コラム COLUMN

壁打ちにAIを利用して業務効率化!
効果的にAIを使う方法・プロンプト例をご紹介

アイデアを生む話し相手として便利なAI。生成AIの浸透から、身近なところで手軽に壁打ちができるようになった今、より有効活用できる方法を模索する段階にきています。

今回はAIを利用した壁打ちの概要から生成AIの壁打ちをビジネスで実施するメリット、生成AIの壁打ちをビジネスで実施するやり方の例、生成AIの壁打ちにおすすめのプロンプト例、注意点を解説します。

1. AIの壁打ちとは?

AIの壁打ちとはどのような意味なのか、また生成AIとの関係をご紹介します。

●壁打ちとは

壁打ちとは、本来、テニスや卓球において壁を相手にボールを打つトレーニング方法のことです。ビジネスに派生して使われる場合、自分の意見やアイデアを誰かに話して、何らかの反応を受け取って参考にしたり、自分の考えを整理したりするために行う行為を指します。

●AIを活用する壁打ちとは?

従来、壁打ちは社内であれば同僚や上司、部下などの身近な相手と行うのが一般的でしたが、近年はリモートワークも進み、必ずしもいつも近くに人がいるとは限りません。また、生成AIの高精度化により、生成AIとチャットで会話する習慣が定着する中、「生成AIを壁打ち相手にする」ことも浸透してきました。

壁打ち相手がいないときはもちろん、普段から業務で生成AIを使うシーンなどに壁打ちを試し、アイデアを得るといったものです。一般職にとどまらず、管理者や経営層まで利用が進んでいることから、今後もますますAIの壁打ちは浸透していくでしょう。

AIの壁打ちとは?
2. 生成AIの壁打ちをビジネスで実施するメリット

生成AIの壁打ちをビジネスで実施するメリットをご紹介します。

●壁打ち相手がいないときに便利

壁打ちといえば、以前はオフィスワークが多かったこともあり、気軽に隣の席の相手をつかまえることもできましたが、近年は働き方の変化により容易ではなくなってきました。そのような壁打ち相手がいないという場合も、生成AIであれば誰かに頼ることなく便利に利用できます。

●24時間365日・気兼ねなく行える

生成AIは24時間365日、いつでもどこでも気兼ねなく壁打ちができる点が大きなメリットです。

●人よりも多様な視点を得られることもある

生成AIは幅広い視点から回答を返してくれることから、複数人に聞くよりも視点の数が多いことから、効率的な壁打ちができるといえます。

●誰かに情報が伝わることがない

自社の業務に直接関係のある内容の壁打ちをするには、情報漏洩のリスクがあることから、社内の誰かを相手に壁打ちをすることになります。しかし生成AIであれば、直接的な機密情報の入力を避け、情報が生成AIの学習に使われることのないセキュリティ面で安心できる環境であれば、情報が誰かに伝わることがありません。

3. 生成AIの壁打ちをビジネスで実施するやり方の例

生成AIの壁打ちをビジネスで実施するやり方の例をご紹介します。

●製造業の壁打ち例

製造業の場合、次のテーマで壁打ちができます。

・新製品のコンセプトやデザイン案のアイデア出し新製品のコンセプトやデザイン案でヒントが欲しい場合、新製品についての情報を生成AIに伝えれば、アイデアを返してくれるでしょう。

・製造プロセスの分析と改善案のアイデア出し現状の製造プロセスに問題がないか生成AIに分析してもらい、改善案をいくつか提案してもらうこともできます。

・品質管理の視点の製造プロセスの課題解決策のアイデア出し品質管理担当者が、現状の製造プロセスに何らかの課題を抱えている場合、その課題解決策を新しい視点から出してもらうといったこともできるでしょう。

●新規事業立案時の壁打ち例

新規事業を立ち上げるときに実施できる壁打ち例です。

・ネット業界新規事業のアイデア出しネット業界の企業が、例えばメタバースを活用した新規事業アイデアを見つけたいといった場合、これまでの知見と経験では発想が限られることもあるでしょう。壁打ちをすれば、生成AIが思わぬ視点のアイデアをくれるかもしれません。

・AI関連ビジネスのアイデア出し近年、AIを活用したサービス開発が進んでいますが、AIに関連する新しいビジネスのアイデアの壁打ちを行うのも良いでしょう。

●営業活動の壁打ち例

業種問わず、営業活動に関する壁打ちも可能です。

・リードへのアプローチ手法のアイデア出しリード(見込み顧客)を育成し、商談につなげるインサイドセールスなどの営業活動において求められる緻密なアプローチ計画も、生成AIとの壁打ちによって新たな視点が見つかるかもしれません。またリード情報を踏まえた個別の最適なアプローチ手法を問うのも一案です。

・セールストークのブラッシュアップセールストークのトークスクリプトのブラッシュアップに生成AIを利用することも可能です。顧客ごとの最適なコミュニケーションのヒントが得られます。

・提案書の構成見込み顧客との接点を得た後、有効な商談・契約につなげるために、営業提案書を作成する段階で、構成についての壁打ちを行うのも良いでしょう。見込み顧客の課題を踏まえた最適な構成を検討することができます。

生成AIの壁打ちをビジネスで実施するやり方の例
4. 生成AIの壁打ちにおすすめのプロンプト例

生成AIを利用する際には、プロンプトと呼ばれる指示文を入力することで、生成AIからの返答が得られます。壁打ちの場合、どのようなプロンプトを利用するのが良いのでしょうか。壁打ちは自分の思考整理が主な目的であるため、ざっくばらんに、思いつくままに会話をするのも良いですが、例として次のプロンプトを利用するのもおすすめです。

●新製品のコンセプトのアイデア出し

あなたは飲料メーカーの新商品開発の企画担当者です。
現在、Z世代をターゲットにした新しいペットボトル飲料の商品企画をしています。
以下条件を参考に依頼内容に対し、プロフェッショナルとしてアイデアを提案してください。

【背景・目的】
Z世代のトレンドやニーズにマッチし、健康志向や環境配慮をキーワードにした新商品のアイデアが欲しいです。

【ターゲット】
15~29歳、男女、学生・フリーター・会社員

【販売チャネル】
コンビニエンスストア

【依頼内容】
1. Z世代の特徴を踏まえた新しいペットボトル飲料のコンセプト案を3つ提案してください。
2. それぞれのアイデアについて、味・機能性・パッケージデザイン・訴求ポイントを簡潔に説明してください。
3. コンビニ向けの販売戦略や差別化要素についてもアドバイスをください。

【条件】
・価格帯は100~150円程度を想定
・健康志向や環境配慮を重視する
・SNS映えするデザインや話題性も重視

●新規事業のアイデア出し

あなたは製造業の新規事業企画担当者です。
生成AIを活用した業務効率化をテーマに、新しい事業アイデアを検討しています。

製造業特有の課題(例:生産プロセスの最適化、品質管理の高度化、熟練技能の標準化など)を踏まえつつ、以下の要件に沿ったビジネスアイデアを3つ提案してください。

【提案内容】
・各アイデアの概要
・ターゲット(具体的な顧客層や業種)
・提供価値(製造業における課題解決や効率化ポイント)
・収益モデル(どのように収益化を図るか)

【背景・期待】
近年、生成AIは製品設計の最適化や生産ラインの効率化、品質向上など製造業の多くの現場で導入が進んでいます。これらを踏まえ、我が社の新規事業として展開可能な革新的かつ実用的なアイデアを期待しています。

●営業のトークスクリプトのブラッシュアップ

あなたは製造業の営業担当者です。
新規顧客である中小企業向けに、特に「人手不足」が深刻な企業を対象とした弊社製品のセールストークスクリプトがあります。
このトークスクリプトを以下の観点でより効果的かつ説得力のあるものにブラッシュアップしてください。

【背景・ターゲット】
・中小企業を対象(業種は幅広いが製造業中心)
・課題は人手不足や業務効率化に悩む企業が多い
・お客様の業務負担軽減や生産性向上の支援が訴求ポイント

【依頼内容】
1.現行のスクリプトの改善点(表現、構成、説得力など)
2.より響くメッセージや具体的な提案例の追加
3.人手不足解消の最新トレンドやDX活用なども踏まえた説得素材の提案

【出力形式】
・改善案として修正済みのトークスクリプト例
・ポイント解説(なぜ効果的か)

なお、以下が現在のトークスクリプトです。
―――――――――――――――――――――――
【現在のスクリプト】
(ここに現行スクリプト全文を貼り付ける)
―――――――――――――――――――――――

5. 生成AIの壁打ちを行う際の注意点

生成AIの壁打ちを行う際には、次の点に注意することをおすすめします。

●セキュリティの懸念

壁打ちだけでなく、生成AIを業務で利用する際にはセキュリティの観点で十分な注意が必要です。具体的なリスクとして、入力した情報が生成AIに学習されてしまうリスク、暗号化されていない環境でのデータ通信により第三者から傍受されてしまうリスク、システム・ネットワークを狙ったサイバー攻撃のリスクなどがあります。

対策として、生成AIに学習されない環境を社内に作る、閉域で構築し、暗号化などのネットワークセキュリティを万全に整えるなどを検討しましょう。

●正確な情報ではないリスク

生成AIは正確ではない情報、古い情報などをあたかも正しい情報であるかのように回答する「ハルシネーション」が発生することがあります。壁打ちであっても、ビジネスや業務に利用する際には、必ず根拠を自ら調べる、業務利用するにはダブルチェックを行うなどして正確性を担保しましょう。

●生成AIを使いこなせない

そもそも壁打ちであっても生成AIの使い方がわからなければ利便性の高いメリットが得られません。生成AI研修を実施するなどして、従業員が自由に使いこなせるようにするのもおすすめです。

6. まとめ

生成AIを活用した壁打ちは、社内のアイデア活性化にも寄与する有効な取り組みです。

社内に生成AI導入をご検討中の方は、ぜひRICOH Chatbot Service 生成AIチャットのラインナップをご検討ください。

リコーの「RICOH Chatbot Service」なら生成AIを活用した企業向けChatGPT連携サービスもあることから、特にセキュリティリスクを回避しながらの生成AI導入をご検討中の方におすすめです。

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リコーがご提供するチャットボット上でChatGPTを手軽に利用できます。Azure OpenAI Serviceでセキュアな環境を実現しており、通常のChatGPTとは異なり、社内データなどを入力しても学習されず、情報漏洩の心配がありません。

・RICOH Chatbot Service 生成AIチャット from 社内ナレッジ

社内データをアップロードすることで、社内データに基づき生成AIが回答する自社専用のAIを活用できるようになるサービスです。入力した内容も社内に留まるため、漏洩リスクはありません。

生成AIをセキュアな環境で活用されたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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