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生成AIのAPIとは?使い方やメリット、導入事例を徹底解説!

生成AIの業務利用が進んでいますが、一般的なWebサービスの利用ではなく、社内・社外向けシステムを開発し、生成AIを利用するケースが増えています。そうした中、役立つのがAPIです。
今回は、生成AIのAPIの概要やできること、生成AIのAPIの使い方の基本の流れ、APIのメリット、成功事例をご紹介します。

1. 生成AIのAPIとは?

生成AIのAPIの定義と共に、API連携によってどのようなことができるようになるのかをご紹介します。

●生成AIのAPIとは?

APIとは「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の頭文字を取ったもので、アプリケーションとプログラムの橋渡し役の意味合いを持ちます。

生成AIとは、入力されたテキストに基づき、新しいテキストを生成する能力を持つAI技術です。指示文をチャット画面に打ち込めば、即座に返答を返してくれます。企業内では文章作成、翻訳、情報収集など、さまざまな業務に応用されています。

例えば生成AIのチャットサービスを、社内のシステムに連携させて利用したい場合、生成AI側とシステム側のAPI同士を接続することで、容易に社内システムで生成AIチャットサービスを利用できるようになります。APIを利用して外部サービスと接続することを「API連携」と呼びます。

●生成AIのAPIの例

代表的な生成AIのAPIの例として、次のものが挙げられます。

・ChatGPT APIOpenAI社が提供する対話型生成AI「ChatGPT」に備わるAPIです。ChatGPTはブラウザを介して利用できるWebサービスですが、APIを利用することで自社のWebサービスや業務システムと連携させ、ChatGPTを利用できるようになります。

・Azure OpenAI ServiceMicrosoft社が提供するクラウドサービス「Microsoft Azure」においてOpenAI社のGPT-4などの生成AIモデルをAPI経由で利用できるサービスです。生成AIモデルを利用してサービス開発が可能になります。

・Gemini APIGoogle社が提供する生成AIモデル「Gemini」に備わるAPIです。GeminiもChatGPTと同様、Webサービスとして利用できますが、APIを利用すれば独自のシステムやサービスに連携させることが可能です。

●生成AIのAPI利用でできること

生成AIのAPIを利用すれば、さまざまなシステムとの連携・サービス開発が可能になり、具体的には次のことができるようになります。

・生成AI搭載の高性能なチャットボットによる顧客対応・ヘルプデスク
・生成AI搭載の社内FAQシステムの構築
・生成AIによる社内データ分析
・生成AIによる社内のレポートの作成
など

【関連リンク】
ChatGPTのAPIとは?APIを使うことでできるようになること

2. 生成AIのAPIの使い方の基本

生成AIのAPIの使い方の基本の流れをご紹介します。

1. APIキーを取得する

連携したい生成AIサービスに登録し、「APIキー」を取得します。APIキーとは、生成AIサービスがAPIを提供する際に発行するもので、APIへアクセスするために必要な英数字の文字列です。つまり、APIに接続するためのパスワードの役割を果たします。
APIキーを利用することで、生成AIサービスを、APIを通じて呼び出すことができるようになります。

2. 開発環境においてAPIを利用する設定を行い連携させる

例えば生成AIサービスを社内に構築している既存のシステムと連携させたい場合には、その既存システムと生成AIサービスとを連携させる開発環境においてAPI連携を行います。
まずは開発環境でAPIを利用するため、APIキーを設定して生成AIサービスとシステムを連携させます。

3. APIにリクエストを送信し、生成AIに生成を促す

API連携を行った後は、実際にシステム上で生成AIサービスを利用していきます。APIを介して生成AIサービスを利用するには、まずシステム側からAPIにリクエストを送信し、生成AIに何らかのコンテンツの生成を促します。

4. 生成結果を取得する

APIを介して生成AIサービスが指示に従ってコンテンツを生成した後は、生成したコンテンツを、APIを介してシステム側で取得します。

5. 生成結果のコンテンツをシステムに統合する

システム側が受け取った生成結果のコンテンツは、システムに統合し、指定の画面に表示するなどして出力します。

実際に生成AIのAPIを利用する際には、生成AIサービスとの契約状況やフロー、システムの仕様などによってやり方・手順が異なります。その都度、フローを確認してAPI連携を進めましょう。

生成AIのAPIとは?
3. 生成AIのAPI利用のメリット

生成AIのAPIを利用することのメリットをご紹介します。

●サービス・アプリケーション開発が効率化する

生成AIのAPIを利用して開発することで、開発そのものが大幅に効率化します。生成AIを活用してサービス開発をしたいニーズや、社内のアプリケーションと連携させて利活用を進めたいニーズが増える中、人手不足やIT人材不足の背景もあり、新たな開発にはできるだけコストや手間を削減したいところがあります。
そのような中、自ら生成AIを開発することは技術的にもリソース的にも、開発期間としても現実的ではないでしょう。既存の精度の高い生成AIサービスを利用することで、迅速かつ容易に開発が可能になります。

●コストの最適化につながる

生成AIはWebサービスに登録して利用することもできますが、月額制などの固定料金制が多くなっています。一方、API利用は従量課金制のことが多く、「使った分だけ支払う」ことになるため、うまくコストコントロールすればコスト最適化を実現します。

●多様なタスクの実行・UX(ユーザーエクスペリエンス)の向上

生成AIを連携させて利用できるようになれば、既存システムやアプリケーションで実行できるタスクが増えるため、利便性が向上します。業務効率化にもつながるでしょう。
またチャット形式によるスムーズな対話で問答が可能になることから、UX(ユーザーエクスペリエンス)、つまりユーザー体験の向上にも寄与します。

●カスタマイズ性・拡張性が高い

生成AIのAPIは、サービスによっては業種や目的に応じたカスタマイズを容易に行えるメリットがあります。例えば、生成AIの応答のトーンの調整、社内の専門用語の登録、社内ルールの反映なども可能です。社内のあらゆるシステムやアプリに連携させることで幅広い用途で活用が可能になります。

●セキュリティ性を向上させられる

生成AIは、一般向けや個人向けのプランの場合、入力した情報が生成AIの学習に使われてしまうため、企業が利用するのは情報漏洩の懸念からむずかしいのが現状です。一方、API連携を利用すれば、生成AIの学習に使われないようにすることが可能です。
またAPI連携であれば暗号化や匿名化の処理、情報共有範囲などをコントロールできるため、セキュリティ性を向上させられるメリットもあります。

4. 生成AIのAPIの導入事例

生成AIのAPIの導入事例をご紹介します。

●医療機関

ある医療機関では、セキュリティの観点から院内で行われる会議に外部の第三者の意見を反映させることがむずかしい中、ITやAIの活用も展望していたため、生成AIのチャットボットを、APIを介して導入しました。API連携により、入力された情報はAIの学習外であるため、外部への漏洩の心配もありません。
生成AIを活用することで、これまでにない新しい視点が得られるようになり、職員の利活用も進んでいます。

この事例で導入されたのは、リコーのチャットボットサービスのオプション「RICOH Chatbot Service 生成AIチャット from 一般ナレッジ」です。Azure OpenAI Serviceにより生成AIをAPIによって手軽に利用できます。通常の生成AIサービスを利用するのとは異なり、社内データなどを入力しても学習されず、情報漏洩の心配がない点が優れています。

●食品商社

ある食品の卸売販売を行っている商社では、営業活動の際に商品コメント作成の工数が増えていた中、ChatGPT利用で効率化を図るために、API連携が可能なサービスを導入しました。入力した情報がAIに学習されないセキュアな環境下で、コメント案の自動作成を実現し、営業工数の削減に成功しました。また商品マスタとの連携により容易に業務に活用できるようになりました。

この事例で導入したのも、リコーのチャットボットサービスのオプション「RICOH Chatbot Service 生成AIチャット from 一般ナレッジ」です。この事例でもセキュアな環境下で業務効率化を実現しています。

●証券会社

ある証券会社では、ChatGPTを全社導入する際にAPI連携が可能なAzure OpenAI Serviceを利用しました。英語での情報収集や書類・企画書作成のたたき台作成のほか、さまざまな活用アイデアを創出し利活用を進めています。

●フィンテック企業

あるフィンテック企業は、オンラインショッピングにおける顧客の利便性向上や従業員の生産性向上を目的として、ChatGPTをショッピングが可能なプラットフォームに導入し、AIアシスタントとしてショッピング体験を会話形式でサポートする仕組みをAPI連携により開発しました。顧客のショッピング体験と質の高いカスタマーサービスの提供に加え、問い合わせ減少による業務効率化にもつなげています。

生成AIのAPI利用のメリット
5. まとめ

生成AIはAPIを利用することで、社内の既存システムとの連携や新規サービス開発を可能にします。特にセキュリティを高めながら生成AIを利用できる環境が構築しやすいことから、さらなる活用が促進されていくでしょう。

生成AIのAPI活用をご検討中の方は、ぜひリコーの「RICOH Chatbot Service 生成AIチャット」のラインナップをご検討ください。セキュリティリスクを回避しながらの生成AI導入をご検討中の方におすすめです。

・RICOH Chatbot Service 生成AIチャット from 一般ナレッジ

リコーがご提供するチャットボット上でChatGPTを手軽に利用できます。Azure OpenAI Serviceでセキュアな環境を実現しており、通常のChatGPTとは異なり、社内データなどを入力しても学習されず、情報漏洩の心配がありません。

・RICOH Chatbot Service 生成AIチャット from 社内ナレッジ

社内データをアップロードすることで、社内データに基づき生成AIが回答する自社専用のAIを活用できるようになるサービスです。入力した内容も社内に留まるため、漏洩リスクはありません。

生成AIをセキュアな環境で活用されたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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