リテンション率とは?計算方法や上げるメリットと向上のための5つの施策
リテンション率という言葉は知っているものの、具体的に何を指しているのかよくわかっていない」という方はいないでしょうか。そのような方向けに、この記事ではリテンション率の概要や計算方法を解説しています。リテンション率を伸ばすメリットやそのための施策も合わせて解説するため、ぜひ参考にしてください。
まずはリテンション率とは何かについてわかりやすく解説をします。基本的な理解を深めましょう。
リテンションとは
リテンションとは、本来「保有」や「維持」を意味する言葉です。この言葉がマーケティング用語として派生していき、既存顧客に継続的に商品やサービスを利用してもらうことを示す言葉になりました。別の言葉で「リテンションマーケティング」と呼ぶこともありますが、意味している内容は同じです。リテンション率とは
リテンション率とは、Webサービスやアプリなどの新規顧客が一定期間内に再訪した割合を示す数値です。この数値が高いことは、サービスなどに対する顧客満足度が高い状態にあることを表します。リテンション率は「リテンションレート」「顧客維持率」「定着率」「継続率」などともいいます。リテンションモデルとは
リテンションモデルとは、「顧客が継続的にサービスやアプリを利用し、その内容に対して対価を払う」「顧客がいつでも利用を止める選択権を持っている」「サービスやアプリが常に最新状態に更新されている」といった要件を満たすサービスやアプリを指す言葉です。身近な言葉で表すと「サブスクリプション」などが代表的な例です。リテンション率は、「継続顧客数÷新規顧客数×100」という式で計算可能です。例えば、新規顧客数が1,000人であり、1カ月後の継続顧客数が500人の場合は下記のような計算方法で導き出されます。
1 500÷1,000=0.5
2 0.5×100=50
つまり、この場合のリテンション率は50%という計算となります。
リテンション率計算に必要なデータ
上記のとおりリテンション率を計算するためには、データを集めなければいけません。必要なデータは下記の3点です。a. 計算開始時の顧客の数
b. 計算中に登録した新規顧客の数
c. 計算期間の終了の顧客の数
計算時にはまず期間を明確に定めた上で、(c-b)÷a×100として計算するとより正確です。継続顧客数を「cーb」を計算することによって、継続顧客の正しい数字が導き出されます。
ここからは、リテンション率を上げることによって得られるメリットを4点解説します。
収益の安定が望める
リテンション率は、顧客の継続利用率をそのまま示している数字であるため、この数字が高いほど収益の安定に直結します。できる限り長い間サービスを利用してもらうことで、経済的な地盤がより固まっていくことに繋がります。サブスクリプションモデルによって収益を安定させたい場合には非常に重要な数値といえるでしょう。新規顧客獲得のための費用が抑えられる
リテンション率を上げることによって、新規顧客を獲得していくための費用を削減することが可能です。どの企業においても新規顧客獲得にかかる販促費は、非常に大きな予算が組まれていることが多いです。一般的には、「1:5」の法則が示すとおり、新規顧客を獲得するには既存顧客を維持する5倍のコストがかかるともいわれています。この費用を抑えるという事柄は非常に大きな意味を持つでしょう。
ロイヤルカスタマーを増やせる
リテンション率の向上は、ロイヤルカスタマーの増加にも繋がります。ロイヤルカスタマーとは、商品やサービスに対して大きな信頼を寄せている顧客のことを指しています。リテンション率が高いということは、すなわち顧客満足度が高まっていることを示しています。こういった顧客を増やしていくことで、よい口コミの拡散なども期待できるでしょう。アップセル・クロスセルが見込める
各企業は収益を伸ばすために「アップセル・クロスセル」といった営業手法を用いています。アップセル・クロスセルとは、顧客単価を向上させるために検討中の商品よりもさらに高額な上位モデルに乗り換えてもらうことを指す言葉です。リテンション率を伸ばしていき満足度を高めていくことで、グレードの高いサービスを利用してもらうための敷居はかなり低くなることが見込まれます。
リテンション率が下がる要因について解説します。主な要因を把握しておけば、大きな下降を避けることができます。
ユーザーの満足度が低い
リテンション率が下がる最も大きな要因は、顧客の満足度が低いという一点に尽きます。顧客の満足度が低下する要因をさらに深堀りしていくと「プッシュ通知が多すぎる」「操作がしにくい・説明がわかりにくい」「カスタマーサポートの対応がよくない」といった内容が挙げられます。これらの内容を一つずつ潰していくことで、下がったリテンション率は元に戻ります。ユーザーが魅力を感じられない
満足度と合わせて「サービスの魅力度」という観点も非常に重要です。「他のWebサービスとの違いが伝わっていない」「便利な機能があっても、顧客が内容を把握しきれていない」などの状態が続くと、サービスに対する魅力も下がっていくでしょう。どのような取り組みを行えば顧客に対する魅力は上がっていくのかという点を常に考えることが大切です。ここからは、リテンション率を上げるための施策を5つ紹介します。ぜひ参考にしてください。
顧客対応品質を向上させる
リテンション率を上げるために大切なポイントは、顧客対応をしっかり充実させることです。特にトラブル発生や不明点が出てきた際に、顧客の使うカスタマーサポートにおいて不備があると、顧客はストレスを感じサービスの離脱に繋がります。そういった観点から、カスタマーサポートの充実はとても重要だといえるでしょう。 チャットボットの導入も有効 顧客対応の向上やカスタマーサポートの充実を目指すためには、チャットボットの導入が有効です。チャットボットとは、AIを利用して顧客と自動で会話を行うプログラムのことです。 365日24時間問い合わせが可能であり、さらに回答のばらつきがない点などから、顧客はいつでも正確な回答を得ることができるため、顧客の満足度を上げることができます。CXのクオリティを向上させる
CXとは「Customer Experience」の略称であり「顧客体験」という意味を持っています。このCXを伸ばしていくことで、リテンション率も高まっていくでしょう。具体的には「アプリのチュートリアルをわかりやすくする」「Touch IDやFace ID対応などを活用することで簡単にログインできるようにする」といった内容などが挙げられます。ロイヤルカスタマーにアプローチする
商品やサービスに対して大きな信頼を持っているロイヤルカスタマーの存在は、リテンション率向上に関して非常に重要です。すでに一定以上の信頼を得ている顧客へのアプローチは、新規顧客を開拓するよりもハードルは大きく下がるでしょう。新規への取り組みだけではなく、どのようにして既存ファンへの対応を取っていくかという点をおろそかにしないことが大切です。休眠顧客や離脱の可能性があるユーザーをフォローする
リテンション率を伸ばしていくためには、休眠顧客や離脱の可能性がある顧客へのフォローも書かせません。プッシュ通知やメールなどによって最新情報を送り、サービスを利用し続ける価値を感じてもらえるよう、施策や取り組みを行いましょう。「○○といった課題を抱えているあなた向けのサービスです」といった点を明確に伝えることで効果はさらに上がります。CRMツールを導入する
CRMツールとは、顧客と良好な関係を築くことを目的としたツールのことです。CRMツールには様々な種類がありますが、その多くは「顧客を分類し分析する」といった機能を持っています。この機能を活用することにより、顧客一人ひとりに着目したパーソナライズ情報が送れるようになります。顧客に対して「あなた向けにサービスを提供しています」と伝えることは、非常に大切な取り組みです。
続けて、リテンション率を考える上においての注意点を2つ紹介します。
効果があるか精査して実施する
リテンション率向上のための施策を行うときは、得られる効果を事前に精査しておくことが重要です。たとえば、プッシュ通知やダイレクトメールがあまりに多過ぎると、逆効果になることも考えられます。むやみやたらにアプローチすることが必ずしも成果を生むとは限りません。アプローチに適切な期間を定めておく
施策による効果を正確に掴むためにも、アプローチにかける期間はあらかじめ明確に定めておきましょう。「任意の1日のみ実施する」「使用開始から1週間の間実施する」など、サービスの内容によって期間を検討していくことが大切です。提供するサービスによって、効果が得られる最適な日数は異なるという点を考慮しておきましょう。リテンション率を上げるための施策として、前述にてチャットボットの紹介をしました。そもそもチャットボットとはWebサイトやアプリなどに組み込むことで、Web上でユーザーからの質問に自動回答を行うツールです。
ここでは、チャットボットを活用したリテンション率の向上の施策案をご紹介します。
購入済み製品のサポート対応
製品を継続的にご利用いただくことを目的としたサポートとして、チャットボットを活用することで、よくある質問などへの自動応対が365日24時間可能となり、顧客対応品質が上がり、リテンション率の向上につながります。導入検討ユーザーへの接客サポート対応
チャットボットでは商品やサービスの導入検討をしているユーザーや、既存顧客への新商品のご案内も可能となり、顧客との継続的な接触も可能となります。適切なタイミングでアプローチを行うことで、新たな販売チャネルとしての活用も可能となります。
この記事では、リテンション率について、計算方法やリテンション率を上げるための施策などを具体的に紹介しました。中でも、チャットボットの導入が、リテンション率の向上に非常に有効であることがわかっています。ぜひ自社のサービス向上にお役立てください。
チャットボットは、24時間365日問い合わせが可能であり、さらに回答のばらつきがない点などから、顧客はいつでも正確な回答を得ることができるため、リテンション率の向上が期待できます。RICOH Chatbot Serviceは、導入も運用も簡単で、導入時・導入後も専任スタッフによる伴奏支援があるので安心です。一度、ご検討ください。
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