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最終更新日:2025年9月18日

コールセンターシステムとは|必要な機能や導入効果、最新トレンドから見るシステム活用法などを解説

社内や顧客からの問い合わせの数が増えてきた場合、少ないリソースのままでは対応が難しくなりがちです。問い合わせ数が増えるに伴い、効率化を考えている担当者もいるでしょう。

この記事では、増える問い合わせへの対応としてコールセンターシステムを一例にあげ、コールセンターシステムとは何か、導入形態や必要な機能、導入効果、システム選びのポイント、導入の流れなどを解説します。ぜひ参考にしてください。

1. コールセンターシステムの概要

コールセンターシステムとは、コールセンターの業務を支援するシステムの総称を指します。現在、業務効率や顧客満足度の向上を目的として、さまざまな企業で活用されています。

コールセンターシステムとは

コールセンターシステムとは、コールセンター業務を支援する機能を持ったシステムツールのことです。

主な機能としては、電話応対業務における通話記録や自動応答、問い合わせの履歴の管理、顧客情報の参照、オペレーターの自動割り当てなどがあります。また、FAQやチャットボットによる顧客の疑問解消を促したり、コールセンター内部の情報共有を行ったりできるものなどもあり、対応範囲が幅広いのが特徴です。

既存のCTI、CRM、FAQシステムやチャットボットなどとも連携が可能なものも多く、企業によってさまざまなシステムを組み合わせて活用しています。

コールセンターに求められることや必要な機能

従来のコールセンターは、電話やメールを通して社員や顧客と直接的なコミュニケーションをとることが主な業務でした。しかし、問い合わせ内容の多様化に伴い、それぞれの社員や顧客に合わせた柔軟な対応や、幅広い知識が求められるようになってきています。

そのため、従来の対応方法だけではコールセンターの機能としては不十分と考えられ、顧客とのコミュニケーションだけでなく、対応の質を向上させるための様々な工夫が必要になっています。さらには、顧客満足度を左右することも増えています。
2. 主要コールセンターシステムの機能とメリット

コールセンターシステムにはさまざまな機能があります。主要な機能とメリットについて説明します。

CTI(Computer Telephony Integration)

CTIとは電話やFAXをコンピュータと連携させるシステムを指します。通話前に顧客情報を確認し、担当するオペレーターへつなげることができるため、無駄なやり取りがなくなり顧客満足度向上に繋がります。また、通話録音機能を用いてオペレーターの技術向上がはかりやすくなる点もメリットの1つです。

CRM(Customer Relationship Management)

CRMとは顧客管理や顧客関係管理といった意味を持ちます。顧客との関係をより深くするためのシステムです。今までどういったコミュニケーションをとったのか、履歴をデータベースで管理することで、分析・活用できます。部署が違う場合でも、CRMを導入することで、一貫した対応ができるのも大きなメリットです。

FAQシステムやチャットボット

今まであった顧客の声や回答を蓄積し、FAQシステムやチャットボットが回答をすることで、顧客のストレスを軽減します。また、質問者が自身で考え、質問をより具体的にしてからオペレーターへ質問をするようになり、業務負担を減らす効果もあります。万が一オペレーターへ繋がらない場合にも一定の答えを得られるため、顧客のストレス緩和の効果も見込めます。

(参考)FAQの自動回答に適したチャットボットの型式とは チャットボットにはシナリオ型、辞書型、AI型など複数の種類があります。シナリオ型はピンポイントな質問に対しての回答、辞書型は質問文を解析して用意された回答を示します。AI型は対話ログを機械学習し、回答を返す方式です。

辞書型とAI型は、データを蓄積し分析する機能があるため、問い合わせ数が増えれば増えるほど回答数が増え、質問者のフリーワードに反応できます。チャットボットを選ぶ際には、利用シーンなどに合わせて最適な型式を選びましょう。

チャットボット(Chatbot)とは?初心者にもわかりやすく解説

PBX(構内交換機)

PBXは、オフィス内に設置される電話交換機のことです。外部からの着信を各オペレーターの内線電話に振り分けたり、オペレーターから外部へ発信する際の回線を管理したりする役割を担います。近年では、物理的な機器の構築が不要なクラウド環境で利用できるPBXも主流になっており、場所を問わない柔軟なコールセンター運営を可能にします。

IVR(自動音声応答システム)

IVRは、顧客からの入電時に「〇〇の方は1番を」といった音声ガイダンスを流し、プッシュ操作によって適切な担当者へ振り分けたり、用件によっては自動で応答したりするシステムです。多くのコールセンターシステムに標準で搭載されており、24時間365日の一次対応や、オペレーターの負担軽減に大きく貢献します。

これらの基盤となるシステムに加え、オペレーターが顧客対応に必要な情報を迅速に検索できるナレッジベースも重要です。豊富な導入実績を持つシステムを選ぶことで、自社のコンタクトセンターに最適な機能をスムーズに導入できるでしょう。
3. コールセンターシステムを導入することで期待できる効果

コールセンターシステムを導入することで期待できる効果には、どのようなものがあるのでしょうか。

顧客対応の質が向上し、顧客満足度向上につながる

顧客情報の共有により、対応品質が上がり、顧客満足度向上へつながります。また問い合わせをデータベースへ蓄積することで、今までどんな問い合わせがあったのか、どこまで対応しているのかもわかり、重複対応や対応漏れを防げます。

オペレーター業務の効率化ができ、時間削減(負担軽減)につながる

今まであった質問に対して、適切な回答テンプレートを作成することで、文章を製作する時間をカットできます。また顧客情報が蓄積・共有されているために確認作業の手間も減り、効率の良い顧客対応を可能とします。

電話やメールでの問い合わせ数の削減につながる

簡単な質問や確認のためだけの問い合わせは、オペレーターが対応せずとも解決するものも多くあります。FAQやチャットボットを活用し疑問を自己解決してもらうことで、電話やメールなどでの問い合わせ数削減につながります。

情報(応対内容)を蓄積できる

対応内容が自動で記録され蓄積されます。改めて同じ顧客からの問い合わせがきた際にも、どこまで対応したのかが一目瞭然のため、品質の向上を見込めます。また、蓄積した情報から商品の問題や顧客のニーズもわかり、蓄積されればされるほど、重要な資産になっていきます。

オペレーターの対応品質の均一化が行われ、オペレーターも定着しやすくなる

情報の管理ができることで、対応の模範回答や自身の通話録音をベテランからフィードバックをもらうなど、成長する仕組みがつくれます。周りから支援しやすい仕組みづくりをすることで安心感が得られ、不安を軽減したり、オペレーターの定着にもつながります。

成約率の向上やクレーム発生率の低下につながる

前もって顧客情報がわかることで、適したオペレーターへの割り当ても可能です。ミスマッチを減らせ、成約率の向上やクレーム発生率の低下にもつながります。
4. コールセンターシステムの導入形態と種類

コールセンターシステムの導入形態と種類にはどのようなものがあるのでしょうか。以下で解説します。

導入形態:オンプレミス型とクラウド型の違い

コールセンターシステムの導入形態は大きく分けてオンプレミス型とクラウド型の2種類になります。オンプレミス型は企業の希望や業務内容にあわせて柔軟に調整が可能ですが、専用の機器などを設置する必要があり、コストや労力がかかります。クラウド型はコストを抑えられ、すぐに使える点がメリットですが、オンプレミス型と比べるとカスタマイズできる範囲が少ないことが多いです。

種類:アウトバウンド型とインバウンド型の違い

コールセンターが行う業務は主にアウトバウンド型とインバウンド型の2種類に分類されます。その名の通り、インバウンド型は顧客からの問い合わせやクレームに対して対応するのに対して、アウトバウンド型は企業側から顧客に電話をかけるものです。2つの機能の兼用型もあり、どちらも行っているコールセンターの場合は兼用型を選びましょう。
5. コールセンターシステムを選ぶ際のポイント

コールセンターシステムを選ぶ際には、自社の求める要件と製品の特徴を踏まえたうえで、システムを選択する必要があります。どのようなポイントを押さえればよいのか、以下で解説します。

導入の規模や種類、目的が自社に適しているかをチェック

コールセンターシステムを選ぶ際は、業務で実現したいことや解決したいことが導入によってどれくらい実現できるか確認が必要です。自社の業務形態と、システムの種類(アウトバウンド型かインバウンド型か両者対応型かなど)が一致しているかを確認しましょう。

導入規模に応じて予算・価格が適正か

初期費用、月額利用料金、通話料などを事前に確認しましょう。CRMシステムであれば、小規模向けなら月額数千円から、中規模だと1席当たり1〜2万円かかります。CTIシステムは機能によって振り幅が広くなりますが、1席当たり月額数万円と言われています。FAQシステムは安価なものであれば月額数千円、中規模以上で月額20万円〜が目安と考えられています。

導入するシステムの形態・種類をどうするか

上述していますが、システムの種類はアウトバウンド型かインバウンド型か、形態はオンプレミス型かクラウド型か、自社に合ったものを選ぶ必要があります。それぞれ用途が違うために、自社に必要な形態・種類を理解したうえで選択するようにしましょう。

システムのセキュリティ体制が整っているか

重要な顧客情報を取り扱うために、暗号化通信、IPアドレスによるアクセス制限などのセキュリティ体制が整っているかは重要なポイントです。

他のシステムとの連携が可能か

コールセンターシステムは他システムと連携して使うことも多いため、長期的な拡張性を見据えて選ぶことも重要です。ただのサポートシステムとして見るよりは事業全体、今後の展望を踏まえたうえで選ぶとよいかもしれません。

オペレーター数や回線数の確認

自社の通話回線数や登録オペレーター数に足りているか、十分な顧客対応が出来る人数・回線数になっているかも確認しましょう。部署の一部だけ使うとなると、一元管理ができず、中途半端になってしまいます。前もって、回線数やオペレーターの数を確認しておきましょう。

音声・通話品質のレベルも確認

オペレーターシステムの便利な機能だけではなく、音質や通話の品質のレベルも忘れずに確認しましょう。見落としがちなポイントであるために要注意です。音声品質は顧客満足度に直結する要素でもあるので、前もってテストし、品質のチェックをするようにしましょう。
6. コールセンターシステムを導入することで解決できる具体的な課題

コールセンターシステムを導入することで、どのように課題を解決できるか具体的な例を用いて紹介します。

あふれる入電(着信)と機会損失

「電話が繋がらない」という顧客の不満は、機会損失に直結します。この課題には、PBX(構内交換機)やIVR(自動音声応答)が有効です。PBXがオペレーターの状況に応じて効率的に着信を振り分け、IVRが用件に応じた自動案内や適切な部署への誘導を行うことで、待ち時間を短縮し、顧客満足度を高めます。

応対品質のばらつきと属人化

オペレーターのスキルや知識によって対応内容が変わってしまう問題は、FAQシステムやCRM(顧客管理システム)で解決できます。顧客情報や過去の対応履歴を即座に検索できる仕組みを整えることで、どの担当者でも均一で質の高い対応が可能になり、コンタクトセンター全体のサービスレベルが向上します。

アウトバウンド(発信)業務の非効率

リストの上から順に電話をかける従来の方法では、不在や話し中が多く非効率です。オートコールやプレディクティブダイヤリング機能を活用すれば、システムが自動で発信し、繋がったコールのみをオペレーターに接続するため、架電効率が飛躍的に向上します。

7. コールセンターシステムの導入の流れ

全機能のついたシステムを一気に導入する必要はありません。自社の課題や目的に応じて必要なシステムを順に導入していきましょう。

問い合わせ数が増えていくことを見越して、貴重な対応履歴を残すために、最初に問い合わせ管理システムを導入することが多いといわれています。選ぶ際のポイントでも解説していますが、自社の外のシステムと連携が出来るかどうかを、事前に確認しておくとスムーズです。

8. コールセンターシステムの最新トレンド

以下では、コールセンターシステムの最新トレンドを紹介します。

クラウド化の加速と柔軟な運用環境

近年の最も大きなトレンドは、システムのクラウド化です。従来は自社内に物理的なサーバーやPBXといった設備を構築する必要がありましたが、クラウド環境へ移行することで、設備投資を大幅に削減できます。また、インターネットさえあればどこからでもアクセスできるため、在宅勤務など多様な働き方に対応したコンタクトセンターの実現を後押ししています。

AI搭載による応対品質と業務効率の向上

AI(人工知能)を搭載したシステムの活用も急速に一般化しています。単純な問い合わせを処理するAIチャットボットやボイスボットの導入に加え、オペレーターを支援する機能も進化しています。通話内容をリアルタイムでテキスト化したり、顧客の発言の意図をAIが分析して最適な回答を提示したりすることで、オペレーターのスキルに依存しない高品質な顧客対応を実現します。

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オムニチャネル対応の重要性の高まり

電話やメールだけでなく、チャット、SNSなど、顧客との接点が多様化する中、これらのチャネルを一元管理するオムニチャネル対応が不可欠になっています。すべてのチャネルで顧客情報や対応履歴を連携させることで、一貫性のあるシームレスな顧客体験を提供できます。こうした複雑なシステムを構築する際には、自社のニーズに合致し、かつ豊富な導入実績を持つベンダーを選定することが成功の鍵となります。

9. まとめ

コールセンターは自社に対しての満足を左右する重要な存在です。コールセンターシステムを導入することによって、顧客満足度のアップにつながります。チャットボットのような便利な機能も上手に使えば、「電話やメールでの問い合わせ数削減」「対応内容の蓄積」「対応品質の均一化」に役立つでしょう。

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