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最終更新日:2025年12月12日

チャットボットカオスマップとは?活用するメリットやカオスマップの分類方法など解説

チャットボットカオスマップとは、チャットボットの種類を分類してわかりやすくまとめたものです。この記事では、チャットボットカオスマップを効果的に活用したいと考えている企業の担当者に向けて、概要やメリットなどを解説します。自社に最適なチャットボットを選ぶために、ぜひ役立ててください。

1. チャットボットカオスマップとは

チャットボットカオスマップとは、国内で利用可能なチャットボットを分野や種類ごとにわけてマップ化したものです。自社の目的にあうチャットボットを探すために活用することができます。

なお、チャットボットカオスマップはAIsmiley社が作成しており、毎年最新版が発表されています。「チャットボット」や「カオスマップ」の概要については、以下でくわしく解説します。

「チャットボットカオスマップ最新情報」はこちら
https://aismiley.co.jp/ai-chatbot-chaosmap-inquire/自治体のチャットボット導入事例をまとめたカオスマップ
https://aismiley.co.jp/ai_news/municipal-chatbot-case-chaos-map/

2. そもそも「チャットボット」「カオスマップ」とは何か

そもそも「チャットボット」や「カオスマップ」はどのようなものなのでしょうか。それぞれの概要を解説します。

チャットボットは「自動会話プログラム」

チャットボットとは、自動で会話ができるプログラムのことです。「チャット」と「ロボット」を組みあわせ、「チャットボット」と呼ばれるようになりました。チャットボットに話しかけると、まるで人間のように自然な回答ができます。チャットボットには複数の種類があり、それぞれ特徴が異なります。


【関連コラム】チャットボット(Chatbot)とは?初心者にもわかりやすく解説

カオスマップは特定におけるカテゴライズを示す「業界地図」

カオスマップとは、各企業の特徴や関係性などを示す業界地図のことです。使用されているのは主にデジタルマーケティング業界ですが、ほかにも幅広い業界で活用されています。カオスマップを確認すれば、業界内における各企業の立ち位置や勢力の関係を簡単に把握できます。


3. チャットボット カオスマップが作成、使用される背景

チャットボットカオスマップが注目されるようになったのは、自社の状況にマッチするチャットボットサービスをスムーズに探したいと考える企業が増えたからです。チャットボットカオスマップは、複雑化している市場を整理して示しています。

業界内の商品やサービスの関係性についてもわかりやすくまとめられており、目的にあうチャットボットをすぐに把握できるようになっています。特に近年は、ユーザーの目線を意識し、使い勝手を重視してマッピングされている点が大きな特徴です。

4. カオスマップから読み解くチャットボットの最新動向

カオスマップを確認すると、チャットボットの最新動向も把握できます。近年は、社内の問い合わせ対応を効率化するためのチャットボットがトレンドになっています。よくある質問への対応をチャットボットに任せることで、担当者の業務負担を大幅に削減できるようになりました。

また、広告に活用できるチャットボットや、生成AI(人工知能)を搭載したチャットボットも増加しています。チャットでコミュニケーションをとりつつ、ユーザーに必要な情報を提供する仕組みです。カオスマップを見ると注目を集めているチャットボットの傾向をつかめるため、最新のサービスを有効活用しやすくなります。

5. チャットボットカオスマップを利活用するメリット

チャットボットカオスマップを利活用すれば、さまざまなメリットを得られます。ここでは、具体的にどのようなメリットを得られるのか解説します。

市場の勢力関係を把握できる

チャットボットカオスマップを見ると、現在提供されているチャットボットのサービスの全体像を把握できます。市場の勢力関係も一目でわかるため、比較しやすくなっています。チャットボットを提供する企業についても多角的な分析ができ、自社にとってより最適な選択がしやすくなるでしょう。

マーケティング戦略に役立つ

チャットボットカオスマップを分析すれば、自社のマーケティング戦略にも活かせます。自社にとって役立つチャットボットについて理解でき、有効活用しやすくなるからです。また、分析の手順を社内で共有すれば、ほかの社員もスムーズにマーケティング戦略を立てやすくなります。


【関連コラム】チャットボットを比較するポイントは?「タイプ別」「課題別」の選び方も解説
6. チャットボットカオスマップを利用する際の注意点

チャットボットはその利便性から多くの企業が開発をしており、それぞれがさまざまな機能や特徴を持っています。
多種多様なチャットボットを分類・整理し掲載されているものが、チャットボットカオスマップですが、チャットボットカオスマップを参考にする際は、チャットボットを導入する目的を明確にしておくという点に注意が必要です。
例えばコールセンターなどで問い合わせを削減し、業務効率化を実現したいや、チャットボットを利用しマーケティングを強化したいといった課題がある場合は、チャットボットカオスマップを確認しその目的にあったチャットボットを探していくことで、課題を解決する機能を持ったチャットボットを導入することができます。
チャットボットを導入する目的が明確でない場合、価格であったり、知名度でチャットボットを選んでしまうかもしれません。
また勧められたチャットボットを自社のサービスに合わないにもかかわらず導入してしまう可能性もあります。
とても種類の多いチャットボットの中から、自社にあった機能、特徴を持ったチャットボットを見つけるためにも、導入する目的、導入後にどのような状態を目指したいのかを明確にしておくこと必要です。明確にした上で、利用することでチャットボットカオスマップをより有効に活用できます。

もちろん公開されているチャットボットカオスマップは、網羅性や分類について必ずしも正確というわけではありませんので、カオスマップで自社にあうチャットボットを絞り込み、そこからその分類の中の製品をさらにくわしく確認していくことは必要となります。

7. カオスマップにおけるチャットボットベンダーの分類

カオスマップにおいては、複数のチャットボットベンダーによる分類が行われています。チャットボットベンダーを大別すると、AI搭載と非搭載にわけられます。自社の状況や目的にあわせて選ぶことが大切です。ここでは、カオスマップにおけるチャットボットベンダーの分類を解説します。

AI搭載

AIを搭載しているチャットボットは、学習によって高度な受け答えができます。AI搭載のチャットボットは、「自社開発」または「OEM提供」があります。OEM提供とは、他社が開発したAI搭載のチャットボットを活用する方法です。 自社開発 AI搭載のチャットボットを自社開発すれば、自社のビジネスのためにカスタマイズが可能です。ただし、自社開発するには時間と手間の両方がかかります。回答の精度や使いやすさについても、しっかり検討しなければなりません。 OEM提供 OEM提供の場合、高性能のチャットボットを購入してすぐに自社へ導入できます。ただし、自社開発の場合と比較すると、融通が利かない部分もあります。機能をよく理解したうえで選択すべきです。

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AI非搭載

AI非搭載のチャットボットは、用途によって分類されています。具体的な用途としては、問い合わせ対応、マーケティング支援、インバウンド対応、業務アプリなどがあげられます。問い合わせ対応の場合、シナリオ型のチャットボットによる簡単な受け答えが可能です。マーケティング支援では、チャットボットと広告を組みあわせて活用します。

インバウンド対応においては、複数の言語に対応できるチャットボットがレストランやホテルの予約などを行います。業務アプリとして活用する際は、チャットボットに簡単なタスクを任せることが可能です。

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8. ユースケース別チャットボットの選び方

チャットボットの導入を成功させる鍵は、カオスマップのカテゴリを見る前に「何のために導入するのか」というユースケース(利用目的)を明確にすることです。目的によって、選ぶべきチャットボットの機能、特性、重視すべきポイントが大きく異なります。

社内利用:ヘルプデスク・ナレッジ共有

情シス、総務、人事といったバックオフィス部門への定型的な問い合わせ対応(社内ヘルプデスク)や、社内規程・マニュアルの検索(ナレッジ共有)が目的です。この場合、社員が日常的に利用するビジネスチャット(Microsoft TeamsやSlackなど)との連携実績が豊富な製品を選ぶことが重要です。また、企業のDX推進の一環として、既存の膨大なPDFマニュアルや社内文書を効率よく学習させられる機能、あるいはセキュアな環境で運営できる点が選定のポイントとなります。

社外利用(守り):カスタマーサポートの効率化

顧客からの「よくある質問」に24時間365日自動で応答し、コールセンターや問い合わせ担当者の負担を軽減する、最も一般的なユースケースです。特にECサイトの運営などで活用されます。この目的では、AIによる自然言語処理の精度(回答精度)が最も重要です。また、AIで解決できない複雑な質問は、スムーズに有人オペレーターへ引き継げる連携機能が求められます。資料請求や修理受付など、特定の業務プロセスに組み込むケースも増えています。

社外利用(攻め):マーケティング・リード獲得

Webサイト訪問者のエンゲージメントを高め、最終的にコンバージョン(CV)につなげる目的で利用されます。訪問者の行動履歴や閲覧ページに合わせてチャットボットから積極的に話しかけ、関心を引き出し、最終的に資料ダウンロードやお問い合わせフォームへの入力を促します。このユースケースでは、AIの回答精度よりも、会話シナリオの設計自由度、離脱防止のためのプッシュ通知機能、MA(マーケティングオートメーション)ツールとの連携機能などが重視されます。


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9. AI搭載型とシナリオ型どちらを選ぶべき?

チャットボットは、「AI搭載型」と「シナリオ型(ルールベース型)」に分けられます。導入検討時には、それぞれのメリット・デメリットを理解し、自社の目的やリソースに合ったタイプを選ぶことが重要です。

シナリオ型(ルールベース型)のメリット・デメリット

シナリオ型は、あらかじめ設定した分岐(シナリオ)に沿って、ユーザーが選択肢を選んでいくことで回答にたどり着くタイプです。 メリットは、導入コストが比較的安価で、導入スピードも速い点です。また、設定した通りの回答しか行わないため、回答の内容を100%コントロールできる安心感があります。用途が限定的なキャンペーンの案内や、資料請求のように決まった業務の自動化に向いています。 デメリットは、シナリオにない質問や、ユーザーが自由な言葉で入力した質問には答えられない点です。FAQの数が多くなるとシナリオの作成・管理が非常に複雑になり、運営負荷が高まる可能性もあります。

AI搭載型(機械学習型・生成AI型)のメリット・デメリット

AI搭載型は、AIがユーザーの入力した自然な文章(「表現のゆらぎ」)を理解し、最適な回答を提示するタイプです。 メリットは、フリーワード入力に対応できるため、シナリオ型よりも高い回答精度と顧客満足度が期待できる点です。また、FAQを継続的に学習(メンテナンス)させることで、チャットボットを「育てる」ことが可能です。デメリットは、シナリオ型に比べて導入・月額コストが高い傾向にある点です。また、回答精度を維持・向上させるためには、AIの回答内容を定期的にチェックし、チューニング(再学習)を行う専任の運営体制が必要になる場合があります。

選定のポイント:コストと運用負荷のバランス

コストと導入スピードを最優先し、用途が限定的なら「シナリオ型」。コストをかけてでも回答精度を追求し、幅広い質問に柔軟に対応させたい場合は「AI搭載型」が適しています。最近では、両方の長所を併せ持つハイブリッド型や、独自のAIで低コストと高精度を両立するサービスも登場しています。一方的に情報を配信するだけでなく、双方向の対話を重視するならAI型が優位でしょう。

10. カオスマップで分類されているチャットボットの機能

チャットボットカオスマップは、チャットボットの機能についても分類しています。ここでは、チャットボットの具体的な機能について解説します。

AIに関連する4つの機能

自然言語に対する応答 自然言語に対する応答とは、人が使用している言葉を正確に理解して反応する機能です。言葉を正しく聞き取る理解力だけでなく、それにあう適切な対応ができるようになっています。 表現のゆらぎに対する理解 人が使用する言葉には、表現のゆらぎがあります。表現のゆらぎとは、同じ意味をもつ似た表現のことです。AIを搭載しているチャットボットは、微妙な表現のゆらぎもしっかり認識して正しい受け答えができます。 サジェスト検索機能の有無 サジェスト検索機能とは、検索に関連するキーワードを予測して表示する機能です。サジェスト検索機能があれば、ユーザーはよりスムーズに質問できるようになります。チャットボットのユーザビリティに影響するため、特に重要な機能です。 FAQの多さ FAQが多いと、その分だけAIにとっての難易度も高くなります。しかし、FAQが多ければ、チャットボットが対応できる問い合わせの幅を広げられます。たくさんのFAQに対応できるAIほど、使い勝手も高くなるでしょう。

AIエンジン以外のシステム

AIエンジン以外のシステムも、チャットボットの重要な判断基準になります。各機能の判断基準をまとめると、以下のとおりです。

機能 判断基準
応答のスピード 応答のスピードが速いほどユーザビリティも向上します。
ブラウザやデバイスのUI 異なるブラウザやデバイスで閲覧してもデザインが崩れず、適切に表示されると使いやすいです。
起動時のシナリオ設定 起動時にシナリオを設定できると、スムーズに会話を開始できます。
回答に紐づくシナリオ設定 ユーザーの回答に紐づくシナリオを設定できれば、より複雑な質問にも対応可能です。
修正候補となる質問回答の自動表示 効率的にチャットボットの回答精度を高めることができます。
外国語対応 外国人の社員や顧客の満足度向上や外国語でのカスタマーサポート対応の負荷の軽減に役立ちます。
質問に対する即時回答 質問に関連するFAQをそのまま表示します。ただし、精度が低いと的外れな回答になります。
有人オペレーターへの切り替え 有人オペレーターへ切り替えができると、チャットボットで解決できなかった問題がうやむやになりません。
関連FAQのサジェスト表示 関連FAQがサジェスト表示される場合、ユーザーが自ら疑問を解消しやすくなります。
アンケート機能 アンケート機能があれば、ユーザーのニーズや満足度を把握できます。
11. AIの進化から見る今後のチャットボット

チャットボットの技術は、生成AIの登場によって革命的な進化の最中にあります。従来のチャットボットが決められたルールやシナリオに基づいた応答が中心だったのに対し、現代のAIは文脈を深く理解し、より自然で人間らしい対話を生成できるようになりました。これにより、チャットボットは単なる「FAQツール」から、企業の「対話型インターフェース」へとその役割を変えつつあります。

生成AIによる対話能力の飛躍的向上

近年のAIモデルは、膨大なテキストデータを学習することで、質問応答だけでなく、文章の要約、翻訳、さらにはクリエイティブな文章作成まで可能にしています。この技術がチャットボットに組み込まれることで、ユーザーの曖昧な質問の意図を汲み取り、過去の対話履歴を踏まえた上で最適な回答を動的に生成できます。これにより、顧客体験の向上と、企業のDXを強力に推進するツールとしての期待が高まっています。

マルチモーダル化とAIエージェントへの進化

今後のチャットボットは、テキスト(文字)だけでなく、画像、音声、動画といった複数の情報(モーダル)を同時に扱える「マルチモーダルAI」の搭載が進むと予測されています。ユーザーが製品の不具合箇所を写真で送信すると、AIがその画像とテキストの内容を理解して解決策を提示する、といった活用が可能になります。 さらに、単に応答するだけでなく、ユーザーの指示に基づき能動的にタスクを実行する「AIエージェント」への進化も始まっています。例えば、「来週の大阪出張を手配して」と依頼するだけで、AIがカレンダーの空きを確認し、交通手段や宿泊先を検索・予約し、スケジュールに登録する、といった一連の作業を代行する未来です。 AI関連のポータルメディアでも頻繁に取り上げられるように、各社が独自のAI開発や連携を進める中、チャットボットは企業の顔として、より高度な業務処理を担う中心的な存在になっていくでしょう。

12. まとめ

チャットボットカオスマップを見れば、自社が活用できるチャットボットを効率的に探せます。チャットボットの種類や市場における勢力関係も把握できるため、さまざまな角度から検討することが可能です。

RICOH Chatbot Serviceは、AI活用型チャットボットです。学習済みのAIを活用していることから、ユーザーの自由な入力(表現のゆらぎ)に対応でき、なおかつ導入前に大量の学習をさせる手間とコストは必要ありません。

選択肢式で正確な回答に導く方法にも対応しており、AI型と非AI型のメリットを兼ね備えたチャットボットです。サジェスト機能や外国語にも対応していますので、是非一度デモをご覧いただき、RICOH Chatbot Serviceをご体感ください。

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