生成AIのプロンプトとは?コツや書き方について徹底解説!
生成AIの業務への活用が進んでいる中、プロンプト(指示文)をいかに作成するか、コツなどを社内で共有していることもあるのではないでしょうか。プロンプトは用途によっても変わってくるため、それぞれの用途に応じた最適なプロンプト作成のコツを模索していることもあるでしょう。
そこで今回は、生成AIのプロンプトの概要や目的別の具体例、作成のコツをご紹介します。生成AI活用を効率化したい方はぜひご覧ください。
まずは生成AIとそのプロンプトの概要から確認していきましょう。
●生成AIとは?
生成AIとは、学習した内容を元に、文章や画像などの新たなデータを生成するAI技術です。AIは人工知能であり、人工的に作られた知能を持つコンピューターです。従来のAIと比較し、ディープラーニング(深層学習)により、AIが自ら学習して新たなコンテンツを生成するのを得意とします。
●生成AIのプロンプトとは?
プロンプトとは、指示文のことです。例えば「この文章を英語に翻訳してください」「○○について教えてください」などと指示する文章を指します。生成AIは、人間がプロンプトで指示することで、それに応じて生成物を作ります。
●生成AIのプロンプトの重要性
生成AIを活用するにあたって、プロンプトは特に重要です。なぜなら、生成AIの生成物の質は、プロンプトによって大きく変わるためです。また、同じプロンプトであっても生成結果が異なることがあるため、複数回実施したり、連続で実施したりすることも求められます。
人間が意図することをAIに正確かつ適切に理解させ、生成させるためには専門知識やコツが必要であり、プロンプトを重要視してそのスキルを磨き上げる研修を実施する企業もあります。
生成AIのプロンプトは、目的によって適切なものが変わってきます。そこで目的別の具体例を見ていきましょう。
●接待や会食の案内メール文作成
#命令文
あなたは営業成績No.1の営業担当者です。
次の情報をもとに、取引先に対して感じの良い会食の案内メールを作成してください。
#条件
-ビジネスライクではあるが、堅苦しくない調子で
-拝啓や敬具は使わない
#詳細
-会食の日時とお店のご案内
-メールの相手は取引先の部長
-会食に参加いただけることに感謝の意を伝える
-会食の日程は2025年5月19日(月)18:00開始
-お店は銀座の「○○○○」
#出力形式
件名:
本文:
[会社名]
[担当者名] 様
{ }
[メール署名]
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●文章の要約
#命令文
あなたはプロの要約者です。
次の文章を要約し、200文字以内にまとめてください。
要約の際は、専門知識のない一般的な人に向けてわかりやすく記載してください。
#入力文
(ここに要約したい文章を入力)
●文章の校正
#命令文
あなたはプロの校正者です。
次の入力文について、文中の文法的な誤りを見つけて正確な表現に修正してください。
#入力文
(ここに校正したい文章を入力)
●翻訳
#命令文
あなたはプロの翻訳者です。
次の入力文について、専門用語を適切に翻訳し、専門用語を知らない一般読者にもわかるようにしてください。
#入力文
(ここに翻訳したい文章を入力)
●議事録作成
#命令文
あなたは議事録作成のプロです。
次の入力文について、条件に沿った適切な議事録を作成してください。
#条件
・以下の[#入力文]の内容は、会議の文字起こしデータです。
・文字起こしデータは一部欠損しており、不正確であるため、文脈で判断しながら整理してまとめてください。
・簡潔かつ明瞭に記述するようにしてください。
・専門用語は初めて聞く人にも分かりやすいよう説明を添えてください。
・ケバ取りしてください。
#出力形式
・出力はテキスト形式とします。
・発言者ごとに発言を整理してください。
・議論の要点は箇条書きで記載してください。
・冒頭に「会議日時」「場所」「出席者」を記載してください。
・冒頭文の後に、「議題」「発言者」「結論」の流れで記述してください。
・会議で決まった「次のアクション」と「期日」と「担当者」を箇条書きでまとめてください。
#入力文
(ここに会議の文字起こしデータを入力)
●企画立案・アイデア出し
#命令文
あなたはプロの商品企画開発担当者です。
以下の「#目的」と「#条件」に基づき、これまで誰も思いついていないような、また市場ニーズに合った新しい商品のアイデアを10個出してください。
#目的
新しい健康ニーズを満たす飲料の商品開発
#条件
・ターゲット:40~50代のビジネスパーソン
・満たしたいニーズ:仕事の合間に疲れを癒しつつ、健康効果も期待できる
●市場調査・マーケティング
#命令文
あなたは一流のマーケティング担当者です。
○○市場における最も重要な競合企業を特定し、ビジネスモデルと製品・サービス、市場におけるポジション、顧客層を分析し、マトリックスや図で可視化してください。
●プログラミングのコード生成
#命令文
あなたはプロのPythonのプログラマーです。次の目的と条件と入力文をもとに、最適なコードを出力してください。
#目的
・○○を出力するプログラムを作成する
#条件
・わかりやすく簡潔にしてください
・日本語でコメントを入れてください
・例外処理を入れてください
先述の通り、生成AIのプロンプトは少し違うだけで大きく結果が変わることが多いです。求めている生成結果を得るためのプロンプト作成のコツをご紹介します。
●目的を明確にする
プロンプト作成前に、生成AIを利用する目的を明確にすると、生成AIの出力結果についても良し悪しが判断しやすくなります。また目的がずれてしまうことも避けられます。
●命令と条件を分けて作る
プロンプトでは生成AIにこちらの意図を正確に理解してもらうことが重要です。そのため、まとまりのない長文を示すのと比べて、命令と条件を端的にわかりやすく示すほうが正確に伝わりやすくなります。
●具体的に示す
精度の高い出力結果を期待するなら、できるだけ具体的に示すことがポイントです。例えばメール文であれば、「好感度の高いメール文を作成してください」よりは「今後も取引を継続させたいと思わせる気持ちが伝わるメール文を作成してください」といったように意図を具体的に示したほうが求める結果を得られやすくなります。
●回答例を示す
ある程度、「このような回答が欲しい」というイメージがあるのであれば、それをそのまま示すのも一案です。そうすることで、求める回答に近づきます。
●シンプルなプロンプトを作り、後から追加で指示する
プロンプトにあれもこれも盛り込んでしまうと精度が下がることがあります。まずは重要なポイントだけに絞ったシンプルなプロンプトで指示し、後から必要な要素を追加していくやり方のほうが求める結果を得られやすくなるでしょう。
●最新モデルを利用する
生成AIのモデルはできるだけ最新のものを利用するようにしましょう。上位モデルになるほど最新データを学習していたり、入出力性能が向上していたりします。そのため、出力結果も精度の高いものが期待できます。
「基本のコツ」を意識していても、いざ実行してみると「回答がずれている」「内容が薄い」と感じることがあります。生成AIが期待通りの結果をアウトプットしてくれない際は、大きく分けて3つの失敗の原因が潜んでいます。
●指示の抽象化による精度の低下
「〜について詳しく教えて」「〜の企画を考えて」といった指示は、一見明確ですが、ビジネスシーンでは不十分です。
AIは、あなたの頭の中にある「ターゲット」や「目的」をエスパーのように読み取ることはできません。情報の解像度が低いと、AIは無難で一般的な回答(当たり障りのない内容)でお茶を濁してしまいます。
●1つのプロンプトに「複数のタスク」を詰め込みすぎている
「資料を要約して、英語に翻訳し、最後にキャッチコピーを3案出して」というように、複数の命令を一気に送っていませんか?
AIの処理能力には限界があり、一度に多くのことを頼むと、一つひとつのタスクに対する注意力が分散します。その結果、要約が不正確になったり、翻訳が不自然になったりと、全体のクオリティが低下する原因になります。
●AIに「学習していない領域」の正解を求めている
生成AI(特にChatGPTなどの大規模言語モデル)は、学習データに基づいて「もっともらしい文章」を作るのが得意ですが、最新のニュースや自社独自の社内規定、専門的な最新技術などはリアルタイムで把握していない場合があります。
存在しない情報を無理に答えさせようとすると、AIはもっともらしい嘘(ハルシネーション)をついてしまい、ビジネス上のリスクに繋がります。
これらの失敗パターンに心当たりはありましたか?原因がわかれば、対策は簡単です。次の章ではこうした失敗を回避し、回答の精度を劇的に引き上げるための「もう一押し」のテクニックを解説します。
ここまでで、基本のコツを使いこなし、失敗の原因も把握できたと思います。そこからさらにもう一歩、アウトプットの品質に引き上げるためのテクニックを3つご紹介します。
プロンプトの最後に添えるだけで、驚くほど回答の精度が変わります。
●「ステップバイステップで考えて」と書き添える
プロンプトの最後に「ステップバイステップで考えてください」という一言を付け加えてみてください。これにより、AIは結論を急がず、論理的な思考プロセスを順番に辿るようになります。複雑なビジネス戦略の立案や、緻密な計算が必要なタスクにおいて、論理の飛躍やミスを防ぐ効果があります。
●AI側から「逆質問」をさせる
一発で完璧なプロンプトを書こうと気負う必要はありません。
「回答を作成するにあたり、不足している情報や確認したい点があれば、回答前に質問してください」と指示に含めてみてください。
これにより、AIが自ら前提条件を確認してくるようになります。この「対話」を挟むことで情報のミスマッチが解消され、結果として一発で理想に近い回答を引き出すことが可能になります。
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●良い例を1〜2個提示する(Few-Shotプロンプティング)
言葉だけで説明するよりも、「実例」を見せるのが一番の近道です。
「以下のようなトーンで作成してください」と、過去に作成した質の高いメール本文や企画書の一部をサンプルとして提示してみましょう。
AIはそのサンプルの構造や表現の癖を学習し、あなたの会社の文化や自身のスタイルに極めて近いアウトプットを出せるようになります。
これらのテクニックを駆使すれば、生成AIは単なる「便利な道具」から、あなたの思考を拡張する「優秀なパートナー」へと進化するはずです。
しかし、自由度が高く便利なプロンプトだからこそ、ビジネスで利用する際には最低限守るべきルールがあります。最後に、安全に活用を続けるための注意点を確認しておきましょう。
生成AIのプロンプトを作成する際には、注意点もあります。主なものをご紹介します。
●トーンやマナーを反映させる
プロンプトには単に内容の指示だけでなく、企業理念やブランドイメージに合ったトーンやマナーを取り入れることも大切です。また顧客に対するメッセージ文を生成するときには特に配慮が求められます。例として「お客様に向けて、やさしくフレンドリーかつ心のこもったあいさつ文を作成してください」などのプロンプトが考えられます。
●同じプロンプトでも異なる結果が出ることを考慮する
先述の通り、同じプロンプトでも、毎回異なる結果が出力されます。これは、生成AIの多くはランダムに出力結果を表示させて多様化するように作られているのが理由です。毎日、同一のプロンプトで文章を生成するような業務に利用すると一貫性を欠く恐れがあります。複数回、同じプロンプトで実行するなど対策をとる必要があるでしょう。
●ハルシネーション発生前提で問いを繰り返す
生成AIには、誤った情報をあたかも事実であるかのように出力するハルシネーションと呼ばれる問題があります。そのため、出力結果には誤情報が含まれる可能性があることを前提に利用しましょう。最終的には必ずファクトチェックを入れるのはもちろんのこと、より具体的な指示を繰り返すことで誤った情報に気づきやすくなります。
●AIが学習してしまうことを前提に作成する
生成AIはプロンプトの内容に基づき、それを学習する形で生成する仕組みであることを理解しておく必要があります。学習した後は、他のユーザーの利用時にその情報を出力してしまう恐れがあるということです。そのため、学習されては困る機密情報は入力しないことが一つの対策です。
また、入力したデータを学習しない仕組みを構築することも有効です。例えば通常のChatGPTのWebサービスを利用する場合、入力内容は学習されてしまいますが、セキュアな環境を作ることで入力内容が学習されないChatGPTを利用できるサービスもあります。そのサービスの一つである「RICOH Chatbot Service」の「生成AIチャット」シリーズでは、情報漏洩の心配なく、プロンプトを自由に入力できるので、社内における利活用が促進されます。
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生成AIのプロンプトの概要から重要性、具体的なプロンプト例、注意点までご紹介しました。生成AIのプロンプトのコツを押さえ、そのレベルを上げることで、生成AIをより業務に活用できるようになるでしょう。
生成AI導入をご検討中の方は、ぜひRICOH Chatbot Service 生成AIチャットのラインナップをご検討ください。
リコーの「RICOH Chatbot Service」なら生成AIを活用した企業向けChatGPT連携サービスもあることから、特にセキュリティリスクを回避しながらの生成AI導入をご検討中の方におすすめです。
・RICOH Chatbot Service 生成AIチャット from 一般ナレッジ
リコーがご提供するチャットボット上でChatGPTを手軽に利用できます。Azure OpenAI Serviceでセキュアな環境を実現しており、通常のChatGPTとは異なり、社内データなどを入力しても学習されず、情報漏洩の心配がありません。
・RICOH Chatbot Service 生成AIチャット from 社内ナレッジ
社内データをアップロードすることで、社内データに基づき生成AIが回答する自社専用のAIを活用できるようになるサービスです。入力した内容も社内に留まるため、漏洩リスクはありません。
生成AIをセキュアな環境で活用されたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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