)に適しています。メリット作成が比較的簡単で、回答の正確性が担保されます。入力の手間が少なく、ITに不慣れな方でもスムーズな体験を提供できます。
2. AIチャットボット(機械学習型)AI(人工知能)を搭載し、フリー入力された文章の意味を理解して回答するタイプです。
特徴「チャットボット 健康相談」のような、表現に揺らぎがある質問や、複雑な相談に対応可能です。メリット運用データの学習を重ねることで、回答精度が向上します。分析機能を活用し、利用者のニーズを深掘りできる点も魅力です。
これらを組み合わせたハイブリッド型もあり、課題解決に向けた最適なツール選定が求められます。
チャットボット(Chatbot)とは?│初心者にもわかりやすく解説
介護施設の課題の中でも、一日に何度も同じような問い合わせが来るなど、問い合わせ対応業務に負荷が生じている場合には、一つの解決策としてこんな方法があります。
それは、チャットボットをWebサイト上に設置して、電話や問い合わせフォームからの問い合わせの一部を代わりに担ってもらう方法です。
チャットボットとは、「チャット」が会話、「ボット」がロボットの意味を持つ自動会話プログラムです。よくある質問をチャットボットに登録しておけば、自動で回答できるため、無人対応が可能となります。また電話での問い合わせと異なり、営業時間外でも対応できる、24時間365日対応ができる点も大きな特徴です。
そのチャットボットは、介護施設の次のようなシーンで活用できます。
●施設紹介などの入居前の方向け
施設への入居を検討している方を対象とするものです。入居施設の設備やサポート体制、入居時の手続きなどの入居前に知りたい情報のお問い合わせに対して、自動回答するチャットボットを用意します。すると電話や問い合わせフォームよりも気軽にお問い合わせができますし、チャットボットで回答ができれば、お客様の不安を取り除き、入居申し込みの段階に進みやすくなります。●入居者向け
入居者の家族からのお問い合わせに自動回答するチャットボットです。家族が感じる疑問に対して即座に回答することで、家族の満足度向上と共に、お問い合わせ対応業務の負荷を軽減します。●介護施設で働くことを検討している応募者向け
採用の用途でもチャットボットを活用できます。例えば、介護施設で働きたい人向けに、採用や施設に関するよくある問い合わせをチャットボットで受けることができますし、介護施設で働くことの魅力をアピールするために有益な情報提供の用途でも利用できます。チャットボットで応募者との接点を増やすことができるので、より応募者が増える見込みがあり、介護施設の人手不足の課題解決につながります。いずれもチャットボットが回答できない質問については、有人対応に引き継ぐなどすれば、ストレスなく問い合わせをしてもらうことができます。
数あるチャットボットの中から、自施設に合ったものを選ぶためには、以下のポイントを確認しましょう。
●現場スタッフが使いこなせる操作性
IT専門のサポートセンターにチャットボットの担当者がいない施設でも運用できるよう、管理画面が直感的で、誰でも簡単に更新できるツールが望ましいです。ExcelでQ&Aを管理できるなど、現場の負担にならない仕様か確認します。
●必要な機能とコストのバランス
AIチャットボットサービスは高機能ですが、コストも高くなる傾向があります。「よくある質問に答えられれば十分」なのか、「高度な分析やチャットボットの自己解決率の向上を目指す」のか、導入の目的を明確にし、費用対効果(ROI)が高いものを選びましょう。
●ベンダーのサポート体制
導入後の設定支援や、活用定着までの伴走サポートがある企業を選ぶと安心です。また、地域に根差した施設特有の事情も汲み取ってくれるかどうかもポイントです。
チャットボットの介護現場への導入を成功させるためには、リスク管理も不可欠です。特に以下の点には注意が必要です。
●個人情報の取り扱いとセキュリティ
入居者様やそのご家族の個人情報(氏名、病歴など)は極めて重要です。チャットボット上では個人情報を入力させない運用ルールを徹底するか、通信が暗号化されたセキュリティレベルの高い環境を備えたツールを選定し、プライバシーポリシーの説明を明記する必要があります。
●有人対応とのスムーズな連携
すべての対応を自動化するのではなく、緊急時や複雑なクレーム対応などは、チャットボットの有人対応(スタッフによる電話やチャットツールによる対応など)へ切り替える導線を設計します。これらの役割分担を明確にすることで、利用者の安心感につながります。
●WebページTOPや目立つ場所への設置
せっかく導入しても、利用されなければ意味がありません。WebサイトのTOPページや、各ページごとにアイコンを表示させるなど、利用者が困ったときにすぐ見つけられるよう適切に配置し、利用を推進しましょう。
介護施設では、現在、人手不足が慢性化しており、採用強化と共に、業務効率化も急務となっています。そこで問い合わせ対応業務の負荷を軽減するチャットボットは、導入の余地があります。
リコーの「RICOH Chatbot Service」は、介護施設においてもおすすめのチャットボットサービスです。チャットボットを導入するというと、設定や操作がむずかしそうに感じられるかもしれませんが、当サービスでは、使い慣れたExcelで作ったQ&Aデータを設定するだけで簡単な操作で始められます。
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